WEDDING IN THE BREEZE -感謝祭-
寝袋から、テントから這い出して、そのまま結婚式の最終準備。
(・・・なんて経験をされた方はあまりいらっしゃらないとは思いますが)
でもまずその前にファイヤープレイスの灰の下で燻っていた火種に薪をくべて朝ごはん。
ホイルの中はトーストです。
昨夜の、ゆらぎに包まれた胸高鳴る夜がまるで夢のような静かな朝。
でも灰の下で燻っていた火種のように、その名残がちゃんとそこここに。
招待客も東京からバスで無事到着し、お二人の準備も着々と。
皆で作り上げた会場で、招待客を迎えます。
そしていよいよ入場。
実はここまで招待客と新郎新婦はまだ顔を合わせていません。
全てはこのサプライズ入場の為に!
「新郎新婦入場です!」のアナウンス続いて、ゲルの陰から現れたのはゴンドラに乗った新郎新婦!
予想もしてなかった入場シーンに招待客からはどよめきと拍手が。
実はこのゴンドラ、普段僕らが伐採した木を林地から引き出すために使用している装置を応用したもの。
会場内の2本の立木の間にワイヤーを張り、木の代わりにゴンドラを吊りました。
移動距離約50m、高さは最高で約4mほど。昨日のリハーサルの甲斐もあってサプライズは大成功!!
ゴンドラから降りたお二人に続くように、挙式会場へと進みます。
挙式会場といっても、会場の片隅にある立木が円形状に並んでいるだけの一角。
でもそのシンプルさが、背景の鮮やかな新緑と最低限の演出が、お二人の姿を引き立たせます。
おめでとうございます!
ゲルに移っての披露宴。
写真では分かりませんが、高砂とほぼ真反対に従来の出入り口があって、
高砂の裏手にもう一つ新郎新婦用の出入り口があります。
出入り口を設けるとどうしてもそこで壁が途切れてしまうので、
出入り口を増やすことが強度的に、設計的にどう影響してくるのか・・・
僕らも不安でしたがそこは流石建築のフィールドで経験を積んでいるお二人!
模型を作って、強度的にもクリアしていることを証明し一緒に作ってくれました。
お料理はお二人が実際に足を運んでその味に惚れ込んだ、創作イタリアン「Ushimaru」による
色鮮やかな旬の野菜やジビエなど地場の食材を使ったここでしか味わえないお料理が並び、
そしてドリンクには千葉市からBar byronが。屋外でこの組み合わせはホントに贅沢。
隅々まで自分たちのアイディアと想いを詰め込んで、実際に自分たちで手を動かして、
時に家族や仲間たちの手を借りて作り上げたおもてなし。
この一結び一結びにお二人が込めた想いが支えるCASAの下で。
お食事や余興もひと段落し
この感謝祭が行われた日はキリストが復活したという言われのある日、イースター(復活祭)にちなんで
予め林地に隠されたカラフルな卵を皆で探します。
皆が卵を探している間にゲルの中では、次のワークショップの準備が!
wood-C-fullsunによるフォトフレームワークショップ。
実は披露宴の前に集合写真を撮ったのですが、そのデータを持ってこのワークショップに
間に合うようにそのまま現像に走っていたのです。
枠となる一枚一枚の板はすべて白なんですが、実は二度塗りされていてサンドペーパーで削ると木目と共に違う色が浮かび上がる。
その浮かび上がってくる色は削ってみないと分からないし、どれだけ削るかはその人次第。
偶然と加減が作り出すそれぞれの味わい。
フレームにもしっかりと今日という日が刻まれて、この特別な日の思い出がさらに彩られていく。
最後は新郎親子3人による迫力ある和太鼓の演奏!
流石兄弟、流石親子。息の合った演奏、ピタリと揃った腕の角度、踊るようなバチの動き。
いやぁ、かっこよかった!
最後の曲では新婦がリズムをとっての微笑ましい一コマ。
今回の前夜祭を含めたワークショップ形式のウェディング。
様々なワークショップに五右衛門風呂やゴンドラの演出…
決して守りに入ることのないお二人のアイディアと想いに突き動かされて
参加したお友達やご家族も今まで踏み入れたことのない領域へと。
勿論戸惑いの壁は高いのだけれど、それを超えたところにある素晴らしい景色をお二人は知っていたし
その景色を大切な皆と見たかった。
その景色を、その空気を、その楽しさを一緒に感じてもらう事が、お二人から皆への感謝の伝え方でした。
お二人のブログから。
「感謝を伝えるための催しだったけど、
こんな経験ができたことにいま、
もっともっと感謝しています。」
こうして感謝が感謝を生み、ぐるぐる回って
また遠心力を得て広がって・・・
いつの間にかお手伝いさせて頂いた僕たちも
そんな心地の良い渦に巻き込まれていたりして。
そんな理想的なエネルギーの広がりが、
お二人のこれからを示唆しているような、とても感慨深いウエディングでした。
kio