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「パンラボ」 池田浩明 橋本宣之(かいじゅう屋店主)協力 渡邉政子監修
(白夜書房)


これも、上野の「のもの」にあった本でした。

一冊しかなかったし、すでに読み込まれたような雰囲気があったので

見本ですか?と聞いたら売り物でした。
読み込まれたようなたたずまいはそういう造本だったのだと手に取って分かりました。







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中もカラー写真はほとんどなく、モノクロで活字がぎっしりつまっていて、

そのつまり方もモノクロの写真も、なんておいしそう!と思える人だけが
読めばいいじゃ、という無愛想さもたまらん。

東北っぽい。


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フランスパン(バゲット)、カンパーニュ、葡萄パン、あんぱん、
などなど基本的なパンについて、いろんなお店のパンをカットし、

食べ比べ、語り合う。

かいじゅう屋さんにずっと行ってみたくて、ネットで検索した時に
「パンラボブログ」と出会いました。

息子のおかげで、「のもの」に入って、この最後の一冊だった
本を発見し、買うことができました。

すごくうれしい。

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そして、この「境界上のパン屋」の項の、「某パン店」、「伊藤パン」、

私、このパン屋さん知ってます!”!


知っているというか、東京に美術展めぐりをしに出かけるときは、
隅田川沿いを朝ランするのですが、

その朝ランの時通りかかるときに、
このお店を見かけるのですよ。

つげ義春先生に描いてほしい…ってそれもわかる!




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この本が出版されたのは2012年2月。
白夜書房の「パニック7ゴールド」という漫画誌に連載されていたものにj
大幅な加筆修正を加えたとありました。
たぶん、タイトル的に白夜書房的にパチンコ雑誌じゃないかと思われます。

連載は2008年から2012年。


震災のあとにパンを配ったパン屋さん15店の記事がありました。

南相馬市へ東京のパン屋さん(いずれも有名なパン屋さん、志のあるパンをつくる
お店ばかりです)のパンをライトバンに積んで。

あの田中康夫さんが登場したのが意外な気がしましたが、人工股関節の手術のために
入院していたのに、矢も楯もたまらず抜け出して支援に向かったというエピソードを知りました。

ついこないだ、ふっと、「なんとなく、クリスタル」を読み返したばかりだったので、
そこから田中康夫さんが政治家になった経緯を知ったので、なにか不思議な気がしました。

大手スクラッチベーカリーにもパンの協力を打診したそうですが、大きなところはなにかあった時に困るから、と丁寧に断られ、小さな個人経営のお店への声掛けとなり、避難していた290名の方にパンをたべてもらうことができたそうです。

震災から3年になりますが、

復興はまだまだだという話を聞くことがあります。

復興や先のこともそうですが、あの時にあったことを忘れないで伝えてほしいし、それに耳を傾けなければと思いました。


パンがすきだから、という気持ちで手を伸ばした本でしたが、

内陸にいても不安で暗い日々で、パンを焼いて職場にもっていって喜ばれたことなども思い出しました。当時30kgだった息子はいま44kg(成長しすぎやで!)でもう荷台に載せて坂を上るなんて到底無理ですが、

あの時はよくやったなあと思い出したり、

自転車屋さんがほんとうに奮闘なさっていて、朝から夜遅くまでずっとお客さんがつめかけていたなあとか、

パンが呼び水になって震災当時のことを思い出した私でした。


モノクロ写真?とお思いになるかもしれませんが、読みごたえのあるいい本ですよ~。
パンがすきなひとにはたまらん一冊だと思われます。

ではでは♪