こんにちは。

きのう届いた『リアル』1〜14巻(1〜10巻は近所のGEOで借りて読み、その後11巻から買っているのですが、ネットでまとめ売りがあったので買ってしまった)を夢中で読み、

気づいたことがあります。

リアルはなんだかんだ言っても主役は野宮君だと。

3人主役ですが、その中のセンターが野宮君だと思うんですよ。1巻登場時の目付きの悪い喧嘩っ早いヤンキーの風貌から、

プロのトライアルを目指して自分をいじめ抜いていた10巻の精悍な体つき、



そして最新刊の、トライアル時より15kg増量(結果を待つストレスで暴食したもよう。小学校の頃は典型的な肥満児だったから太りやすいのかも)し、

やっと自分の心の底にあった悔しさと向き合い、バスケをもう一度やろうと思う、原点回帰の巻。


高橋君も戸川君も、ストレスで太るダメ人間ではなさそうですが、

以前雑誌かムック本で井上雄彦先生も多忙さか遊びすぎかで太った時期があったと書いていらしたので、野宮君についていちばん肩入れしているんじゃないかと思います。

6年もの長い間新刊が出なかったのは、主役である野宮君が一回自分自身を見限って浮上するまでに必要な時間だったのではないか。

と57なので6年をそこまで長いかなあと思ってしまうわけですが、

今回改めて表紙を並べて気づいたのは、

10巻まではリアルのタイトルが縦で、銀色の押しのある印刷でバスケットボールをデザインしているんだけど、11巻からリアルは横でバスケットボールのデザインは消えています。


好きなキャラではあるのですが、悪役スコールピオンこと白鳥さんのプロレスの描写がバランス的にどうなんだと思うくらいボリュームがあった時は、

これは井上先生はスランプなのかと思っていました。すごくおもしろくて、連載中の雑誌を買ってしまうくらい白鳥さんの魅力にハマっていたのですが、

いやでも、野宮君を描いてほしい、今は燻っていて描いてもカタルシスのない主人公だけど、と思ってもいました。

帯に原点回帰とあり、野宮君がドーンとカバーに大きく真正面の構図で描かれていたことに、

やっぱり『リアル』は野宮君だ!と気を強く持った私です。

描いている井上先生も野宮君も読んでいる私たちも、みんなそれぞれの人生を歩いている人間で、いろんな瑕疵があり痛みもあるわけですが、

私は完結しなくても描きつづけてくれればいいと思ってしまいます。てかこのストーリーの完結ってありうるのか。リアルが現実という意味なら、現実には完結は有り得ないわけで、

つづく

しかないと思うんですが。