エリック・カール展のときに買った絵本。

絵本の原画展ってあれも微妙なもので、原画の色や立体感にうっとりすると大量印刷された絵本がいきなり味気なく見えちゃう。

エリック・カールはそもそも息子が赤ちゃんから4歳まで読み聞かせしていたので、あらたに買いたい絵本はあまりなかったのでした。

その中でこの『プレッツェルのはじまり』は先に世田谷美術館での展覧会を見ていた知人からの手紙がこの絵本の一場面のポストカードだったこともあり、自分がパン屋なこともあって、絶対買おうと思っていました。


このパン生地を手にどういう成形にしたら、王様のいう、「あさひが三つみえて」の形になるかの試行錯誤はなぜか『パパ! お月さまとって!』(この絵本がいちばんすき)の中で、モニカがお月さまと遊ぶ場面を思い出します。

パン生地は丸めて扱うことが多いですし、卵やバターの入った生地だとますますお月さまを連想させる、そのせいでしょうか。


お月さまがいっぱい!
レモンブリオッシュの分割丸めした生地です。

レモンブリオッシュやブッタークーヘンやシナモンロールなどのリッチなパンもさらにバラエティを増やしたいですが、

ハード系の小型パンをやりたいなーと思ってプレッツェルはそのひとつ。やっているお店もあんまり多くないですよね。みんながやっているパンをうちもやろうとは思わなくて、

あ、このパンおいしそう!つくりたい!という単純な動機があるだけです。

プレッツェルというか苛性ソーダの焼ける独特の匂いが好きなので、素人時代には何度か作っていました。苛性ソーダは石鹸づくりで扱いを知っていたので大丈夫。

絵本に戻るとウォルターさんのつくったもつれたような形のパンは、


「ちょっとかたくて、でもライむぎブレッドみたいにもちっとしています」

細い部分は固くパキッとして太いところはもちっとしているんですね。ところで訳文はなぜ「ライむぎパン」じゃなくて「ライむぎブレッド」なんだろう?些細だが落ち着かないな。



プレッツェル…作ろうと思ってから1年経っちゃった。絵本を読むといつも焦る(笑)