スタンド・バイ・ミー

「スタンド・バイ・ミー」、よかったです!

キングの小説の原題は「THE BOYS」なんですね。

4人の少年たちが死体を見に行く、金曜の午後から日曜の午前5時までの冒険なのですが、

4人の少年たち、特にリーダーのクリスとゴーディがよかった。

主役は語り手であり、いまは作家になったゴーディなのですが、

この2人はグループのなかでも強く結びついている感じで、

スポーツマンで美しい恋人がいて、町中がその活躍に期待していた兄が4月に死んでから、父も母もうつろでゴーディは虚しい気持ちでいる。

そのゴーディを気にかけ、彼の小説家の才能を信じるクリスは、頭もいいし、行動力もあり、大人びているのに、

貧乏な上に兄が札付きの不良グループで、偏見に心を腐らしかけている。

メガネのテディはアルコール中毒の父親に片耳をストーブで焼かれた。でも、お父さんは勇者だ、と誇りに思っている。まだ12歳なのに(彼も気づいていない)破滅願望があり、肝試しに向かってくる汽車の前に立ちはだかったりする。クリスが必死でとめなければ汽車に轢かれていたのに。

太っちょのバーンの家庭の話は出てこなかったけれど、彼もまた、この仲間たちがいなかったらひとりぼっちであり、

作者キングの子ども時代の分身のひとりなんだろうなあと。他の長編小説に子どもの頃肥満児で、いつもニコニコしているけど、ひとりぼっちの男の子が高校でダイエットに成功し、弁護士になった、というのがあり、いろいろ重なる。

クリスがゴーディに、お前が小説家になれるよう俺が守る、というところや、偏見に打ちのめされた傷をみせて泣くところもよかった。

映画は2時間未満に限りますな!