妊娠3ヶ月に入ったころ、突然、電車に酔うようになった。

朝の通勤はいいとして、帰りは5分も乗っていると
胃がむかむかしてきて、気持ち悪くなる。
空腹の時には、特に酔うので、
会社帰りに何か食べるのが習慣となった。

とはいえ、油っぽいものは食べる気がせず、
かといって酸っぱいものが食べたいわけでもなく、
じゃ、何が食べたいのか、というと

①スープ
 駅に「スープストックトーキョー」があって本当によかった。
 ものすごい勢いでスタンプが貯まっていった。

Soup Stock Tokyo 詰め合わせ


②トマト
 さっぱりしていて、おいしい。
 スープやパスタ、サラダ、とにかくトマト味のものばかり食べていた。

この2つは以前から好きだったので、自分でも納得できた。

しかし、なぜか

③食パン!
 自分でも不思議なくらい、食パンがおいしくてしょうがなかった。
 特にチーズをのせた食パンは、
 「この世にこんなおいしいものがあったとは!!」
 という感動すら覚えた。
 今まで、特に食べたいとも思っていなかったのだけど、
 もうおいしくて、おいしくて。
 春のヤマザキパン祭りよりもお祭り状態を迎えていた。
 



帰りの電車で酔うので、夕飯はほとんど作れず、
ダンナさんが帰ってくるころにはぐったり横になっていることが多かった。
で、空腹になると食パンが食べたくなる。
夜中にコンビニで買ってきてもらったことも……。

そんなこんなつわりだったが、
4ヶ月に入るころ、
乗り物酔いはぴたりと止んだ。

そして、食パンへの執着もすっかり消えた。
祭りは終わり、この世にはたくさんおいしいものがあることを思い出した。
現在では、なんでなんであんなに食パンがおいしかったのか、
思い出すことすらできない。