中国浙江省温州市の高速鉄道事故で、上海鉄道局の技術責任者が事故車両について「事故調査の役に立たない。鉄くずだ」と話していたと中国誌「新世紀」が2日までに伝えた。

 車両を保存し、徹底して原因を究明しようという意識が当局者に乏しかったことが浮き彫りになった。鉄道当局は追突した先頭車両を壊して埋め、「証拠隠滅」との批判が噴出した後、車両を掘り出して温州西駅に運んでいる。

 車両は事故当時の状況を知る上で重要な手掛かりだが、中国の主要駅責任者は事故車両を埋める行為について「以前からそうしてきた」と中国紙、経済観察報に証言。中国メディアは2005年の尼崎JR脱線事故で、車両が長期間保存されたことを紹介するなどして中国鉄道当局の対応に疑問を投げ掛けている。

 また、中国経済週刊(電子版)は、温州市職員が事故2日後の7月25日、「鉄道省は一人も遺族の慰問に来ない」と不満を漏らしていたと報道。同省の遺族対応にも批判が高まっている。 ― スポニチ http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/08/02/kiji/K20110802001334750.html