みなさん、こんにちは。

「ガイドブック2」を活用してくださって、どうもありがとうございます。「ガイドブック3」も、どうぞよろしくお願いいたします。


 

 日本語には、「神」と並んで「上」という言葉があります。語源が同じという説と、実は違うという説があるということを、大学時代、国語学の授業でレポートを書いた覚えがあります。語源が異なるにしても、お上=天上のお方、という意味で、神と上は、たぶんに同じ意味で使われてきました。

「お上のおっしゃることに間違いはありません」

 というように。

 そして、そう言われて、自分の気持ちは口にせず、顔にも出さないようにし、お上に従った挙げ句、1945年8月15日には、非常に無念かつショッキングなお上のお言葉をたまわることになった日本人のわたしたちは、「大事なのは、お上のいうことではない。自分の思いをこそ大事にし、その思いを自由に表現、実現できる社会を作らなければならない」と、立ち上がったはずでした。

 自分では納得いかないけれど、お上がそうお示しになるのならそうなのだろう、と思おうとするのは馬鹿げている、やめよう、と決意したのでした。

 けれども、そのことをいつのまにか忘れていたことに、最近、気づかされてもいるのです。「原発は平和利用である」「安全なので心配はいらない」と言われて、「そうなのか」と思ってしまった日本人が、今、その“自分の過ち”に愕然としています。

 『奇跡のコース』は、「あなたの考えは間違っているのだからそんなものは捨ててホーリースピリットに従いなさい」とも「納得いかなくても、ホーリースピリットだけが正しいことを覚えておきなさい」とも「全知全能はあなたではなく神なのだ」とも言っていません。

 コースが教えているのは、「ほんとうのあなたの思いを見つけ、それを表現していなさい」ということだけです。そのために、「あなたが今まで従ってきたさまざまな教えや思いは、ほんとうのあなたの思いではないので、それらを取り消しなさい」ということを言っています。

 レッスンのアイデアや言葉のひとつひとつを、「ほんとうの自分」に読み聞かせてあげるように、読みましょう。ゆっくり、何度も、繰り返しましょう。すると、ほんとうの自分が、それを確かに聞いて、喜んでいるのが、かすかにでも、わかってくるのではないでしょうか。エゴは当然、ぶつぶつ文句を言うでしょうけれど、そんなことより、”はじめて知る喜び”の感覚に、五感のありったけを集中しましょう。

 レッスンをしているその日々の最中にも、打ちのめされるような酷い出来事が起こるかもしれません。それでも、そんなときでも、レッスンの言葉に応えて喜ぶ場所が、自分の心のなかにあると気づけば、そこから救われるのではないでしょうか。


 今日、はじめての復習にさしかかりましたね。復習なんて、つまらないなと思いながら始めても、同じアイデアに対する新たな発見があって、微笑みながら1日を終えることになるかもしれません。

 まず、イントロダクションをよく読んでください。そして、そこに示されている復習の仕方に従ってください。復習の5つのアイデアを、ただ読み飛ばしてすませる、ということのないようにしてください。


1. 「目を閉じ、静かな場所で、ひとりになれるときにエクササイズを行ないなさい」というような具体的な指示に、できるだけ従ってください。

2. 1日を通して、具体的なやり方にはとらわれず、しかし各アイデアに「2分以上」心をとめる、という指示に従ってください。

3. どんな状況でも「静けさを自分に運びなさい」という指示を忘れずに。

4. そうして、その静けさこそ、自分が要求しているものだと気づきます。

5. すると「あなたの平和は、あなたのいるところ、どこにでも現れます」。


 イントロダクションでは、このように、奇跡の経験の仕方を、丁寧に解説してくれています。このとおりに行なえばよいのです。


 今日の最初の復習は、自分が見ているもの、自分の判断、自分の理解、自分の思い、自分の思考システム(どの自分もエゴ)の5つを、それぞれ、手放す練習になっています。


わたしは、ほんとうに手放したいだろうか。

わたしは、ほんとうの自分の喜びと穏やかさをこそ大事にしたいだろうか。


 この二つの問いかけを心に抱いて、臨まれるとよいと思います。そして、答えがはっきりしているのがわかったら、ひたすら、ほんとうの自分から発せられる喜びと平和の光を感じましょう。


 わたしたちは、すでに、何があっても支えてくれる言葉をたくさん、レッスンからいただいています。もう、大丈夫なんです。その日のアイデアを、お守りにして、「ああ、自分は大丈夫だ」と感じる時間を持てたらいいですね。

 それに、大丈夫と感じられない日があっても問題ありません。わたしたちは、もう、みんなで、安心の箱船に乗っていますから。ひとりだけ落ちて溺れたりなどしません。


 お気に入りのアイデアをよく覚えて、いつでもどこでも思い出せるようにしておいて、それを、奇跡のための「とっておき」として使うのもいいと思います。わたしも、たくさん、そんな“お宝”を持っています。レッスン50までのなかで、重宝しているのは、たとえば、これです。


わたしの聖性ができないことは何もありません。(レッスン38)


  香咲弥須子