生活保護の現状
生活保護制度は、生活に困窮する者に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度である。生活保護受給者数は、平成24 年3月時点で210 万8,096 人であり、現行制度が制定された昭和25 年以来の過去最高を9か月連続で更新している。稼働世帯を多く含むと思われる「その他の世帯1」は、平成22 年度は約22.7 万世帯と10 年前の平成12 年度の約5.5 万世帯から4倍強の増加となっている。特に最近の伸び率は大きく、対前年度伸び率は、平成21 年度は41.5%、平成22 年度は32.2%となっている2。生活保護費負担金(事業費ベース)は年々伸び続け、平成24 年度当初予算ベースで約3兆7千億円となっている。一方で、明らかになった不正受給も近年増加傾向にあり、平成22 年度においては、約2.5万件、金額にして約128 億円となっている。上記の事態を受
け、近年、生活保護制度の見直しの機運が高まっており、政府、各政党、地方自治体等が活発に議論を行っている。新たな見直しの議論の前提として、生活保護制度の概要、今までの動向、現状等を俯瞰することは重要である。こういった現状を踏まえ、本稿では、生活保護について幅広く紹介することにより、今後の生活保護の議論に資するものとしたい。本稿の構成は、以下のとおりである。続く第2節においては、制度の現状を理解するため、生活保護制度の沿革、概要を説明する。第3節においては、被保護世帯数、被保護人員、給付額等の現状と課題を説明する。そして、第4節においては、生活保護制度が直面している課題及びその見直しの動向について説明し、第5節において論稿を締めくくることとする。
■引用元:
・生活保護の現状と課題(厚生労働委員会調査室 内藤俊介)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2012pdf/20120801078.pdf