ちょっと前の雪が降った水曜日。
運よく休みで、出掛けたいんだけどなーっと思いつつもテレビそっちのけでシンシンと降る雪を見ながら遅めの朝
食を摂った。
15:00頃、意を決して雪の中出かけようと思って支度していたら外からガガーッ、ガガーッと雪掻きの音が聞こえ
る。
これはやるしかないだろう。
肩にかけたリュックを投げ出して思ったよりも積もった雪に足を取られながら雪掻きスコップを持ってきて掻い
た。
我武者羅に掻いていたら先に掻いていた隣の隣の爺さんの道と繋がった。
ふと顔を上げると爺さんがジッと見下ろしている。
「すごい雪ですね」外行きの笑顔を向けて敵意がないことを示した。
「春の雪はすぐ溶ける。一気にやらなくていいんだ」挨拶の代わりに雪掻きアドバイスをくれた。
反対側へ向けて掻きはじめて振り返る。
爺さんが俺が掻き残した所を掻いてくれていた。
反対側に突き抜けて一息つく。
道を挟んで雪掻きをしていた中年の女性が手を止めて会釈をする。こちらも会釈を返す。
向かいの家から慌てて飛び出して雪掻きに参加しはじめた女性も俺に笑顔で会釈。こちらも返す。
雪を書き終わった道をお婆さんが「お疲れ様です。ありがとう」と言いながら通る。
こういう非日常があるとフッと固まる絆というか助け合いというかそういう物を感じる。
普段はただ無関心にすれ違ったり、やるとしても目も見ずに形だけの挨拶しかしないけど。
一通り終わって家に入った。一時間ちょっとの雪掻きでしっとりと汗をかき、喉が渇いていた。
コーラを手に取った。
雪に刺して冷やしておけばよかったな、と思いつつグラスに注ぐ。
窓の外を見た。近所の人たちが各家からワサワサ出てきて雪掻きを始めている。
思った以上にキリッと冷えていたコーラを一気に飲み干した。