ちょっと冗談とも思えるような家がドイツには存在する。別にホームレスのためでもなく、部屋が水浸しになっているという訳でもない。ドイツには今のような水道設備が完備されるまで、塔に水を蓄え、周辺に給水した給水塔が多くの町でいまも残る。そのほとんどは役目を終え
水道救急車たが、保存するにも解体するにも費用がかかるため「町の厄介者」と言っても過言ではなかった。そこで状況で登場したのが、マンションやホテルといった「居住空間」としてよみがえらせる利用法だった。また、ドイツ北部のハンブルクでも2007年に、11階建ての4つ星ホテル「メーヴェンピック?ホテル?イン?ヴァッサートゥルム」が開業し、話題を呼んだ。
首都ベルリンの西側に位置するシャルロッテンブルク地区。ここには2本の立派な給水塔がそびえている。1881年に建てられた東塔は、直径16メートル、高さ27メートルの円柱形。その西側に1910年に建てられた西塔は、直径14メートルでちょっと小ぶりだが、高さ
水道工事は何と60メートルにまで達する。この両塔内では現在、全21戸の分譲マンションとして生まれ変わるべく、リフォーム工事が急ピッチで進められている。給水塔はもちろん中が空洞なので、リフォームもしやすいのだとか。このほかにも、事務所やレストラン、イベント会場などにリフォームされている給水塔もある。
給水塔の外装は、重厚な雰囲気を醸し出すれんが造りのため、できる限りそのまま利用。内部には給水塔としての現役時代には当然なかったエレベ
改修工事ーターを設置。部屋は塔の円形をいかしたおしゃれな雰囲気に仕上げ、各階に1戸ずつとなっている。床面積は170平米~340平米、天井の高さは約3~4メートルもあり、日本人には夢のような空間だ。2011年春に完成予定で、価格は170平米のタイプが44万3700ユーロ(約5000万円)から。すでに半分以上が売約済みという人気ぶりだ。
ドイツの給水塔は円柱形のタイプが多く、耐水性を考えたためにれんが造りが主流。お陰で長年の風雪に耐え、奇跡的に戦火も逃れたため、現在でもその頑丈さは折り紙つきだ。産業が発達した19世紀半ば~20世紀にかけて建設のピークを迎えた給水塔を、ドイツでは各地で
パイプの水漏れ目にすることができる。例えば、ドイツ西部のケルンでは、五つ星高級ホテルとして生まれ変わった。1990年に営業を開始した「ホテル?イン?ヴァッサートゥルム(給水塔の中のホテル)」は、1868年~72年に建造された高さ35.6メートルの給水塔を活用し、ノスタルジーな雰囲気が大人気の秘密とか。