太宰治の『ヴィヨンの妻』が映画化され公開されていますね。私はまだ観てないし、観るかわかりませんが…
『ヴィヨンの妻』は太宰作品の中でも特に思い入れが強い作品の一つです。この作品に出会ったのはAIR車谷氏の影響でした(ちなみに寺山も)
大学2年の時、太宰ゼミを取り、この作品を担当し改めて読み直しました。さっちゃんが何故最後に
「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」
と言ったのか、何度も読むうちに文面の細部から鮮やかに、自分なりの答えが導き出されて、爽快感すら覚えた記憶があります。文庫本に自分なりにネックになる文章に線が引いてあるのですが、今となってそれはとても大事な私だけの宝物です。
当時、私は三鷹近くの武蔵野に住んでいて、そこで沢山の太宰作品に触れられたのは自分にとってかけがえのない財産です。
院生の時、飲み会の席で教授から聞いた『ヴィヨンの妻・中央線善悪説』は面白かった。中央線の上りは(善)で下りは(悪)であるというもの。ヴィヨンの妻に出てくる中央線沿線の街は…中野(椿屋)、吉祥寺(途中で子供と井ノ公に寄る)、小金井(さっちゃんたちの家)、立川(椿屋の客で、さっちゃんをおそう男が住むところ)上れば上るほど善の度合いが強まり、下れば下るほど悪の度合いが強まるというものであります…
私が未だに下り方面に住みながら、その場所をあまり好きになれないのは太宰の影響なのかもしれないなぁ…
ちなみに映画のCMを見る限りでは、立川の男役は妻夫木聡くんみたいです…それなら間違いが起こってもしょうがないか…なんて笑。


