前回の続きです。


社長さんとコミュニケーションが取れるようになり、これで
ご自身の目標に向かって、一直線!のKさん。


と、思いきや、今度は新たな問題が現れます。


それは、お店のスタッフさんとの協力体制。


それまでは、特に問題なくコミュニケーションを取れていた
ようなのですが、売上が下がり気味になり、
スタッフの方々のモチベーションが下がってしまった、とのこと。


僕も、売上が下がった時期の部署を経験していますが、
売上が上がっているときとは打って変わって、コスト削減
に注力していきます。


例えば、人件費

お店であれば、仕入れや消耗品を抑えることなど


Kさんのお店も例外ではなく、コスト削減を迫られます。


しかしながら、スタッフの方の反応は冷ややかなもの。


「こんな安いものばかり扱って、売れるわけがない」

「改装しないと売上は上がらない」

「その前に給料を上げて」


など、まるで現実を無視した声ばかりを挙げてくる、というのです。


前回のセッションでやっているように「相手の立場に立つ」
ということをやってみたものの、今度はあまり
「ピン」という答えが返ってきませんでした。


それでも、Kさんの姿勢は終始一貫していました。


それを支えていたのは、

どんなにスタッフに悪く思われようとも、絶対にスタッフと一緒に目標を達成したい!

という強い想いです。



以前のアナウンサーのNさんの回でも紹介していますが、

「絶対に成し遂げたい理由」が明確であればあるほど
それは強烈な力になります。



その力を発揮できるポイントを見つけてあげること
こそが、コーチの仕事でもあるのです。
(レバレッジ=テコの原理、と言います)


Kさんが持っていたゴールは、

みんなで「売上を二倍にする」という目標を達成して、
「志摩スペイン村行く!」というご褒美を成し遂げること。


そんな強い想いが、スタッフの方々との関わりをよりよいものにしよう、
という行動につながっていったのです。


そして、もう一つ特筆すべきは、Kさんのスタッフに対する愛情を持った姿勢です。


例えば、スタッフさんをはじめ、絶対に人の悪口を言うようなことはありませんでした。


ともすれば、グチの一つもこぼしたくなるような状況です。


私が同じ立場だったら、とてもじゃないけど音をあげそうな状況でも
Kさんの辞書には「諦め」という言葉はありませんでした。


その姿勢からも、この目標達成に対する本気度が伝わってきて、
僕も「絶対に、半端なコーチングはできない!」と気合が入ったものです。


ちなみに言うと、コーチングのセッションとは、シナジー(相乗効果)であり

クライアントとコーチで一緒に創り上げるものです。


クライアントさんの決意が強固であればあるほど、それ以上の力を
コーチは発揮できるのです。


しかし、そんなKさんの強い思いとは裏腹に
このスタッフさん達との関係は、なかなか改善しませんでした。


そして、いよいよ、この対立に終止符を打つべく、Kさんとのセッションも終盤となりました。




つづく




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