(無題) 恋の仕方は 疾うに忘れた 胸の痛みは もう手に負えない ただ想い 貫くだけの そんな勇気は 無くて この想い 諦めるだけの そんな勇気も 無くて 声を聴くたび 痛みは募る 声を聴くたび 想いも募る 泣きたいのに 泣けない なのに 幸せで まるで 傍に居るかのように 錯覚したまま 今日もまた 朝を迎える 恋の仕方は 疾うに忘れた 胸の痛みは まだ手放せない
8月9日私の家族は 誰も戦争で死ぬことはなかった そして 祖父母が戦争について語ることは ほとんどなかった 私の 祖父が語ってくれた戦争の記憶は ほぼ皆無だ 祖父は通信兵で 前線に赴く事はなかった それだけ それでも きっと多くの仲間の死を目にしただろう 祖父は昨年亡くなった その一月後に 後を追うように祖母も亡くなった 二人の眼はいつもガラス玉のように美しくて いつか 戦争のない世界をと 望んでいたに違いない 仮初めの平和を 本物の平和に いつか きっと