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毒舌が止まらないメリル・ストりーぷ母さんに飛び掛かった、
正義は我にありタイプの長女ジュリア・ロバーツ。

「食べて祈って恋をして」の彼女のイメージが強く、今回も
いやー、いい食べっぷりでした。

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そしてこれが、毒舌母さんですよ。

もともとは舞台劇だったというのもパンフレットを読んではじめて知ったのですが、
映画のはじめから、そうじゃないかなーという感じはありました。

最初、夫のベバリー(サム・シェパード)が登場し、やがてゆっくりと
バイオレット(メリル・ストリープ)が彼の書斎にやってくる…。

画像は大家族がベバリーの葬式のあとの会食に集まったときのもので、
バイオレット母さんもバッチリ黒のカツラにドレスでお洒落をしていますが、

最初の登場シーンでは白髪(なのかプラチナブロンドなのか曖昧)のベリーショートで、
病気というのは脳腫瘍で手術のために髪を短くしたのかな、とまで思いました。

口腔癌の初期で、病院に連れて行くひとが必要だ、ということでネイティブ・アメリカンの
家政婦さん、ジョナを雇う場面でも、すでに毒舌はとまりません。

このジョナが最後の方で、じつにいい働きをしてくれるんですよ!
画像はないけど!

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メリル母さんのジュールズ三姉妹(笑)。

ジュリア・ロバーツ、ジュリエット・ルイス、ジュリアン・ニコルソンと
三人とも名前の初めがジュなので、メリル母さんはまとめて、

ジュールズと呼んでいたそう。


長女がジュリア・ロバーツ。若い子に浮気をした夫と別居中で、
14歳の娘は夫と暮らしている。正義感が強く、本当のことで相手を
ビシビシ責め立てる性癖があり、メリル母さんにじつはよく似ている。

次女は右端のジュリアン・ニコルソン。化粧っ気がなくて猫背で、あんたレズ?
とメリル母さんに登場早々から言葉の剣でぐさぐさやられている。

しかしじつは彼女には秘密があった…まあジュリア姉さんも夫と別居というのは
じつは秘密だったのだ。末っ子ジュリエットだってじつは秘密があるらしい。




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葬儀後の会食。

この舞台となった家がすばらしくて、登場人物にはなんの動きもないときも、
この家を映し出してくれているだけでも幸せだった。

このテーブルがメリル母さんの毒舌炸裂の舞台になるわけ!

あー、これ絶対、もとは舞台劇でしょ、と思ったわねー。
すごくここの場面がいいんです。

佐野洋子の「シズコさん」を原作とした舞台劇、「シズコさん」を思い出しました。

シズコさん、も、相当毒のつよいお母さんで、しっかり者の長女で才気煥発なところが
夫にそっくりの洋子さんはこのお母さんの毒をたっぷり浴びせられるわけですが、

いや、シズコさんがまだ可愛いと思える毒っぷり。

お気に入りのフレーズは、

「私の目をごまかせることは何もない」



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次女アイビーとメリル母さんと、メリル母さんの妹、マティ・フェイ。

この妹役のマーゴ・マーティンディルがまた上手かった。

最初はでっぷり太った口やかましい叔母さん、というだけだったのに、
それだけは誰にも知られてはいけない秘密をバーバラ(ジュリア・ロバーツ)に
語る場面での彼女は迫力があり、

メリル母さんの妹だ!

と納得させられてしまう。


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そのマティ・フェイ叔母さんの息子、リトル・チャールズ。
じつは次女アイビーは彼と結婚してニューヨークへ行こうと
思っていたのでした。

三姉妹だけの時に、その話をして、

遺伝の問題があるから結婚は…と末っ子カレンが言うと、

「問題ないわ、子宮頸がんで子宮摘出したから」
とさらっと言うアイビー。

その前に三姉妹がワインを片手に爆笑していたのは、
薬物依存症のメリル母さんが前の入院騒ぎの時に、

クスリをどこに隠していたか。

「膣よ!」
とバーバラがあけすけに言えば、
妹ふたりがあまりにあけすけじゃ、という顔をするので、

「じゃあ、あそこ?」「プッシーは下品じゃない」

と下ネタに突っ走るバーバラとゲラゲラ大笑いする二人の妹たち。

このあたりの豪快さはメリル母さんの薫陶でしょうか。


いとこ同士のアイビーとリトル・チャールズの結婚を、
バイオレットがマティ・フェイ叔母さんに話すと、叔母さんは
大反対するのですが、いとこ同士でも子どもは作らないと言っているんだし、
ふたりは愛し合っているし、とフォローするバイオレットに衝撃の事実!


「あのふたり、異母きょうだいだから」

そう、マティ・フェイ叔母さん、じつは姉さんのバイオレットの夫と
浮気をして生まれたのがリトル・チャールズ…。

映画のはじめからチャールズが気質的に血のつながりはない伯父ベバリーに
似ていることが何度か示唆されていましたが、

親子だったのか。

このことを知っているのは私とあなただけよ、とマティ・フェイ叔母さんはバーバラに言うけど、

「私の目をごまかせることはなにもない」バイオレットはすべてお見通しでした。
そのことで長年、夫ベバリーが苦しんでいたことも。

その大事件とはべつに、カレンの連れてきたフィアンセ(これもバイオレットが
3回の結婚歴がある男だと言わせてしまう)がバーバラの14歳の娘、ジーンと
マリファナを吸いながら妖しい行為に及ぼうとしていたんでした。

それに気づいたのが家政婦のジョナ。彼女は鉄製のスコップを片手に、ガシンガシンと
スティーブを殴りつけ、騒ぎを聞きつけて集まってきたバーバラと夫ビル、カレンは愕然。

しかしここで、ジーンが、

「なにもないわ、マリファナをちょっと吸ってただけよ!」
というと、ふたりで口をそろえて、
「だから吸うなと!」

というところはおかしかった。
ジーン役はアビゲイル・ブレスリン。


どこかで見たなあ、と思っていたら、
ジョディ・フォスターと共演の「幸せの1ページ」でした。2008年制作の
映画ですが、それ以降の彼女の作品は見ていないこともいまわかったので、

印象の強い役者さんだったんだなあと。当時は12歳だったのですが。

こうして自分の娘3人の架空のギリギリのしあわせでさえ、木っ端みじんに粉砕した
メリル母さんのもとを娘三人が去っていくのもむべなるかな。

ベバリーと聴いた懐かしい音楽のレコードをかけると、ふらふらと家の中をさまよう
メリル・ストリープ。

彼女を抱いて落ち着かせるジョナ。


物語とセリフだけを聞くと悲惨というか残酷すぎないか、と思われるかもしれませんが、
こんなに演技合戦のすごい映画を見られて楽しい!照明もセットも、メリル・ストリープの仕草のひとつひとつがいいじゃ!

とご機嫌だったのでした。映画って不思議なものですね。


メリル・ストリープのカツラを外した時の、銀髪のショートがカッコよかったなあ。
煙草をすう仕草がまたカッコよかった。