ドンペリとナマエに息を飲んだ青森屋も温泉で一気に株上昇、その勢いで夕飯バイキング。

これがまた名産馬肉をふんだんに使った桜汁を皮切りに丁寧に調理された逸品が並ぶ。

「バイキングはお行儀悪くなっちゃうから苦手なのよね～」
「太るのやだから美味しい物をちょっとだけにし～よぉ。」

などと浴衣の袖口つまんで言っていた私達も

「絶品!! やっぱお代わりだわっ。デザートは別腹、もう一回りよねっ。」

と、美味しい!と言ってはお代わり、名残惜しい!と言ってはもう一口で結局、身体が曲がらなくなるほど満足ならぬ満タンに喫した。(喫してしまった・・・)

リゾートと名の付くホテルはこれだけでは終わらない。

お夕飯も一段落する午後８時半、いよいよお楽しみイベントの始まり。

青森→ねぶた→津軽→三味線ということで
ねぶた太鼓、スコップ三味線、津軽三味線、じょんがら節のステージ!!

そして、その頭二つのステージを飾るのはイケメン、イケガールの皆さんだった。

なるほど、人間も多角経営、さすが星野リゾート、と感心しながら手拍子していたら、よくあるスコップ三味線体験タ～イムがやってきた♪

そして、一番前に陣取っていたＡさんにも白羽の矢が当たりＡさんは頭を掻きながら舞台へ。

まっ、うちのＡさん、中学時代は(ジェットビートルズ)というコピーバンドでドラムを叩き

大学時代は(キョンバンド)でブルーグラスを掻き鳴らしていた強者!？

見てろよ～～～～～～!!
と期待満々に構えた私。

だったけど、上には上がいるもので、スコップ叩くだけならと、

い～い気分の浴衣姿の伯父さま方が胸元、足元の打ち合わせがはだけるも何のそのの豪奏振り!!!

どまん前のＦと私はあわや過呼吸かと思うほどお腹をよじって手拍子をした。

続く津軽三味線、じょんがら節は津軽の地に住む人達の迫るような血潮と大らかな懐が旅情を掻き立てた。

さて、大盛り上がりでイベントが終わると私達は隣にあった卓球台にまっしぐら!!

親子で温泉卓球なんて初めてだったけれど、Ａさんの順調な副作用からの回復を家族皆で味わいながら白球を打ち合った。

途中、Ｆが卓球台の傍にあったクラフープをスポンとかぶり回し始めた。

笑っているのか、叫んでいるのか分からないような声をたてながら、Ｆは社会人１年目の辛い毎日を振り飛ばすように浴衣の帯を揺らしていた。

こうして、雪国旅行第一日目は盛り沢山の感激で幕を閉じたのである。

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『雪国旅行 青森屋の夜』

『雪国旅行　青森屋の夜』