Swish【スウィッシュ】・予定調和。とは行かない・・・ | スズキ アドレス通勤快速プロジェクト

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お盆休みにモトチャンプの取材の際に試した駆動チューン。

取材の際に試した駆動セットはスタートダッシュでモサッとしていて
50mのタイムではノーマルよりも良くなったパターンもありましたが
時間の制約もあり状況を好転させられないまま
イマイチな感触で終りました。

プーリーはノーマル改なので、
高速域以外の変速特性はノーマルそのまま。
原因はどう考えてもセカンダリー
(トルクカム側)にあります。

帰宅後に、取材中に試したセットとその結果を
一つ一つ分析すると、ちょっとした原因と言うか
解決策にたどり着きました。

「センスプが肝かも。。」

そこから、一つ良さそうな組み合わせが出来上がり、
2週間程の期間、通勤で様子を見ていました。

現状では、スタートダッシュのモサッと感を消す事には成功し、
逆にスタートに特化した仕様・・・と言った所です。

が、その影響で今度は最高速こそノーマル時に比べ5㎞/hほど
伸びていますが最高速付近ではかなり速度上昇が緩やかになり
最高速到達までの時間としては微妙な所です。

エンジン単体出力はノーマルなので、当然速度を持ち上げられるギア比と
回転数には限りがありますが、やはり最高速を伸ばしたとしても
到達まではスムーズに加速させたいものです。

現在の仕様では最高速を伸ばすのに、セカンダリーのベルト脱落を回避する必要もあり
アドレスV125G用のデイトナフラットドリブンを流用していますが、
今度はそれが苦戦の引き金となっている模様。。。。

↓↓駆動系チューンの敵、ベルト脱落の諸悪の根源です。
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ベルトがセカンダリーに入り込み、高速側に移行すると、プーリー側のベルトを
引き上げる量にもよりますが、中心付近の凹みにベルトが潜り込み、
低速側へ戻らなくなる危険性があります。
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↓↓運が悪いとベルトもこんな風に・・・・
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↓↓左はV125Gのノーマル(スウィッシュも同じ形状です。)
   右側がデイトナのフラットドリブン(アドレスV125G用)
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中心付近の凹みがノーマルよりも小径なので、
ベルトの変速幅に余裕があります。
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これまでのスズキ車のトルクカムの角度は45度というのが
基本路線だったのですが、なんとスウィッシュ、
セカンダリーを分解してビックリ。

正確には計測していませんが、トルクカムの角度が恐らく50度・・・・
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↓↓トルクカムのツイスト量です。
マジックで付けた印に注目!
左がスウィッシュ、右がデイトナ45度
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左がスウィッシュ、右がデイトナ55度
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トルクカムのツイスト量は、
45度 > スウィッシュ > 55度
となっています。

45度と55度、双方のトルクカムでテストを繰り返していますが、
ノーマルプーリーの変速特性(ローラー転動面)は、
50度以外でのトルクカム溝の相性があまり良く無い様で、
そこをセンスプでどうにかしてやろうとしているのが現状です。

↓この表の意味はソノウチイツカ・・・・・
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ぶっちゃけ、駆動に手を付ける前は、まさかトルクカムの溝角度なんて
従来通りと思い込んでいたのです。

プーリーのボスにシムを追加してベルトの落とし込みを増やし、
ノーマルのプーリーの外壁を加工してベルトの変速比を稼ぎ、
デイトナフラットドリブンは45度で、
スウィッシュのセンスプをそのまま流用すれば、
低速、高速共にノーマル+αになり万事OKぢゃね?

だったのですが、、、、

50度って・・・・。

デイトナのフラットドリブンは55度と45度の2種のラインナップですが、
まさかその間とは・・・。

良いところ突きすぎだろう・・って!

これまで長年スクーター弄りをしてきましたが
自分の中でも、ここ10年程度で駆動系を触る上で、トルクカムの溝の角度は
かなり重要な位置付けになってきています。

アドレス110で参加していたSS1/32mileでも
ストリート用のアドレス110、V125でも
45度を基準として、良い方向に向かうのは
経験上、角度を起こす方向であり
それがスウィッシュでは最初から盛り込まれている・・・・。

ここがスウィッシュの駆動を分解して初めて
メーカーの本気度を感じた部分でした。
これまで多くのモデルで使ってきた定番の角度を捨て
新たなセットの試みをしていると・・。

そんなこんなで、ベルト脱落問題を回避するために
メーカーの行きついたトルクカムのベストセットを崩し
さらにそれ以上を目指す為、手持ち部品で四苦八苦する羽目になるとは。

そもそも、この状況でノーマル以上が存在するのか?という考えが
頭を過りますが、そこはメーカーさん、燃費であったり
静寂性であったり、万人向けの扱い易さだったりと縛りが多数。

その辺を気にしなくて良い自分としては、
まだ突破口があるのでは?と信じる他ありません。

サクッとデイトナさん辺りでスウィッシュのトルクカムを
出してくれれば良いのですが、巷のスウィッシュ浸透具合をみても
もう暫く時間が掛かりそうに感じます。

それまでは、V125Sで蓄積した資産を極力流用し
頑張る他なさそうですね・・。

という事で、明日(今日?)9月6日発売のモトチャンプ10月号。
気になるV125Sとの性能差(メーカー視点じゃない部分から切り込んでます!)や
SUZUKIさんの入れ込み具合が伺える分解所見など、
おまけ?で駆動系チューンを開始した様子?も掲載されている(ハズ)なので
気になる方は、本屋さんへGo!ですよ。


そして、今後のプランは吉と出るか凶と出るか・・・・
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苦戦は続くっと。