僕は驚きを隠せなかった。
まさか本当にヤギの言った通りになるとは思ってもいなかったからだ。
いくらなんでもそこから出てくるのは、
早くても明け方だと思っていたからだ。
・・・彼の言うように、
1ナイトというのはやはり嘘だったのか。
それとも・・・?
僕達4人の意識はその扉に集中した。
中から人影が見えた。
その扉の先から出てきたのは・・・。
やはりジャアだった。
僕はもう一度時計の針を確認した。
長い針は12を。短い針は3を指していた。
あまりにも正確な時間に出てきたので少々面喰らい、
彼女の堂々とした態度と比べ僕達は慌てふためき、
笑顔で過ぎ去る彼女をコチラもまた作り笑いで見送った。
扉と去り行く彼女を交互に見た。
ジャアはすぐに見えなくなった。
対してチャネラーはまだ出てこない。
どうする?
ヤギの言った事が本当に起こりうる現実ならば、
チャネラーは何かを盗まれている可能性がある。
今ならまだ彼女を追いかけて、問い詰める事も可能だ。
だが―――。
彼女の先程の様子は、
およそ後ろめたい事をした後の人間の様子ではなかった。
それほどまでに彼女は凛としていた。
脳が結論を出す前に、僕はジャアを追いかけた。
僕の中の本能が告げたのだ。
それは盗みを働いたのかどうかを確認しろという命令ではなく。
“男か女か聞け”という命令だった。
とどのつまり、結局この時の僕の頭は、その事でいっぱいだった。
真実は自分の目で、口で、耳で確認したかった。
付け加えれば、チャネラーが何かを盗まれているかどうかなど、
一瞬にして忘却の彼方に追いやったのだ。
彼女はすぐに見つかった。
ゆっくりと宿の前の通りを、誰かと携帯電話で話しながら歩いていた。
もはやこの段階で、何か悪事を働いたという事は、僕の中ではゼロに等しかった。
彼女が本当に盗人ならば、今頃こんな所で悠長に歩いているわけがない。
ジャアに追いついた僕は、開口一番にこう言った。
『や・・・やったの?』←まじ空気読めねー!
『はいやりましたネー』←普通に答えるこの度胸!!
という事は、この子にはブツはついてなかったという事だ。
ゴクリと唾を飲み込んだ。
“黒か白か”
“男か女か”
“オカマかニューハーフか”
そしてついに、僕はあの禁断の言葉を口にし・・・
『亀!!』
自分を呼ぶ声のほうを向くと、ヤギがいた。
彼は僕を追いかけてきていた。
『何聞いてるん?』
『いや、あの、オカマかどうか聞こうと・・・』
『あかんってそれは聞いたら・・・。失礼やん』
た、確かに・・・。(てかお前も過去に聞いたんだろが)
『どしたネー?』
僕達のやりとりを不思議そうに見つめるジャア。
そんな彼女に僕は・・・
『うん。ありがとう。何もないネ。バイバイネー』
そう言った。いや、言うしかなかった。
・・・結局僕は真実を確かめずに、ジャアと別れた。
その後すぐにヤギと二人して宿へ引き返した。
慌てて飛び出したので、
リサとラクダさんもコチラに向かってきている所だった。
そして―――――。
その後ろでチャネラーが、メガネを怪しく光らせ、立っていた。
続く。
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