が、好きではない(笑)

ライター名乗ってましたが、
「書く」ということを好いてはいません。


では何故ライターを目指したのか、
といいますと
失恋したからです。


28歳の時だったかな…
私は初めて彼氏ができました。
3歳年下の人で、
お互いに初めてのお付き合い経験でした。
恋愛未熟者だった私たちは、
たった半年で関係をだめにしてしまいました。


苦しかったーーーー
家族に捨てられたこともないくせに
同じような気持ちだ…と思いました。
それ位、辛かった。
眠りに落ちる瞬間だけが安らぎだったほど。

目が覚めるのを本気で恐れていました。
意識があれば、
一日中失恋について考えてしまうから。
意識がなくても…
夢で日中考えたことが再生されていたから
眠りの世界にワープしても考えていたのでしょう。
文字通り、「寝ても覚めても」
何故この恋がダメになってしまったのか、と
考えて考えて考えて…
いえ、止めたいのに頭が勝手に動いてしまって…
それほど失恋の毒に侵されていました。
思考回路が狂ったかのようだった。
とにかくもう一度付き合いたくて。
どうすれば私たちは上手くいくのか…
ひたすらシミュレーションを重ねました。
覆水盆に返らずなんですがね…
諦めることができませんでした。

で、その時期に
彼と戻れようが戻れまいが、
私自身に生き甲斐がないとダメだ!!
と強く思ったのです。

急に話が変わって申し訳ありませんが、
私は大学時代まで
'本気でやりたいこと'がありました。
それが人生の全てでしたし、
その為だけに生きていました。
遊ぶのも、友達と話すのも、イタズラを仕掛けるのも、ぜーーんぶ
'やりたいことを実現する自分'になるための肥やし。
どんな瞬間も、全てを'やりたいこと'に役立つツールのように捉えていました。
私の軸は「夢を叶えること」でしたし、
そうなれる自分に精神状態を整えて
強くたくましく生きていました。


だけどまぁ、無理ですよね、そんな偽りの強さなんて。
永久には保てない。
自分の本心を抑えて生き続けた結果、
周りのイメージと自分で把握している実像に
大きなズレが生じてきまして。
それが原因でもやもやが積もっていき…
そのもやもやが、
抑えていた本心のマイナス箇所を
大きくしていき…

やがて私自爆(笑)
もぅやってられるかぁーーー!!!!
と、ぷっつん(笑)

以来、'やりたいこと'を
捨ててしまったんですよね。
バカだった、
苦しんだ原因は'私の夢が奇怪なこと'にあらず
私自身が己を殺していたこと、ただそれだけだったのに。

'やりたいこと'は私をずっと、
ずーーーーーーっと支え続けてくれました。
小学校から大学卒業まで、ずっと。
夢という存在が生き甲斐だったんですよね。
だからそれを捨てたというのは大損失でした。


その後はふらふら~~と生き続けましたけど
結構といわず大分楽しい日々を送ってたんですけど
本気で取り組む事柄がなくなってしまった。


これでいいのかなぁ…
という疑問が頭から離れませんでした。


で、ふらついて…5年くらい?
初彼氏ですよ。
初めての恋人ができたわけですよ。
舞い上がるじゃないですか。
すぐに彼氏一色!!!!!
どんどんのめりこんじゃいましたねー。
しかも相手もね、そうでしたから。
お互いにのめり込み、二人の世界!!!


それだけ濃厚な時間を過ごしていた訳ですから
もう、生き甲斐は、彼氏オンリーです。
それだけですよ。
というか、生き甲斐を探していた私は
彼氏を当てはめてしまった訳ですよ。


だから、ね…
彼氏がいなくなって、
苦しくなって、
新しい希望が見出だせなくて、
悩み続ける日々から抜けられなくなって。


だめだ、と思いましたね。
生き甲斐をみつけなければ、
例え彼氏と戻れたとしても
他に好きな人が出来たとしても
結局同じ結末を迎えてしまう、と。

他人を生き甲斐だと思い込み
依存することは恐ろしいと実感しました。

だから、生き甲斐をみつけるにあたって、
ライターになろうと決めたんです。


冒頭の文章に戻りますが、
私は「書く」ということを好いてはいません。
ですが、ライターが一番夢に近かったのです。


私の夢は、創作の世界に入ることでした。
形にはならなくても、型にできるものを創り上げることでした。
演劇とか、音楽とか、映画とか、漫画とか…
自分の内に湧き上がってくる
'今生きてる世界'にはないものを
型にすることでした。


でも、辞めちゃったから。
戻ったら楽しいこと分かってるけど、
また同じ絶望を味わうだろうし。
あの沼には耐えられない…

夢追い人に戻ろうという気概は
微塵も沸きませんでした。
年齢も気になりましたし。
いい加減しっかりと生きたかった(笑)
だから、'真っ当な社会人'と'やりたいこと'を
両立できる仕事をしたいと思ったんです。


で、ライター。
ものづくりが出来る堅実な仕事…と考えた時に
真っ先に出てきて、
脚本製作を学んだ(大学で専攻していました)経験を活かせると思ったから。

小説どころか雑誌も読めないほど
活字に興味がないのに…
唯一できる仕事だろう、と思って
ライター目指しました。


その頃から3年くらい経ちました。
去年からフリーになるって言って…
お仕事頂いたり、なくなったり、
不安定なライターやってました(笑)

ライターやってました、とか、
冒頭では「ライター名乗ってましたが」とか…
過去形で綴ってしまってますね。
もちろん、ぶつっ!!!!と辞める、という気持ちではないのですが…
なんかもう、許そうかな、自分を、という気分です。


真っ当な仕事じゃなくてもいい。
その日その時にやりたいことを仕事にしよう、やってみよう。
と、思えるようになりました。
夢追い人に戻るのかも。ちょっと違うけど。

不安定な生活かもしれないけど、
お金が全くなくなるってことはないし、
他で補填すれば貯金だってできるし、
財政計画を立てればしっかりできる。
なら、好きなことでお金を頂ける方法を考えて、生きていこう!

みたいなね。
だから、ちょっと、ライター、は、過去形かもしれないです。


いえ、書くことは表現の一つとして続けますよ。
でも、あくまでもツールの一つ。
「書く」ことを突き詰めるライター、とは違う人間になろうと思います。


書くこと、好きじゃありません。
でもそれは、ストイックに正確に依頼主の意向を完璧に文字にしなければいけない「書く」という作業のこと。
「綴る」ことは好きになりました。
自分の想いとか、今日見た風景とか、美しいものを文字に落とし込むこと。

美容院で雑誌を拒否するほど
活字嫌いだったのに(笑)
今では、文字を目にしたときに、敬意を払う自分がいます。
格調高い百合のような女というか…他人に適当に扱われることを許してはいけない存在って感じ。ほんとに。
この敬意を忘れずにいれば、素敵なものを綴っていけるかも。


胸のなかにある美しいものを、
己の手で世界に届けたいのです。
そのために、色んな手法を使いたい。
これからは頑張って腕を磨いて、
自由に表現出来るように生きたいと思います。


そういう未来に、文字は絶対必要です。
文字の綴り方に芯が通っていれば、
曖昧な世界のことも伝えられるはず。


ライターをやらせて頂けて、本当に良かった…
お世話になった皆様、
ありがとうございました。

「書く」ことの大変さを教わったから、「綴る」ことに自分なりの哲学を見出だせました。
大切にしよう。
この感覚を、大切にしよう。

綴ること、が、好きです。
これからは。