安保法制関連法案が採決された
集団的自衛権の是非に付いてはさておき、今回の採決は議会制民主主義の根幹をも揺るがしかねない暴挙と言わざるを得ない
突然だが先ず、小学校社会科の復習
日本の国家制度は何であろうか?
共和制?連邦制?
正解は『立憲君主制』である
つまり、天皇を国家元首とし憲法を最高法とした法治国家である
ここで『天皇が国家元首なの?』『じゃあ首相は?』と疑問に思われただろう
またまた小学校社会科の復習
日本は三権分立としている
権力を一極集中させない為に司法、立法、行政が独立性を保っている
また、政治家とは国の最高法である憲法に従い、忠実かつ誠実に国家国民の為に政を実行する事の見返りに、血税から給与を得る事を許されたいわば行政官である
つまり市職員は市民の、県職員は県民の、政治家を含む各省庁職員、官僚等国家公務員は国民の飼い犬だ
内閣総理大臣(首相)はこれら飼い犬共のトップでしかなく、ただの行政長官でしかない
憲法とはそもそも権力者の権力の濫用を縛り、権力者から国民を守る為のものだ
それをその、ただの行政長官でしかない首相があろう事か己の権力の濫用を抑止する為の憲法解釈を、己の都合良く拡大(誤大)解釈してしまったのだから始末が悪い
限定的集団的自衛権の行使(あくまでも限定的)は今の世界情勢を鑑みた場合、国民の生命、財産を守る上ではやむを得ないだろう
何が『限定的』か?という事は後日に譲るとして、政権を担うべき政党も自民党しかないと考えている
自衛隊も憲法で明確に国軍と認め、第9条を維持した状態での自主憲法制定をすべきなのだ
では今回の安保法制関連法案の採決は何がいけないのであろうか?
それは『決め方の決め方』が明らかに間違っている
つまり、憲法を拡大解釈(誤大解釈と言ってもよい)した上に、国民の合意もなしに安全保障関連法案を次々採決してしまった事だ
前にも述べた様にIS、アルカイダ等国際テロ組織による活動が盛んな昨今においては従来の枠組みでは安全保障が成り立たなくなっている事は間違いない
今、今回の安全保障関連法案採決に反対し国会前で反対デモに参加している人達の中にも実は、集団的自衛権は必要なのではないか、と考えている人達もいるかもしれない
反対デモに参加しないまでも集団的自衛権は必要と考えている国民も少なくはないはずだ
では何が問題なのか?
『決め方の決め方』である
ここでまた小学校社会科の復習になるが
『主権在民』という言葉を思い出していただきたい
国家の主権者は国民であり政治家ではない
政治家は国民の代表であり代弁者でしかない
1億2000万人が銘々各々勝手な事を言っていては国政は成り立たない
因って選挙により国民の代表者を選出し、以って国家国民の為に誠実に政務を実行する行政官、これが政治家である
国政とは国民の意志を十分反映させたものでなければならない
また、自衛隊の活動も自衛隊法によりその活動は国民の総意に拠るもの、とされている
集団的自衛権が必要な事は分かっている
であるならば今のままでは国家存亡の危機に際して自衛隊を海外の紛争地域に派遣する事は出来ない
それなれば正々堂々『憲法改正』を唱え自衛隊を国軍と認め、然る後国家存亡の危機に限り自衛隊を紛争地域へ派遣出来る安全保障の法制を進めるべきなのだ
全く以って『決め方の決め方』が間違っている
安倍晋三程の人物が、安全保障関連法案が違憲である事くらい分からない筈はない
個人的見解だが、安倍内閣の所謂『本丸』は実は憲法改正にあるのではない か?と考えている
憲法改正をしたい
↓
しかし今現在然したる危機に直面している訳でもなく(実際に日本は直接テロの標的にはなっていない)国民に危機感は感じられない
↓
憲法改正論議が盛り上がらない
↓
ならば敢えて安全保障関連法案提出により関心を持たせ、憲法改正という国民感情を煽る
↓
安全保障関連法案が違憲なのであれば、だったら憲法改正しましょうよ
という逆説のシナリオが最初から出来上がっているのではあるまいか
因みに付け加えておくが、民主主義とは数の論理ではない
多数決によって全て決定されてしまうのが議会制民主主義ではない
本当の民主主義とは『少』を切らずに『多』を活かす事である