バックパックとテクテク。 -2ページ目

バックパックとテクテク。

ずっと憧れていたバックパッカー。2014年3月からマレーシア・クアラルンプールからスタートして、トルコはイスタンブールを目指します。旅のワクワクを届けられますように。バックパックと一緒に、テクテクいろいろ見てきます。

[オーストラリア国内からインドビザを郵送で申請する方法]

変わらない毎日に刺激を!ということでクアラルンプール発、コルカタ行きのチケットを購入したのは良かったけれど、その後僕には大きな壁が待ち受けていました。ずばり、「インドビザの取得」です。ネットで調べてもそこには「難しい」「手間が掛かる」「手続きが面倒」の文字ばかり。嫌だなー、面倒くさいなーと思いつつも、なんとか取り組んでみたら実はあっさりビザは取れてしまいました。

今回の投稿は滅多に無いケースかもしれませんが、オーストラリア国内で、ビザセンターに赴かず、郵送にてインドビザを申請する方法を記載します。誰か一人でも参考になればとの願いを込めて。意外とオーストラリアでワーホリして、そのお金で旅行に…と言う人に出会う機会が多かったので。ただ、これはあくまでも僕の事例になりますので、僕の申請内容と自身の申請内容に相違が無いか参考にする際は気をつけて下さい。2014年8月時点の情報です。

今回のケースは、申請者は「オーストラリア国内の郵便物が受取可能な場所に滞在中で、連絡可能な電話番号と、クレジットカード番号を持つ日本国籍保有者」という状況にあるものとします。ビザの申請内容は「ツーリストビザ6ヶ月、マルチプル」です。

今回取り上げる郵送申請のメリットとしては、オーストラリア国内各州都に置かれたビザセンターに行かずに申請/受取が可能なので、移動費と時間が節約できるということ。デメリットとしては、書類に不備があった場合には返送され、再度送ることになるので時間が逆にかかってしまう可能性があることと、パスポートも申請用紙と一緒に郵送で送るので、紛失のリスクが伴うということです。

それでは、オーストラリアで郵送によるインドビザ申請手続き。苦労するであろう点は3つ。書類作成のページに行くこと、オンラインでの書類作成、チェックリストへの回答。長くなりますので、順を追って読みながら、同時進行でゆっくり行きましょう。では、以下の通り。

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<インドビザ郵送申請の流れ>

先ず、今回の一連の流れの中で用意していくものとしては、
・Visa application form
・Form D (additional form)
・Tourist Visa Checklist
・5×5cmの顔写真1枚
・現在オーストラリアで使用しているビザを証明するもの
・パスポート(実物)
の以上6点です。

①書類作成のページへと移動する
 まずは書類を揃えていきます。今回の郵送物の中にある「Visa application form」と呼ばれる書類は、オンライン上で書類を作成して、それを印刷して完成となります。今回、その書類作成のためのページを訪れるために、まず2つのサイトを訪れることになります。
1つ目は、VFS.GLOBALというサイト。2つ目は、インド政府のオンラインビザの説明サイト。そこから書類を作成するページに飛びます。

 それでは、下記のVFS.GLOBALというサイトから作業を進めていきましょう。下のリンクをクリックしてください。
http://www.vfsglobal.com/india/australia/tourist.html
リンク先のこのページから、書類作成ページへたどり着くのが目標です。

クリックすると、表示されたページの中に[Overview][Fees & Charges][Photo Specifications]などといった項目があると思います。その中から[Checklist & Application Forms]という項目をクリックすると、いくつかの項目の後に[APPLY NOW]というアイコンが表示されていると思います。この[APPLY NOW]をクリックすると、別画面でApply for India Visaというページが開いて、その中にAPPLICATION DECLARATIONという注意書きがあり、その下に同意する/同意しないの選択肢がありますので、同意を選択してStart Online VISA Applicationの文字をクリックします。これで、インド政府のオンラインビザのサイトに飛びます。

 2つ目のサイトになります。「GOVERNMENT of INDIA INDIAN VISA ONLINE」とトップに表示されているページの左側の選択肢の中から、[online visa application]という項目を選んで、そこで表示された画面内の[online application link]というハイパーリンクをクリックしてください。これをクリックすると、「Online India Visa Form」というページに辿り着きます。ご苦労様でした。ここが目的地です。ここから書類を作成していきます。

②「Online India Visa Form」ページで、必要事項を入力し、Visa application formを完成させる。
 画面の表示に従って、質問に答えていって下さい。質問は全て英語なので分からない部分もあると思います。ネット上に日本語のサンプルがいくつか出ていますので、Googleで「インドビザ オンライン サンプル」などと検索すると出てくると思います。これを参考にしてもいいでしょう。
 質問に答え終わって、書類を作成し終わると印刷するかしないか聞かれます。印刷できない場合はpdfファイルとして保存ができるので、ディスクに保存して、後で印刷しても構いません。
 印刷もしくは保存作業が終わると、ビザ申請代の支払い方法のページに飛びます。クレジットカードでの支払いを選択して、画面に従って支払い手続きを完了します。この支払記録はVisa application formを作成した時に割り当てられた書類番号と連動しているので、必ず書類作成をした後にそのまま支払い手続きを済ませて下さい。この作業の後にもう一度書類を新しく作成して、そちらを出してしまうと支払記録が無い状態になってしまう可能性があると思います。
 印刷もしくは保存と、支払い手続きが済めば、このステップは完了です。

③他の必要書類をダウンロードする。
 ここでは「Form D」と「Tourist Visa Checklist」をダウンロードします。必要書類はhttp://www.vfsglobal.com/india/australia/tourist.htmlの[Checklist & Application Forms]からダウンロードできます。この中からそれぞれ、「Form D」と「Tourist Visa Checklist」をクリックするとpdfで表示されるので、ディスクに保存してください。

④必要書類を印刷する。
 ここで印刷する書類は全部で4種類になります。②と③で用意した、「Visa application form」「Form D(additional form)」「Tourist Visa Checklist」そして、「現在オーストラリアで使用しているビザを証明するもの」の4つです。
 ビザを証明するものと言っても、オーストラリアのビザは現在全てeVisa(オンライン上でのビザ)となっているので特に書類と言えるものが手元にありません。なので、「オーストラリアのビザをオンラインで申請して発行された時に来たメール」を印刷して、書類とします。通常であれば
eVisa.WHM@immi.gov.auというアドレスから返信されてきているはずですので、メーラーの検索機能などで「eVisa」などと検索すると出てくると思います。メールの件名は「Visa Grant Notification Application for......」といったものでした。これを印刷してください。

⑤必要事項を書き込む。
 Visa application formには1枚目の写真の下と、2枚目のApplicant's signature(as in Passport) の部分にサインをします。パスポートと同じものにしてください。
 Form D(additional form)には全ての欄にアルファベットの大文字で回答して、最後下の欄に書いた日付、場所、自分のサインを書き込んでください。
 Tourist Visa Checklistは質問内容に自分が該当する場合は右の「You」のチェック欄の方にチェックを入れて下さい。質問内容を理解するためにはある程度英語力が必要かもしれません。頑張りどころです。通常であれば「Section A」と「Section B」に回答することになるかと思います。

⑥顔写真を用意する。
 インドビザの申請の時に必要な顔写真はカラーの5×5センチの写真です。普段なかなか馴染みの無いサイズなので、新しく撮ることになるかと思います。街の写真屋さん、カメラ屋さんで撮影してもらえます。僕の場合、5×5のカラー写真2枚で$20でした。多分普通ならもっと安いと思います。用意した顔写真をVisa application formの1枚目の右上の貼り付け部分にノリなどで貼り付けてください。

これで書類が揃いました。必要書類4種類と、パスポート現物をいよいよ送ります。

⑦郵便局で書類を送る。
 オーストラリアの郵便局「POST」では、日本のレターパック(旧エクスパック)のようなものと同じものが売られています。まずはそれをカウンターで購入して、A4の書類が入るレターパック、もしくは半分に書類を折ってA5の書類が入るレターパックに入れて、宛先を書き込みます。
オーストラリア各州、各エリアによって申請先が異なります。例えば、Queensland州ではブリスベンにあるビザセンターに送ります。自分の該当する場所のビザセンターについては、VFS.GLOBALサイト内の「HOW TO APPLY」という項目の中から調べることができます。ここから、自分の該当する州のところに書き込まれている住所を選択してください。調べてみると、[一つ目の住所] OR [二つ目の住所]と書かれていると思います。ビザの申請書類は私書箱に送付してほしいそうなので、「PO Box...」などというワードが含まれる方の住所を選択して、レターパックに書き込んでください。宛名に関しては、僕は分からなかったので書きませんでしたが、「Visa Center」などと書いておくと確実かもしれません。
差出人の部分には忘れず、自分の名前と、自分が荷物を受け取る場所の住所を確実に書き込んでください。バッパーに滞在している場合はそこの住所を、シェアハウスに滞在しているならばそこの住所を。これを間違えると、自分のパスポートが行方不明になるという恐ろしい事態になります。(笑)
 書き終えたら、中身をもう一度最終確認してください。必要書類4種類が不備なくあるか、Visa application formには自分の顔写真が貼られ、全ての書類に一切間違いなく回答し、サインがしてあるか。各書類全てのページが揃っているか。ここで不備があると送り返されるので、一日くらい余裕をもってゆっくりと何度も書類確認をした方が良さそうです。
 書類に問題が無ければ、4種類の書類とパスポート現物を入れて封を閉じて、カウンターの人に渡してください。これで郵送でのインドビザ申請、完了になります。
 自分の住んでいる街の郵便局からビザセンターに届くまでおそらく3日。到着して、チェックされて、発行されるまでで1~2週間、ビザセンターからインドビザのシールが貼られて返ってくるまでで3日。ということで、早ければ2週間以内にビザは発行されます。僕の場合、郵便局で送ってから手元にパスポートが届くまで10日ほどだった気がします。
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 いかがでしたでしょうか。冒頭に「実はあっさり」と書きましたが、実はあくまで振り返ってみるとあっさりだったな、といった印象で。思い出して書いてみるとやっぱりキツかったなぁと今思っています(笑)どこのサイトに飛べばいいのか分からないし、今何をしているのかすら分からないままなんとか書類を完成させて、足りてるのか足りていないのか分からないまま「えぃ!」と送ってしまったのが僕だったので。同じような事を考えていて、次にネットで検索した人の為に少しでもなればなと思い書かせてもらいました。作業全体の流れと必要な物を最初に把握した上で、書類作成を進めていくだけで大分ストレスが減るのではないかなと思います。なので、ここのページへのリンクをご自身のブログに貼って頂いても結構ですし、コピペして貼ってもらっても構いません。TwitterやFacebookでシェアして頂いても結構です。ひとまず、2014年8月時点での最新の情報です。代行会社に頼めば手間は掛かりませんがお金はかかります。一円でも節約したいバックパッカーのために。そして達成した時には浮いたお金でオージービールでも飲んじゃってください。(笑)

 インドビザ申請に関して質問などがありましたらコメント欄からお気軽にどうぞ。分かる範囲内で、協力させていだだきます。ページのリンク先、内容については2014年10月19日現在のものですので、リンク切れ、内容の相違など気付かれた方いらっしゃいましたらご指摘していただけると幸いです。なるべく最新の情報にしておきたいと思います。

と、いうことで。次回の記事はまたいつも通りいきます。これからも宜しく!

旅の中で感じたことのTwitterつぶやきbot「バックパックとぶつぶつ」も宜しくお願いしまーす。



140727

平和だけれど、変化の無い日々に僕は少し疲れ始めてもいた。勢い良く次から次へと移動していた東南アジアの旅が懐かしく思えた。オーストラリアのエアーという街に滞在して、もう2ヶ月になろうとしていた。もちろんワーキングホリデーとして来ているのだから移動し続けることなんて出来ない。それがワーホリなのだ。

オーストラリアに来た時は全く東南アジアの国々を周るのと同じ感覚だった。けれど全く移動していないことに気付いて、これはもはや「旅」とは呼べないように思えてきた。3月から続けた旅は今、止まっているんじゃないか。けれどそれを認めたくない自分もいた。日本を出てからは、旅を継続し続けるものだと思っていたし、継続していて欲しいとも思っていた。僕は一体ズッキーニを摘んで何をしているのだろう。いやお金を稼いでいるのは分かっているんだけれど。

そんなある日、地元の友人と電話する機会があって、なんとなく聞いてみた。
「オーストラリアにいるけど、これは旅の途中なのかな、それとも違うのかな」
友達は答えてくれた。
「今は旅は休んでるんじゃない?」

この言葉に随分と救われたような気がする。やはりそうか、と思えた。旅を休んでいるならまぁそれも良しか、誰かに旅を毎日続けなさいと言われたわけでもないし。毎日のんびり友達と笑いながら過ごしつつも、次のことぼんやりと考えてワクワクしてたらいいかと。

変わらない毎日に飽きていて、次へのステップを待ちきれずに日本でしたこと。それはチケットを買うことだった。一枚のチケットを買うだけで、それからの世界の見え方がすっかり変わってしまった。というわけで、僕は決めた。そうだ、インド行きのチケットを買ってしまおう。それから全て考えよう。お金のことも、インドビザのことも、インド国内の移動のことも。

というわけで、僕はその電話の数日後にインドのチケットをネットで購入した。今滞在中のエアーからインドのコルカタまでは、

エアー→バスでタウンズビル→飛行機でシドニー→飛行機でクアラルンプール→目的地コルカタ

という流れになりそうだった。airasiaでまたチケットを買おうと思っていて、airasiaの路線はクアラルンプールを拠点に飛んでいるので、乗り継ぐことになる。僕はひとまずクアラルンプールからコルカタ行きの飛行機を予約した。荷物代、サーチャージ、空港使用料など含めてトータルで$148。この金額は、ズッキーニの仕事一日分で稼げる金額。仕事もやる気が出る。

他のチケットを買うのはとりあえず後回しにした。とにかく、出発日前日にクアラルンプールに着いていれば良かったので、その後の予定は少し開けたままにして、ゆっくりまた検討することにした。いずれにせよ、チケットを買って今回も随分と気が楽になった。旅に出る前に読んでいた『旅に出ろ!』(ロルフ・ポッツ著)という本にこんな言葉があった。

「仕事はたんに資金を稼いで欲望を生み出すためだけの行為ではない。それは放浪の旅という実がなるのをじっくりと温める期間であり、その間に自分という人間のさらなる成長を図り、計画を練り始める大切な準備期間である。」

まさにその通り。僕が摘む一本一本のズッキーニが、 後の僕の何処かの国での食費となり、移動費となり、生活費となるのだ。そう考えたらこれ以上ズッキーニの仕事にも苦痛を感じなくなった。オーストラリアの時間にチケットを買うことでリミットが出来て、残りの時間が発生し始める。この時間の中で、この滞在を楽しみつつ、これからの旅の構想をじっくりと何度も吟味して、決めていかなければならない。そして自分のことも見つめなければ。随分と毎日が忙しくなったように思えた。

チケットを買うこと。単純だけれど、その行為だけで目の前に知らない世界が広がる。まるで幼少期に始めて見た外国の硬貨を手にして、その国を知らないなりに思い描いた時のように。困ったり行き詰まった時、僕は何らかの「チケット」を買ってこれからも生きていくのだろうなと思う。それは、外国行きのチケットかもしれないし、隣の県に行くチケットかもしれないし、隣の駅に行くチケットかもしれない。

いずれにせよ、日々の日常の中で、時にチケットを買う行為というのが少なくとも僕には必要なのだろう。そんなことを思った。






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収入も週$750~800ほどと安定してきて、調子に乗ってビール36缶入りを$30で買ってみたり、ずっと欲しかった冷凍食品のミートパイを$4で買ってみたり、いつもは$1の一斤の食パンを、$1.8のライ麦が入ったパンにしてみたり。どケチな極貧生活から少し発展して、時々贅沢をするようになりつつ、平和なオーストラリアの日々は続く。食費に関しては、相変わらずどケチであることに変わらないのだけれど。

そうなると、日々の生活にもある一定のリズムが生まれてくる。天候によって仕事の開始時間は多少左右されるけれど、基本的に朝6時半から仕事が始まる。なので朝4時40分に起きて、キッチンへ向かって、インスタントコーヒーを飲みながらサンドイッチを仕込み、疲れた時の為にと買ったチョコレートと、1.5リットルの凍らせた水の入ったペットボトル2本、それから虫除けスプレーをスーパーのショッピングバッグに入れて、5時45分に宿を出発する。

真っ暗な道の中をひた走るバスの中で、時に二度寝して、時に音楽を聴いてファームへと向かっていく。ファームに到着して、蚊が多いので虫除けスプレーを全身にして、軍手をはめて帽子をかぶり、仕事を始める。

天候がいいと8時間ほど働くことになるので、昼の3時頃に宿に帰って来る。仕事が既に終わった人や、仕事待ちをしている人が芝生の上でギターを弾いたり、煙草を吸ったり、音楽を聴いたりして宿で待っている。汗と泥にまみれた身体を時に温かい、時に冷たいシャワーで流す。シャワーはボイラーで加熱した水をお湯の状態でタンクに保存しておく仕組みなので、お湯の量には限りがあるのだ。

シャワーを浴びて着替えて、芝生へと向かう。「今日何時間?」「キツかった?」というのが挨拶代わりで、そこから芝生に寝転んでギターを弾いたりウクレレを弾いたり、時には一人で本を読んだりしながら日が暮れるまで過ごす。もちろんビールを飲みながら。僕が一番好きな時間。この時間が、一日のメインと言っても過言ではなかった。

ウクレレは本当に活躍した。僕のウクレレに影響されて、自分も欲しい!とネットのeBayでウクレレをそれぞれ一本ずつ買っちゃったカナダ人のアマンダとイングランド人のサラという女の子がいて、彼女らのウクレレが届いてからは良く曲を一緒に練習したものだった。一緒に練習した「I'll see you in my dreams」という曲は、あの平和を象徴するような僕のテーマソングになった。聞くだけで、僕らの笑顔に満ち溢れた風景が思い浮かんでくる。

ピーク時で、宿にある楽器の数は、ギター3本、ウクレレ3本、コンガ1個だった。これだけあれば一日十分に音楽をやり続けることができる。ルームメイトだったイングランド人のジャックもシドニーで$20で手に入れたというクラシック・ギターを持っていて本当に仲良かった。最初は訛りが酷くて彼との会話の理解度は20%くらいだったけれど。(笑)

最初友達がいない状態で部屋にいる時に、外からウクレレの音が聞こえてきて、「ちょい、俺もウクレレ持ってんだよ!」と言って友人になったベルギー人のアレックス。ウクレレを始めて6ヶ月で、僕よりもウクレレのキャリアは上だけれど楽器が初体験なので、ストロークとかコードの押さえ方を必死で勉強してた。普段は笑顔に満ちている彼が、ウクレレを弾き始めると真剣になってしまって、まるで軍隊の兵士のように真面目な顔でウクレレを弾く姿が可笑しかった。表情と音の柔らかさが全然マッチしないのだ。もっと肩の力を抜きなさい!そんなことを心の中で思っていた。彼の得意とする曲はVance JoyというアーティストのRiptideという曲だった。この曲を聞くたびに、ウクレレで伴奏するアレックスと、それに合わせて綺麗に歌い上げるジャックの姿が目に浮かぶ。

タカミネのエレアコを持っていたマウロというイタリア人は才能に満ちあふれていた。まだギターを始めて確か3年くらいだったと思うけれど、僕がギターで弾くフレーズを直ぐに耳コピしてしまう素晴らしい音感の持ち主だった。僕が覚えている数少ないリフを教えて弾けるようになると、また新しいの教えてくれ!と言ってくる。ハナレグミがカバーしてる「People get ready」のイントロを教えると2日くらいで弾けるようになってしまって、なんだかイタリア人がハナレグミを弾いてるというのは奇妙だなぁ、なんて不思議に思ってしまった。

そんなわけで、ウクレレの助けを借りて、僕のオーストラリアの日常は音楽に満ち溢れたものになってしまった。あの時、ウクレレを買っておいて良かった。また音楽に助けられたよ、ありがとう。そんなことを思いながら、毎日ビールを飲んでいた。

変わりなく過ぎていく美しい毎日を過ごしていて、最初はお金稼ぎの為だけに働いたつもりが、気付いたらお金なんて気に掛けていない僕がいることに、ある日気がついた。お金は少しずつながらも確実に貯まっているし、仕事も安定している。僕が気にしていたことは、銀行口座の残高なんかよりも、次何の曲を一緒に友人と弾くか、ということだった。

当たり前の平和な毎日で過ごす時間は、「旅」から「生活」に変質していた。そこで僕は悩み始めることになる。「これは旅の一部なのだろうか、それとも」3月11日から始めた旅が、明らかに止まっているような気がした。俺は今、一体何をしているのだろう。素晴らしい日々の中のこの時間は、一体何と呼べるのだろう。混乱の1週間が続いた。