【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

7、800メートルの高さまで放射性物質噴き上げ ソ連事故原発


【モスクワ16日=新妻特派員】

ソ連気象環境監視国家委員会のコズロフ副議長は16日、モスクワで記者会見し、チェルノブイリ原子力発電所の原子炉破損事故が起こったとき、放射能物質は700メートルから800メートルの高さまで噴き上げられたことを明らかにした。また、同副議長は「破損した第4原子炉は14日に密閉を終えたので、新たな放射能汚染はない」と言明した。


しかし、原発から30キロ以内の地域は、今も農地の使用禁止など厳重な規制措置がとられていることを確認した。この一帯では事故発生のあと、1時間当たり10ミリレントゲンから15ミリレントゲンの放射能が測定された、としている。


また、原子力発電所から南約130メートルのウクライナ共和国の首都、キエフでは4月30日、最高の1時間当たり0.4ミリレントゲンを記録したが、今は1時間当たり0.18ミリレントゲンから0.2ミリレントゲンに下がっている。


さらに、コズロフ副議長は「4月26日未明に事故が起きたあと、幸いにこの地域には雨が降らず、原発近くのプリピャト川に放射能が流れ込むことがなかった。ソ連保健省の調べでも、プリピャト川、キエフの貯水池などの水からは、正常値を超える放射能は検出されていない」と語った。


(朝日新聞 1986/05/17)