たまには政治のお話。今回の選挙、自民党に政権が戻って喜んでいる人。残念に思っている人、それぞれだと思いますが、この結果、一見、国民の多数が自民党を選択したように見えますが、実は、あまりそうとは言えず、小選挙区選挙制度自体が、こうなるようにできていたと思います。もちろん、2割の自民党支持者がいることは前提ですが。

 前回、自民党の支持者が自民党にお灸を据えるために、民主党に投票した方が多かったと思いますが、その方が、フツーに自民党に戻りました。国民の2割の方です。それに、公明支持者の1割が自民党に投票すれば、単純に言えば、10人中3人が自民、民主が2人、それ以外が1人。棄権が4人。小選挙区自民党議員いっちょあがり。以下の選挙区もすべて同じ。前回、投票率が10%高かったのですが、その票が民主党にのっかって、自民の票が若干民主に流れれば、前回の結果が出る訳です。

 つまりは、10人に2人の自民党支持者と10人に1人の公明支持者が選挙協力をすれば、こいう結果になる。ことは、自明だった訳です。ただ、それには10人に4人の選挙棄権者がいることが前提になります。今回棄権した10人に4人の方が、民主なり、維新なり、未来なり、共産なり、それ以外に、投票していれば、この結果はまた変わったと思います。そう言う意味で、今回の自民圧勝の立役者は、投票に行かなかった方々と言えると思います。

 選挙後、テレビで石原元幹事長(息子の方)が、「この制度はあまりにも振れ幅が大きくて、大量の1年生議員が、一回限りで消えて行ってしまうので、政治家が育たない。中選挙区制度に戻した方がいいんじゃないか」、と言っていたのが印象的でした。勝った側が、選挙制度を批判するくらい、この選挙制度にはそういう問題?あるいは特性がある訳です。

 ただし、そのおかげで前回、民主党の政権ができたわけですから、こういう、二つの政党間で大きく政権が移動する二大政党制が日本にとっていいのかというところから考える必要があるように思います。

 自民党の大勝が判明した後、フジテレビの特番で、自民党の(名前忘れましたが、)ある議員が、「今後、民主党とも意見を調整して、決めて行かなければいけない」と言ったら、テレビ局側のコメンテーターが、「選挙の結果は自民党と公明党にすべてを決めてほしいという民意なんだから、民主党と調整するのは民意をふみにじることだ」と、言ったら、その自民党議員は「それは民主主義を間違えてとらえている。民主主義とは、多数派が、あくまで、少数の意見に配慮した上で、決めてゆく制度だ」と、言っておりました。マスコミの方が完全に舞い上がっていて、こういうきちんと考える政治家が、今後の政治を冷静に前に進めて行っていただきたいと思いました。

 大勢が判明した後のインタビューで、安倍さんも石破さんも、投票前のような、自信ありげな顔つきではなく、なんとも、目がうつろで、茫然自失という感じでした。この大勝、一番驚いているのは、勝った自民党の議員さん方じゃないでしょうか。