『最低な父親』

 

言った後にハッとした。

旦那の顔を見ると明らかに怒っていた。

 

 

 

「帰る」

 

 

 

そう静かに言って旦那は帰った。

その日から旦那はそっけない。

必要最低限の会話しかしないし、退院の日も迎えに来てくれる私の親に何の挨拶も無い。

だが、私も私で溜まりに溜まった不満もあり、素直に謝る気分でもなかった。

 

退院したその日から、あたり前だが24時間赤ちゃんにつきっきりになった。

病院では母子別室だったので、授乳の時間以外はゆっくり身体を癒すことができたが、退院したらそうはいかない。

今まで経験したことのない寝不足と、何よりも乳首の炎症が酷く、歯を食いしばり泣きながら授乳する・・・そのストレスが産後の不安定な精神状態に重くのしかかった。

 

慣れない育児と身体の辛さ、旦那には冷たくされ限界だった私は、泣きながら旦那本人に電話で抗議した。

旦那は旦那で私から言われた一言に怒っているため、話はすれ違い、お互いに歩み寄ることもできない状態で言い合いが続いた。

実家のリビングから廊下を挟んで和室を間借りしていた部屋で泣いて話している私の声を聞き、父が何事かと飛んできた。

私は泣いて何も言えない状態だったので、父が電話を取り、旦那と話してくれた。

 

 

『マサヒロ(旦那)くんが言ってることも分かる、娘は言ってはいけない事も言ったのも分かる。親としてそこは自分が謝る。けれど、何時間もかかって子どもを産んだばかりの娘にもう少し寄り添ってくれないか?』

 

そんな言葉が聞こえた。

父のやさしさに更に涙がでた。