• なぜなら、人間以外のあらゆる生命体は、意味を求めることなくただ存在しているはずで、知性を持った人類だけがある時点からこの迷路を意識しだしたのだと考えられます。実際‶なぜ宇宙は存在しているのか″などという問いかけをしても、また仮に何らかの答えを得たとしても、では自分の存在にどのような影響を及ぼすのか、自分の生きがいの創造にどんな役割を果たすのか、それこそ全く意味のないことだと言えます。今重要なのは、存在しているという事実、現実を直視することです。つまり生命とは、色々な食材と調味料を使って目の前に美味しい料理がでてきたのと同様に、存在するために生まれてきたのだと言うことでしょう。
  • では「幸せ」とか「生き甲斐」とはどのようなモノでしょうか?例えば人間以外の生き物にとって、それはどのような状態を指すのでしょうか。結論から言えば‶ただそこに存在し、ひたすら生き続けていること″に尽きると言えます。さらに言えば、その生命のバトンを次世代に手渡す働きをしていることだと思います。女王アリは皆に大切にしてもらえるから幸せで、働きアリや兵隊アリは不幸だと言えません。生命は単細胞であれ、社会を構成している高等種であれ、その生きている事実が何よりも〝幸福″のカタチだと思いませんか?そして意識や知性のある人類でも、オギャーといってこの世に生まれてきた瞬間から、例えすぐに命を落とすことになろうとも、一度は存在したという事実がある限り、それが生命にとって最も重要なことであるはずです。その後の人生が全く不遇に終わっても、今生きていることに意味があるのではないでしょうか。人間の、というより〝生命の尊厳″とはそのようなことだと思います。そこで前述の問いですが〝なぜあなたは生きているのですか″と聞かれれば、私ならこう答えます。〝心臓が動いているから、別にその動きを止める必要もない。そして私の持っている遺伝子やDNAといったバトンを次世代に渡したいから″
  • ‶生″は、今実感している事実で納得できますが、では〝死″とは一体何でしょうか。私の解釈では、それは〝宇宙旅行″だと思います。今、私の亡妻は宇宙へ旅に出てお留守になっています。これは別にふざけて冗談を言っているわけではありません。つまり、生命を構成する肉体と精神は喪失していますが〝無″になったわけではありません。人体(生命体)は当然物質の塊で出来ています。そこには、Ⅱ項で述べたように超微細な物質も当然含まれています。それは生命体のみならず、海や山、我々が日常眼にしているもの全て、地球も月も夜空の星々もみな究極の構成物質は同じはずです。そういった物質は火葬程度の燃焼では、消滅するはずがありません。遺骨の中に残っているものや煙となって大気中に霧散するもの、要するに我々には見ることが出来ませんが至る所に残存していることは間違いありません。さらにこれは仮設ですが、それらの物質の中には〝メモリー機能″の強力なヤツが稀にいて存命中の記憶や想いが残っていたりします。パソコンのCPUや脳の記憶力を考えれば決して空論ではないと思います。大抵はいわゆる意識の残滓は消滅していますが、稀にそうでない物質が現世に現れ、奇跡的な現象を起こしたりしているのだと考えられます。霊や魂や「生まれ変わり」というのはそういったものだと思います。