就業規則は、会社が社員に対して、働き方のルールを定めたものですから、登場人物としては会社と社員の2者となります。

そこで、就業規則の中で、この両者をどのように呼ぶかということがあります。
例えばABC株式会社の就業規則の至る所で、毎回、「ABC株式会社は、~」と書いていたら煩雑ですし、読みにくいですね。そこで、ABC株式会社のことを指すものとして、就業規則の中では、「会社」として表示すると決めてしまえばよいわけです。
実際にこのようなことが就業規則では行われています。通常は就業規則の最初に、このことを決めています。例を挙げてみましょう。

第1条 
この規則は、ABC株式会社(以下、「会社」という)の社員の労働条件関する事項を定めたものである。

この(以下「会社」という)の部分があるので、それ以降は就業規則に会社と出てきたらABC株式会社のことであると決まります。

これを英語で表現するとどうなるでしょうか。上の日本語の文章を英訳してみます。

Article 1
These rules of employment stipulate the criteria for working conditions concerning the employment of those who are in the employ of ABC Corporation (hereinafter referred to as "the Company").

本文の英文はともかくとして、(hereinafter referred to as "the Company")の表現が、(以下「会社」という)に相当する部分です。

hereinafterは1語です。「ここから先は」という意味ですが、契約書や法律の文章によく出てきます。
Company とCを大文字にしたのは、就業規則の中でCompanyを目立たせる目的なので、このようにしなければいけないということではありません。但し、the は付けます。

もっとこなれた表現を使うこともあるようですが、私は、日本語と同レベルの厳格さを英語版にも保ちたいと考える方なので、このような表現となっています。

それではまた

In principle, Japanese labor laws and regulations shall be applied to all employees including overseas people working in Japan.

The typical laws are ,The Labor Standards Act, The Minimum Wages Law, The Industrial Safety and Health Law, The Workmen's Accident Compensation Insurance Law, The Employment Security Law.
These laws and regulations shall be equally applied to foreigners.

The Labor Standards Act stipulates that employer shall not engage in discriminatory treatment with respect to wages, working hours or other working conditions by reason of nationality or other status of any worker. (Article 3, Labor Standards Act)
Rules of Employmentの記念すべき1ページ目においで下さり、ありがとうございます。
ここでは就業規則という会社の規則について、知っていただくと共に、その英文の翻訳版を作る際のヒントなどもご紹介していきます。私はサラリーマン時代は、貿易業務に従事していて、米国に5年の駐在経験もあり、それを通じて米国人の権利に対する考え方には日本人以上に強いものがある事を学びました。今、外国人社員は普通の日本の会社で普通に働いています。問題が起きたときのためにも、就業規則の翻訳版を作っておきましょう。

日本では、労働基準法という法律があって、その法律の中に、10人以上の従業員がいる会社では、就業規則を作って、労働基準監督署に届け出る決まりがありますが、それと同時に、会社には従業員にその内容を周知する義務も定められています。

もし、外国人社員がいたら、日本語の就業規則だけでは足りませんね。
どうしても英語の就業規則が必要になります。特に契約意識の高い外国人を雇っていらっしゃる会社では、雇用契約書だけでは書き尽くせないような事項もあり、就業規則でそこを補うということが求められています。
日本語版でもそうですが、社員にとって不都合なことは,小さな事でも前もって知らせておかないと、後になって、「知らなかった」、「そのような決まりがあるならこの会社には来なかった」、「会社の決定は不当だ」等と反論されてしまいます。
これで労使トラブルになることは結構あるのです。

私は、特定社会保険労務士ですが、英語の就業規則を作っておかなかったことが、労働審判で、解雇が無効となる一つの要因となり、結果、負けた会社のことを知っています。このような事態はおそらく他の会社でも起きているのではないでしょうか?

そこで、これから、英文で就業規則を作る際のヒントなどを書いていきます。

就業規則の原文は普通は日本語ですから、これを英訳すれば良いだけのことですが、実際にやってみると結構大変です。労務管理のプロである社会保険労務士が翻訳すれば、安心ですね。

通常、就業規則は日本語版でも法律の文章のような書き方がしてあり、理解するのが大変な時があります。英訳したら,意味が違ってしまったなどということの無いように気をつけなければいけませんね。

では、まず、就業規則とは英語で何と表現すればよいでしょうか?

このブログのタイトルにもなっていますが、 Rules of Employment  が一般的なようです。
Rulesと複数形を取りますのでご注意下さい。

この他にも、Employee's regulation とか Office Management Rules などといった表現も使われるようです。

このような感じで少しずつ進めていきます。時々見に来ていただければ、新しいInfoがあるかも知れません。

それではまた