前回の続き。
ヨーキーのニコちゃんのトレーニングは
この時の過程と同じようなことをしています
言葉もボディランゲージも通じないこのこに、
毎日毎日、私を信用して貰えるような関わり方を
しました

『追いつめないこと』
これがキーワードになります

ニコちゃんは、動物病院やトリミングに行く時に
入っていくクレートの中で激しい威嚇行動を見せ
ます

そして、今、お世話になっている獣医さんでも
診察はとても困難になっています

トリミングも預けてしまえば、ちゃんと顔の
カットもされているので定期的に連れて行って
るそうですが、そこでの恐怖は計り知れない
ものなのかもしれません

子犬の時に出会う全てのものは、好奇心を
刺激するものであり、恐怖刺激にもなり得る
のです。
どんな出会い方をさせるのか
で
でその後の新しい刺激に対しての態度は
変わります。
出会う月齢で許容範囲は変わるし、
相手(獣医師・トリマー)によって
対応が違うのでパピーの内に、
このこは、どんな風に育てていくべきなのか

飼い主さんが知っておく必要があります。
トリミングでも獣医さんでも、逃れることは
許されなかったであろうニコちゃん

爪切り・バリカン・耳掃除・シャワー・ドライヤー
怖いんです。
高い診察台・遠慮なく触ってくる手・聴診器
注射・手術
怖いんです。
目の前にある何が起こるか分からない。
そんな恐怖から逃れられない状況を
想像してみてください

人は、そんな想像力を忘れてしまっています。
動物を育てるのに、とても大事なことです

ほとんどの犬が当たり前に出来ていること。
当たり前ではないこがいること。
『怖かったんだね』 そんな理解から次に
進めるんだと、思います

私の愛犬、チワワの葵もとても過敏なタイプ

触り方が悪いと、ガゥッとなります

でも、私に対しては決してしません。
『止めて!』という態度を示してくれるし、
私もそのサインをちゃんと受取るから。
お互いに絶対的な信頼をしているのです

もし、勉強をする前に葵と出会っていたら…
今のような関係は築けていなかったと思います。
そんなニコちゃんに似たタイプのこです。
今、ニコちゃんに必要なのは
信用出来る相手。
安心して心と身を委ねられる相手。
私がその1人になって、あげたい

それには、『古典的条件づけ』で
感情を変える手続きが必要です

そして、ご家族には
『負の強化』=行動の結果、嫌なことが無くなる
という行動原理によって
『唸りや咬み 』が強化されることがないような
関わり。環境設定をして貰っています。
その結果、レッスン時の聞き取りの際にママさん
が教えてくれたこと。
『娘さんがストレッチ中にニコちゃんに接近しす
ぎてしまった手を咬まれてしまった。
でも、今までよりも加減しているのが分かった!』
そこに気づけた娘さん。偉いな

そして、何よりママさんの練習の成果です

4回目のレッスンで。
古典的条件づけ+正の強化で
手に鼻タッチをすることを始めました

4回目で初めて参加してくれたお姉ちゃんとの
練習。
頭が良く、活発でなニコちゃん。
フードを獲得する為に、オスワリをしているのが
分かります

ニコちゃんにとって、『オスワリ』はご家族との
共通言語なのだと思います

オスワリの後に嬉しいことが起きた経験を
繰り返しているはずです

新しい行動を教えてあげることで、ご家族との
共通言語が増えます

手を出す (人)
↓
手を見て、近づく (ニコ)
↓
手に鼻をつける (ニコ)
↓
『そう!』正解の合図を出す (人)
↓
フードを出す (人)
↓
↓
↓
手に鼻をつけに行く行動が増えていれば、
フードは嬉しいことであり、正の強化が成立
しています

正解の『そう!』合図は唾液分泌という
身体的な条件反射を起こしています。
食べ物を得た時の無条件反射(唾液分泌)が
行動を強化するプロセス(正の強化)を
踏むことで条件反射になっていきます。
『そう!』(正解だよ!)と言われると
フードが出てくることを予測するのです

楽しいよね
嬉しいよね
嬉しいよね
こうして、人から何かを働きかけてくることに
ニコちゃんが期待するような感情作りを
1から作り上げていくのです

