脂肪についてどれぐらい知ってますか?
脂肪はとにかく悪いもの!!って思ってる人も多いと思いますが、
体の中にあるもので無駄なものは無い
ということをモットーにしっかりとお伝えしていきたいと思います。
参考にして頂ければ嬉しいです
脂質(脂肪)の役割
・ 効率の良いエネルギー源。血液中の脂質量の調整
エネルギーを使われるときに初動は筋肉内に含まれる糖質(グリコーゲン)と脂質(骨格筋細胞内脂質)をメインに使用します。
次に血液中の糖質と脂質(遊離脂肪酸)が使われ、その次に中性脂肪が分解され
使用されるというのが基本的な使われ方です。
なので、
不足すると ⇒
エネルギーが不足して疲れやすくなったり、体の抵抗力が低下したりする可能性があります。
過剰すると ⇒
脂肪として備蓄し血液中の脂質濃度を調整します。また、骨格筋細胞内脂質も増加していきます。
それでも過剰状態だと血液中の脂質量が増え、
血液はドロドロになり、身体の隅々まできちんと酸素や栄養が運ばれず、老廃物も溜まりやすく
動脈硬化などの成人病を招く可能性があります。
また、脂肪細胞から出る、レプチンという食欲を抑制するホルモンも血液中の脂質が阻害するという
研究もあるそうです。
人類は常に飢餓との戦いだったのでその進化の過程で
体はエネルギー不足に対する対処方法や措置が多いですが、
エネルギー過剰に対する対処方法は少ないようです。
・体温の維持(熱を逃がしにくい)、病原菌への抵抗力
熱を逃がしにくい皮下脂肪や熱を生み出す褐色細胞が減少するためです。
人の体は37度前後が様々な酵素や免疫細胞が活発になるようになっています。
1度下がるだけで酵素や免疫機能は30%も下がるとも言われています。
不足 ⇒
寒さに弱くなる。風邪を引きやすくなります。
過剰 ⇒
汗をかきやすくなる。体温調整が難しくなります。
豆知識
体脂肪が下がることへの風邪の引きやすさの研究記事は見つけれませんでしたが、
風邪になり易くなるのは事実のようです。
脂溶性ビタミンの不足によって免疫が落ち、皮膚や毛への影響や
緊急時に細胞生体膜(細胞膜)の脂質を分解して作られる
プロスタグランジンという物質(高熱や痛みも発症)です。
免疫の司令塔、マスト細胞も持っています
その物質が病原菌を包みこんで抑制したり、
白血球、マクロファージなどの免疫に関する機能を
活性化する役割があるとのことなので
脂質が減少すると様々なところで影響が出るそうです。
・脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収促進
ビタミン不足は美容には欠かせないでですよね。
とくに女性は、脂肪を落として美容を損なっていたら本末転倒ですよね。
不足 ⇒
小腸でビタミンが吸収されず、ビタミン欠乏になる可能性があります。
【ビタミンA】 視細胞で重要な働きがあります
【ビタミンD】 カルシウムの小腸での吸収を促進させます。
【ビタミンE】 細胞膜に発生する活性酸素を除去。また、過酸化脂質を減少、血液の粘稠度も低下し、血行をよくします。
【ビタミンK】 肝臓でその他の血液凝固因子を活性化して血液凝固を促進。他にもカルシウムの骨への沈着を促進し骨を丈夫にします。
過剰 ⇒ 調べ中
・ ホルモンや胆汁、体細胞の細胞膜、核膜を作るのに必須
不足 ⇒
ホルモン量が減少し、子供の場合は成長不調、女性の場合は月経不順などを引き起こします。
また、コレステロールは胆汁という消化液の成分の一つなので
胆汁が不足すると脂肪の乳化が後退し、吸収率の低下、そしてビタミンの吸収率も下がるそうです。
※厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。
過剰 ⇒
調査中
・内臓脂肪、皮下脂肪として、臓器を保護。(女性の場合、特に重要。)
不足 ⇒
内臓脂肪が不足すると急激な動きをする際のエネルギー供給が間に合わなくなることも。
外部からの衝撃を緩和できないなどがおきます。
内臓を最適な場所に維持するための補助がなくなります。
日本人は内臓を支えるインナーマッスルが弱いため、内臓が落ちやすいそうです。
※内臓は位置が適切でないと機能が落ちます。
※脂肪は内臓周りで筋肉が弱いところに補助的につく傾向があります。
過剰 ⇒
様々な合併症、糖尿病などのリスクがあがります。
・ 妊娠、毛の構造に関わる(現在研究中)
リン脂質の脂肪酸から リゾリン脂質に分解。リゾリン脂質は精子と受精した直後の卵(受精卵)が子宮に着床させるのに必要。
リゾリン脂質を作り出す酵素、ホスホリパーゼの欠損マウスでは毛の構造に異常が生じることも。
※ ホスホリパーゼ 脂肪細胞から分泌される酵素
などなど、現在分かっているだけでもこれだけの役割があります。
使われる場所で変わる脂肪の役割
・ 内臓脂肪
皮下脂肪に比べて1個の脂肪細胞の大きさが小さく、代謝活性が高いことがわかっています。
胃や腸と直結しているために、エネルギーの出し入れがしやすいので、消費も早いし、貯蔵もしやすいです。
そのため、内臓脂肪は食べ過ぎによって増えやすくなっています。
食事を制限した場合はその逆で、まず内臓脂肪から消費されます。
また、内臓脂肪は内臓の位置を保つ役割があり、
内臓周りで筋肉が弱いところに補助的に内臓脂肪がついていきます。
欧米人と比べると日本人は筋肉が弱いので内臓脂肪がつきやすい傾向があります。
元々、長時間の狩猟が役割だった男性に多く付き易い脂肪です。
・ 皮下脂肪
第1は断熱性で,体温保持に役立ちます。
第2は摂取栄養分のうちの余剰分を脂肪の形でたくわえておき,内臓脂肪の減少に伴い、必要に応じてエネルギー源となります。
減少時はまず顔に現れ,次いで四肢が影響を受け,体幹部 (胸腹部) は比較的変動が少いといわれています。
内臓脂肪と比べ、体への負担が少なく、多く貯蓄したとしても害が少ないといわれています。
ただし、日本人は欧米人と比べ、皮下脂肪がつきにくい体質だと言われています。
元々、子を生み、子供を育てる役割(飢餓時でも育児、自分が生き残る)だった女性につきやすい脂肪です。
また、女性は脂肪細胞が増えるタイミングがあります。
・ 妊娠末期の3カ月(胎児期)
・ ミルクで育つ乳児期
・ 体が成熟する思春期に集中することが明らかになっています。
・ 白色脂肪細胞
中性脂質を貯める、様々なホルモンを分泌する細胞で、風船のように膨らむ機関です。
存在する白色脂肪細胞 が脂肪でいっぱいになると、細胞の数を増やしてさら に脂肪を取り込めるようになります。
また、女性ホルモンであるエストロゲンをつくるために必要で
体脂肪率の減少の影響を女性は強く受けます。
女性は体脂肪率15%で半数が無月経、10%以下で100%無月経になります。
・ 褐色脂肪細胞
脂肪を燃焼させる脂肪細胞といわれ、現在、盛んに研究されている細胞です。
成人すると筋肉による発熱がメインになり、あまり使われなくなるといわれてますが、
褐色脂肪細胞の発熱能力は通常、熱産生が 行われている骨格筋の70 ~ 100倍あるといわれてお り、
相当のパワーを褐色脂肪細胞がもっています。
成人でも 首筋(延髄周り)、胸部(鎖骨周り)、肩部(肩甲骨周り)、肝臓などに褐色脂肪細胞が多く残っているそうです。
内臓脂肪にもマーブル様に存 在することがわかってきており、今後は内臓脂肪の褐色脂肪細胞に関する発表も増えてきそうです。
2019年、現在の研究状況
運動時
運動によって増加するイリシンというホルモンは、脂肪を燃焼させる役割を持っています。
また、白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に変える遺伝子を活性化させる働きがあると考えられています。
寒冷時
寒冷に晒され、寒さによる震えが、運動と同じようにイリシンを刺激し、
白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞に変化するとの研究結果が。
具体的には、約10~15分の寒さによる震えで、1時間の適度な運動と同等のイリシンの上昇をもたらしましたそうです。
食事
唐辛子等の辛味成分を温度と共通のタンパク質で認識し、そして、温度受容体を刺激、
脂肪を燃やす脂肪として注目されている褐色脂肪細胞に交感神経を介して働きかけるそうです。
その結果、熱産生を促進し 内臓脂肪減少にも効果ありとのこと
また、食べるものでも、おいしい食事とそうでない食事を比較すると、
おいしい食事のほうがエネルギー消費量が高くなるそうです。
栄養価では測れない香りや味も、褐色脂肪細胞・白色脂肪細胞によい変化を与えるようですよ
その他
脳から発生するアドレナリンに反応して変化、発熱するという実験結果もあるそうです。
・ ベージュ脂肪細胞
ベージュ脂肪細胞は寒冷環境化等の刺激に応じて皮下脂肪内で生成され、
刺激がなくなると消失していくと言われる最近注目されている細胞です。
白色脂肪細胞がある条件化によって褐色細胞の役割を担うとのこと。
そのある条件化が何かは今、研究中とのことなので今後に期待です。
2019年時点での研究状況
⇒M2マクロファージが減少することによって増加?
⇒タンパク質である細胞内で亜鉛を輸送する「ZIP13」が減少することによって増加?
※亜鉛は数百におよぶ酵素たんぱく質の構成要素として、さまざまな生体内の反応に関与しています。アミノ酸からのたんぱく質の再合成、DNAの合成にも必要なので、胎児や乳児の発育や生命維持に非常に重要な役割を果たしているほか、骨の成長や肝臓、腎臓、インスリンを作るすい臓、精子を作っている睾丸など、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。また、体の細胞にダメージを与える活性酸素を除去する酵素の構成成分であるほか、味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与しています。
近年、糖尿病患者に、亜鉛のサプリメントを与えた研究の結果、亜鉛サプリメントの摂取は、空腹時血糖値の低値と関連が認められたことが報告されています5)。
豆知識
過去には一度増えた脂肪細胞は減ることはないといわれていました。
だから一度肥った人は脂肪細胞の中の脂肪の量が減っただけでまたすぐ肥りやすいとか、痩せている人はもともと脂肪細胞が少なく肥りにくいのだとか、いろいろなことが言われていましたが、今ではそれが間違いであったことがわかっています。
脂肪細胞は他の皮膚などの細胞と同じように断続的に新陳代謝して、新しい細胞に入れ替わったり、必要に応じて増えたり減ったりしていたわけです。
また、脂肪細胞部分にはミトコンドリアが多く存在し、エネルギー生成にも役立っています。
日本人の脂肪のつき方
日本人の最高体重って何キロかご存知ですか?
正確な記事は出てきませんでしたが、おおよそ300キロ前後とのことで、
欧米人の最高記録は500キロ弱。
比べると日本人はそんなに太ることが出来ません。
元々、脂肪は筋肉の代わりに内臓を支える役割もあります。
内臓周りの筋肉は腹横筋(ふくおうきん)と腹斜筋(ふくしゃきん)で、
腹斜筋はさらに外腹斜筋と内腹斜筋に分かれます。
腹直筋の両側から、ちょうどコルセットのように内臓をかかえるかっこうになっているのですが
これらの筋肉は速筋といわれる筋肉の割合が高いそうです。
それに対して、日本人は遅筋が70パーセントを占めるそうで
速筋が少ないため、必然的に内臓周りの筋肉も速筋が少なくなります。
なので、筋肉不足を補うために内臓脂肪がつきやすくなるのではないかとのことです。
人の体は細胞の優先順位があります。
脂肪(脂質)の第1位は脳です。物質構成の55%が脂質で作られています。
生命維持の優先順位が低いところは躊躇なく削って
今、必要な所に使われます。
人の体は、生きようとする力は凄いですね。
参考になればイイね👍💓お願いします🙏
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