みなさま、こんにちは!ファゴットの荒木です。

さて、今回は今年生誕125年を迎える作曲家、プーランクのご紹介です!『最後のメロディスト』プーランクの魅力に迫って行きます。




プーランクは1899年、フランスのパリに生まれた作曲家、ピアニストです。フランス6人組と呼ばれる作曲家集団の一人で、若手ながら当時のフランス音楽を牽引しました。軽妙洒脱(軽やかで洒落気があり、さっぱりとしているようす)と称される作風が特徴で『パリ』と聞いてイメージする姿そのものであると感じます。是非みなさま、曲を聴きながらお読みください。


さて、最初にご紹介する曲は『愛の小径(こみち)』です。序奏の和音からいきなり心つかまれますね。
過去に過ぎ去った愛情に思いふける、悲しいラブソングです。
先ほどちらっと申し上げましたが、プーランクは『最後のメロディスト』といった表現をされます。これは、次々と前衛的な現代音楽が生み出されていく音楽界で、最後まで美しいメロディを書き続けたプーランクを表すいい言葉だと、愛の小径を聴いて感じますね。

続きましてご紹介する曲は『三つのノヴェレッテ』です。ノヴェレッテとは短編小説を意味し、その名のとおり、短いピアノ独奏曲となっています。特に第一番は晴れた日の朝のような清々しい曲想で、メロディスト・プーランクの魅力が存分にわかる名曲です。プーランクはピアニストでもあったので、ピアノに歌わせるのは非常に得意だったようですね。


さて先ほどからメロディストとしてのプーランクに焦点を当てていましたが、実はプーランクにはもう1つ顔があります。それは管楽器を愛した作曲家だということです!!我々Mixibleは木管アンサンブルが主軸なのでこれは見逃すわけには行きません!

管楽器編、まず最初にご紹介しますのは、『ファゴットとオーボエとピアノのためのトリオ』です。当方ファゴット吹きですので、これは外せません。序奏が少しショッキングですが、それを抜ければまさに軽妙洒脱。コミカルな展開に終始圧倒されます。第二楽章もさすがプーランク、転調を駆使し美しいメロディを作り上げます。
オーボエとファゴットの時に弾けたり時に哀愁漂う音色がプーランクの音楽性に非常にマッチした名曲、必聴です!




最後にご紹介しますは、『六重奏曲』です。これは木管五重奏とピアノのために書かれた作品であり、プーランクの管楽器作曲家としての集大成的な作品です。各楽器の特色を生かしながら弾けるメロディ。これまでご紹介したプーランクの魅力をより煮詰めた名曲です。MixibleのYouTubeに演奏動画が上がっておりますので是非ご覧ください!!




さて、プーランク、いかがだったでしょうか?管楽器を、そしてなにより音楽を愛した彼は時代の流れに逆らいメロディストとして生き、その結果、現代に通ずる音楽が生まれました。とても掘り下げがいのある作曲家なので、知らない曲もあったかもしれませんが是非お気に入りの一曲を探してみてください!