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BESPOKE

芸術をめぐる冒険と、最近思うこと、いろいろ。

現代は様々な映画を見ることが出来ます。
色々な国、時代のもの、ジャンル…。
私はある時期に、タダで沢山の映画を見ました。
とても悩んでいた、どんよりした時期に。
今考えるととても贅沢な時間でした。
そのどれも、すばらしい文学を読んだような
美術館をゆっくりまわるような、
苦悩と、至福が入り混じったような混沌とした
何かにすがりつくような時でした。
当時はなんだか無駄な時間を沢山使ったようにも感じていました。

沢山の映画を見た中で思うことがありました。
どんな映画でも、作り手の色々な思いがこめられているということです。
よく優れた映画は無駄なシーンが無いといわれます。
なんだこのシーンは?と印象に残る一見無駄なカットに、
作品のコアとなる、作り手の一番大事な「意図」がこめられていることがあります。
それに気付けるかどうか、で
映画を本当の意味で楽しめるかどうかが決まりますね。

くだらねぇSFアクションだな、と思っても
実はヨーロッパの暗雲立ち込める時代の
社会情勢を象徴的に描いた作品だったりします。
原作には、それぞれ当時の社会的な事件や、
政治的な脅威を比喩として描かれ、
テーマとして秘められていたりするのです。
ですからエイリアンは、この場合何の象徴なのか
とか考えると見方が変わってきます。

結局つまらなく感じるのは
あなたのリテラシーが足りないだけ、かもしれません。
どんなに素晴らしい作品があっても、
見る人間が正しく受け取れなければまったく意味がありません。

豚に真珠。

若かったあの頃にむさぼるように見た
素晴らしい映画作品の数々も、時間も
意味があったんだと思えるようになりました。