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中国浙江省温州市で23日に発生した高速鉄道追突・脱線事故は、「世界最高」を売りにした華々しい国威発揚プロジェクトの遂行にあたって、果たして中国政府は基本的安全基準を確保できるのか、といった重要な問題に疑問を投げかけるものだ。確かに、最近開通した北京・上海高速鉄道では車両故障が頻発している。だが、少なくとも死者38人、負傷者192人以上を出した23日の追突事故は、車両故障が原因によるものではない。また、鉄道エンジニアが高速線を支えるコンクリートの敷設にあたって角を削ったと警告していたのは確かだが、粗悪な高架線が原因なわけでもない。

原因は、警告システムの機能不全にある。この技術が初めて習得されたのは1世紀以上前だ。

中国はトップダウン型組織偏重の国であり、それが情報の水平方向の流れや、部下による率先した改善への取り組みを阻んでいる。中国政府のこれまでの対応は、こうした欠点をむしろ露呈している。事故翌日、中国政府は鉄道局幹部3人を解任した。これは典型的なトップダウン的問題解決手法だ。だが、今回の問題の原因はほぼ間違いなく、組織の下層レベルに端を発しており、原因はもっと広範囲にわたるはずだ。

中国政府は、鉄道網拡大計画を中国の優れた技術力を実証するプロジェクトだとうたっている。その計画にとって最初のこの大きな痛手を、中国政府は今後どう評価していくのか、実に興味深い。
安全面への懸念以外にも、予算超過や多額の負債に対する批判も指摘されている。だが、今回の事故によって、むしろ予算を削り過ぎた可能性がうかがえる。

巨額の経済投資に基づく成長と生産性の向上に基づく成長との間や、中国共産党が考える「社会的発展」と安全かつ効果的な自主運営が可能な社会の育成との間には明らかな違いがある。これらの違いも、やはり中国政府が見落としている点だ。

http://jp.wsj.com/World/China/node_279606