(CNN) ドイツ航空宇宙センター(DLR)は23日、運用を終えたエックス線観測衛星「ROSAT」が同日朝、大気圏に突入したと発表した。突入の時間や詳しい場所は明らかでない。

燃え残った衛星の破片が地上に落下したとの確認報告は今のところないとしている。破片落下に伴い、地上の人間がけがなどを負う可能性については極めて低いとも述べた。

同センターは当初、落下の予想時間について日本時間23日午前8時半から午後2時の間とし、欧州、アフリカやオーストラリアは落下が予想される場所から外れたとみられると報告していた。

最大で30個の破片が時速約2万8000キロの速さで大気圏に突入し、北緯53度から南緯53度の範囲内で幅約80キロの領域に落下すると説明していた。最大の部品は非常に耐熱性の高い望遠鏡の鏡部分で、重さ約1.7トンに達するとみられる。

衛星上に推進装置が搭載されていないため、大気圏突入の制御は不可能となっていた。

ROSATは1990年に打ち上げられた。すい星など予想外のものも含め、あらゆる天体からエックス線が放射されていることを発見。当初は1年半の観測を予定していたが、大きな成果を挙げたことから計画が延長され、太陽から受けた損傷で利用不可能となる99年まで運用を続けた。

9月に米航空宇宙局(NASA)の人工衛星が大気圏に突入した際には、合計で26個、約545キロの破片が地上に落下したとみられる。 CNN http://www.cnn.co.jp/fringe/30004358.html?ref=ng