改正臓器移植法の7月17日施行を控え、厚生労働省はこのほど、法律の運用に関する指針(ガイドライン)と関係省令の改正案をホームページ上で公表し、パブリックコメントの募集を始めた。改正法では、15歳未満の小児からの臓器提供を新たに認めているが、ガイドラインの見直し案では、虐待の疑いがある小児が死亡した場合には「臓器の摘出は行わない」と規定している。

 現行法では、▽生後6歳未満▽直腸温が32度以下―などの患者は脳死判定の対象外になっているが、改正法の施行後は対象外の年齢を「生後12週未満」にまで引き下げる。また、臓器提供に対する本人の意思が不明でも、家族が書面で承諾すれば脳死判定や臓器摘出を可能にし、小児による臓器提供を実現しやすくする。これに伴い、脳死判定を行う医師に小児科医を加えるなどの見直しも行う。
 さらに、臓器を提供したくないという意思や、脳死判定を受ける意思がないことをあらかじめ示していた場合は、年齢にかかわらず本人の意思が尊重される。
 一方で、知的障害などによって臓器提供に対する有効な意思表示が難しい場合には、年齢にかかわらず当面、臓器摘出を見合わせる。

 また、脳死判定について現行法では、1回目の判定が終了してから2回目を行うまでの観察時間を「6時間以上」としているが、新たに脳死判定の対象となる6歳未満の小児については、長期脳死になる頻度が高いため、改正法では「24時間以上」に延ばす。

 改正案についてのパブリックコメントの募集期間は、ガイドライン、関係省令共に6月5日まで。


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