小学6年生の冬からはじまった和田慎二の「スケバン刑事」ですが、
40年もファンだってどういうことだ(笑)。
一度麻宮サキが読者の前から姿を消したことがあります。
PART1でサキの最大の敵であった麗巳との死闘の末、
海上で船が爆破して、どちらも死んだと思われていたんですよね。
いやそこで終わっても、もう十分だったと思っていました。
が、その次の連載がこけたため、2部を始めざるを得なくなった、
と愛蔵版のあとがきで和田慎二先生が激白。
PART1はいきなり少年刑務所からはじまりました。
なにしろ主人公麻宮サキが刑期に服していたからです。そんなヒロイン、
いまはわからないが、当時は聞いたことがないよ。
一転、
PART2はニューヨークからはじまります。
しかも、サキかどうかはっきりしない、しかしサキによく似た令嬢の
ボディーガードとして神恭一郎と沼先生がお屋敷にもぐりこむというはじまり…。
まさかと思うが、神恭一郎が手を取っているのがサキです。
このときは、記憶を失い、日系アメリカ人の財閥令嬢、ナツキということになっていて、
信じられないくらいお嬢様だった。
もとはといえば、婚約者のくせにナツキを大事にしないジミーが
パーティのパートナーをキャンセルしてきたからなんですが。
しかしどうです。みんなあからさまに外国人だ。
日本人留学生の友達が誘拐されて、ひどい目に遭っているとしり、
単身乗り込むナツキお嬢様。しかしこの不安げな表情はサではありませんね。
セントラルパークにナツキ(サキ)が行ったことをつきつとめた神と沼先生がかけつけ、
神がサキにヨーヨーを投げ与えます。
ギッ!
ギッ!と睨む眼光の鋭さは、PART1のしょっぱなに、
「あたしに言わせれば娑婆の方が地獄さ!」
と言い放ったサキそのものです。
このあと、お嬢様ナツキの皮を脱いだサキは、不良どもをやっつけ、
すっかり麻宮サキとしての記憶を取り戻すのです。
広島から帰ってから、和田先生のマンガを読み返していました。
そして、ニューヨーク、ここだ、ここを描いたんだなあと思ったり、
ああ。
あのほのぼのとしたセントラルパークで、ヨーヨーを武器にしたサキが
暴れていたんだなあ…ってそれはちがうけど。
「スケバン刑事」のPART2は高2だったと思うので、マンガをよんで35年後にその場所に
立ったわけですね。
マンガを読み返すまで、ナツキ(サキ)が呼び出されたのがセントラルパークだとは気づいていませんでした。
そして、サキと麗巳が死闘を繰り広げた大型客船の名前が、
「エノラゲイ」ということも知らなかった。いや、PART1を読んでいたころは
中2くらいだったので、エノラゲイにピンと来なかったんだと思う。
広島平和記念資料館でエノラゲイというのが、機長のお母さんの名前から付けられたことを知りました。
…やっぱり和田先生は広島の生まれだったんだなあと思いました。