平成27年度のデータによると、税理士の平均年齢は全国平均で約65歳。
現在、全国で約70,000人ほどの税理士のうち、60%以上が60歳代以上という危機的な状況であることは、あまり知られていない。
ちなみに、弁護士や医師の場合、50歳代までの構成比率が75%以上を占める。比較でみると、その異常な年齢構成が明らかだ。
税理士は、50歳代までの構成比率が40%以下で、5人に3人が60歳以上ということである。
この極めて異常な年齢構成の理由は、「税理士という資格の取得過程」にある。
税理士の国家資格を取得するには、大きく分けて4つの方法があります。
① 税理士試験(国家試験)に合格する方法
② 大学院で定められた過程を修了し、国家試験の一部を免除してもらって登録する方法
③ 弁護士や公認会計士の資格を有する人が、所定の手続きを経て登録する方法
④ 税務署などの官公署を一定期間勤務したのち、国家試験を免除してもらって登録する方法
全ての税理士が①国家試験を合格して税理士になっているわけではない。税理士の平均年齢を引き上げている大きな原因の一つが「税務署OB」の税理士の存在 なのである。税務署などに一定期間以上勤務すると、要は国家試験を全く受けないで税理士になることが出来きる。この制度を利用して税理士登録するには、早くても40歳代半ばであり、現実的には税務署などで定年近くまで働いていて、そのあとに税理士登録する人が多い。天下り先として、税理士業務を行うというような扱いと考えられる。つまり、税務署OBの既得権益を守るための制度という見方もできる。そのため、税理士登録するのは60歳以降で、そのような状況を生み出している。
そして、「税理士には定年が無い」ということもその背景の一つと言える。税理士資格のみ持って、実務は資格を持たない事務員に対応させ、法人顧問などの業務を継続しているパターンも多くみられる。
ただ、このような状況は、今後長く継続するとは考えにくい。AI導入など大きく経済環境が変化するなかで、実務に対応できない税理士は淘汰されざるを得ない状況になるだろう。
- 前ページ
- 次ページ