右腕が使えなくなる世界へ
皆さん、こんにちは私は右腕が使えないいわゆる障害者になってしまった20代男性です
今日から右腕が使えなくなった数年間で起きたストーリーを少しずつ掲載しようとおもいます。
なかなか一般の方達には体験できない苦難や葛藤、喜びがたくさんなので暇があればご覧ください
なぜ動かなくなったか?
私がなぜ右腕が使えなくなったかを簡潔にいいますと仕事中の事故が原因です
私は18歳から今まで採石所で機械の整備をする仕事をしていました。仕事内容もやりがいを感じ23歳で主任を任せられて順調なキャリアを積んでいました
しかし、24歳の冬頃に事故が起こりました。
#私は事故のショックで事故以前1ヶ月から事故当時の記憶が消えてしまったためこれより先は母や周りの同僚が教えてくれた内容になります#
事故当時、私はベルトコンベアに挟まった石などを除去する仕事を4人グループでやっていました
私がコンベアやローラーの様子を見て指示を出す
もう1人がコンベアの操作をする、残り2人が道具の準備の万端でした。
いつもならコンベアが誤って作動しないように電源を落とすのですがこの時は違いました…
私はベルトとローラーの間を覗き込みながらコンベア操作する人にいつも通り電源を落とすように指示をしました。
ですが操作をする人が指示を聞き間違えてコンベアを稼働させてしまったんです。
コンベアというのがこの画像のように横幅が大人の上半身と同じくらいの幅で、そこを覗き込んでた私は急に動き出したコンベアに反応できず頭から上半身丸ごと巻き込まれたようです
人命救助
巻き込まれた瞬間周りの人は反応したみたいですが急に目の前で信じられない状況が起きたため判断ができなかったみたいです。すぐに機械を停止させ
救急車などを呼ばれました。
私はコンベアに挟まれているというか巻きついているみたいな状況みたいでした。
レスキューの方々が来てくださりベルトを切断、ジャッキで広げるなどをしてどうにか出していただきました。
その頃の私は意識がなく身体中血だらけだったようです。
一刻もあらそう事態なため救急車ではなくドクターヘリで搬送されました。
助かる可能性
まずは近くの総合病院に運ばれました。ですが私の住んでいる地域は田舎でいくら総合病院でも設備が整っていないらしく応急処置もできそうにないと判断され、70kmほど離れてる県立病院に搬送されました。
緊急手術が始まり、その間に両親に説明された内容が
"顔面の損傷が激しく鼻、口が潰れており肺も肋骨がささっているため、脳に酸素がいかない。残念ながら助かる確率は少ないです、助かったとしても植物状態になる可能性がたかいです"
と説明されました。
手術は終わったものの一向に意識が戻る事ない状態が10日ほど続きました。
手術の末
意識不明状態が長かったため両親もメンタル的に参ってしまって外に出る事も人と会う事もできない状態だったそうです。なにもする気も起きずただ泣き崩れるだけの生活だったらしいです。その事を私自身に説明する時もやっぱり泣いてました、私もそれを想像するとすごく迷惑をかけたなって思い泣いてしまいます。
ですが、先生や看護師の方々の適切な処置のおかげで意識を取り戻すことがようやくできました。
意識のない間の世界
ここからは私が体験した事実をお話しますね。
皆さんは三途の川って信じていますか?
私は今まで空想の世界だろ?って信じていなかったのですが今回の体験で実際見たので信じるようになりました。
私の見た三途の川はよく皆様がいうような綺麗な川ではありませんでした。
川は赤く、周りの風景も真っ赤
川の先には小さな神社みたいなのが建っていました
いかにも不気味だったので私はどうしたらいいか立ち尽くしていると後ろの方から物凄い大勢の走る足音が聞こえてきたんです。
振り返るとそこには顔がやけに大きく目と口の位置に黒い大きな穴が空いた人間のような体をしたなにかが数百、数千ものすごい数で押し寄せてきて私を神社のほうへ押しやって行こうとするんです。
こんな異様な奴らのいう通りに神社へ行ったらやばいと思って必死に抵抗しました。
そしたら急に辺りが真っ暗になりその中でよくはっきり聞こえた声がしました
"次は四肢をいただく"
その声はノイズのかかったような低くざらついた声でした
その声が聞こえた直後私は目を覚ましました。
目覚めてからの現実
冒頭で言いました通り私は事故前と事故当時の記憶がありません。
なので目を覚ました時は混乱しました。
凄く嫌な夢を見たなって思い目を開けたら知らない天井、たくさんの配線、機械…。明らかにいつも寝て起きた時に見る部屋の風景とは違うんです。
なにより混乱したのが、体が動かない。力を入れてもピクリとも動かないんです。声を出そうとしても声が出ない、首を動かして周りを見渡そうとも首も動かない。
訳がわからないままいると看護師の方が驚いた形相でこちらにきてようやく目を覚ましてくれたと
事の経緯を一から説明しました。
まったく理解できませんでした
は?事故?そんな痛い思いした覚えがないし俺はいつも通り寝て起きただけだよ?
って必死に訴えかけようとしても口も動かない声も出せないのでどうする事もできません
しばらく看護師さんは私が目覚めた事によって慌ただしく動いていました。
時間がたってから主治医の先生がきて
ショックを受けるかもしれないけどと私に鏡を見せてくれました
すごくショックをうけました
顔はパンパンに腫れ上がって瞼も少ししか開いてないくらい膨らみ顔周りは包帯でぐるぐる歯は剥き出しになってゴムとかワイヤーで口が開かないように閉じられている
見るからに人間の顔ではないんです。今まで見ていたブサイクでも人間の顔をしていた見覚えのある顔ではなく目の前に写ってるのは化け物その化け物は私がショックで涙を流すと鏡の中で同じく涙を流してる。当たり前ですよね自分本人の顔なんですから
顔の現実はもう突きつけられました、もうたくさんです。
さてお次は体です
主治医の先生からすると
顔面粉砕骨折、肋骨解放骨折、右上腕解放骨折、右腕神経断裂麻痺
とのことです。骨折は時間がかかるけどなんとか治る
しかし神経断裂麻痺、要は神経全て無くしてしまったんです。これは長い年数をかければある程度は回復するしかし元通りの右腕になることはないだろうとの事でした。
信じられませんでした。今まで普通に動かしていた右腕が動かない、この先も動く事がない
私には大好きな趣味があります。釣り、バイク、キャンプ…それが全てできなくなりました
そこが一番ショックで辛くて受け入れる事ができませんでした。
まとめ
ここでは事故を起こしてから目を覚ますまでの事実をお話しました。
普段皆さんは四肢を自由に動かしていますよね?私はそれができません、今思えば何気なく四肢を使って遊んだり、仕事をしたり、生活することがどれほど幸せな事か
私は戻りたくてももう戻れません。
そんな事に気付かされる引き金となった出来事でした
この先も入院、手術を繰り返して何度も絶望、現実をつけつけられたり、たまには人の温かい言葉で励まされたりがありました。
それも段階に区切って少しずつ掲載していこうと思うので興味ありましたらまたお付き合いください