背泳ぎのスタートは2タイプあると思います。

前傾型と後傾型です。

前傾型は古賀選手の例で以前に紹介させて頂きました。

https://www.wsaswim.com/single-post/2015/12/6/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E6%8A%80%E8%A1%93

後傾型というのは、日本人がスタートが苦手と言われた時代から

主流として使われていました。

勢いを重視する前傾スタートに比べ、反応速度を重視したスタートでした。

パワーが不足した日本代表が勢いがつけられないなら、反応は速くしよう。

という発想でした。


 

5コースにいる世界の徐選手も使っています。

〜やり方〜

お尻を水面につけ、上半身を後傾させること

〜メリット〜

・反応速度が上がる

・バーを握って待つ際に、体力が消耗しにくい

ただ、上半身の反動が使えないため、勢いに欠けることから

主流は後傾から前傾スタートへシフトしていってました。

そこで、びっくりしたスタートをしているのが、

日本選手権2連覇、パンパシ代表に内定した小西選手のスタートです。


この時点でえ?と言わざるをえません。

2017年度に導入されたバックストロークレッジいらないじゃん。

まぁしかし、このスタートで足滑らないの?

と言いたいところですが、


上半身で前傾から後傾にかかる反動は使えないものの、

姿勢が高く、壁を蹴る際の水抵抗もなく

小西選手の持ち前の反射神経か、

後方へ出る勢いがかなり速くて、

入水姿勢も一点で入りるため、重力での推進力を完璧に活かしてます。


後傾型の弱点をなくした、レッジの有無影響を受けない

完成系に近いスタートだな。と感じました。

足裏の柔軟性と全身の絶妙なバランスで、構えてますね。。。


見ると、RTが確実に0,4秒台。反応速度もずば抜けてるんです。

入水した際には、そこまで抜けないのは小西選手の体格(体重などによる重力要因の恩恵を受けにくい。)

によるものだと思います。

ただ、ブリッジせずにまっすぐのベクトル姿勢での入水。

飛んでいる姿勢も素晴らしいですね。

男子の選手でやれば、重力影響が大きいのでさらに面白いと思います。

現に、先に説明した徐選手も15m通過はかなり速いです。

世界のスタート技術を持っているのは、古賀選手だけではない

と言うように感じた衝撃のスタート技術でした。