ご無沙汰しております。2023年が丸々抜けていますが、この後まとめておくつもりです。


2024年ももう5月も末。

『ロミオ&ジュリエット』2024年5月23日ソワレの覚書を書き連ねます。相変わらず原則Twitterのコピペなので悪しからず。





まず、5年ぶりのロミジュリでした! 2021年版はコロナ禍だったこともあり、古川ロミオロスもあり、結局見に行かなかったんですよね。


今回はもちろん2推しくんこと岡宮来夢くんが目当てでした。中1からの仲良しの友人がぜひくるむくんを見てみたいと言ってくれたので、念願叶って一緒に観劇しました!


「くるロミオめちゃまっすぐだー!!!!」


こちらはが幕間の感想笑 幕間はずっと過去のロミジュリと比べてどう感じるかという話に夢中でした。若手からベテランまで、役への多様なアプローチが見られるのもこの作品の魅力の一つですよね。楽しい。


以下は終演後の感想まとめです😊


◯作品全体・演出について(+キャピュレット卿・モンタギュー夫人)


2021を見ていないから分からないけれど、少なくとも2019までと比べて楽曲が軽めでポップな印象が残るようにアレンジされていた気がする。「俺はティボルト」も気持ち早めになっていたかな。キャストの役作りや声質に合わせているのかも。ひろくんと大ちゃんのティボの時はもっと重厚な感じだったから。


「どうやって伝えよう」背景の写真はInstagram風ではなく、モンタギュー3人組はイェーイ✌️って感じの写真だったけど、枠が金色で縦長だった。とりあえずTikTokとかBeReal.とかじゃなくて安心した😭 キャピュレット卿の歌の背景も大概だけど笑 あと神父様がユーチューバーになってなくてよかった😭


アップデートされたお衣裳だけど、モンタギュー3人組の丈感が割と似ててかわいかった。お揃い感。一長一短はあり、特に岡宮・石川・笹森の時は髪型もやや似てるせいで、オペラグラス使わないと誰が誰だかやや紛れる感はある。長めの丈のジャケット着てるかっこいい男の子たちなんて眼福でしかないが。


2017・2019のロミオのロングコートの背中に刺繍されたドラゴン型のモンタギューの頭文字「M」の刺繍が好きすぎて、今回はモンタギューを背負ってないのか……とちょっと寂しくなったけど、どうしても目に入る左の前身頃裾のドラゴンの紋章も厨二感がちょっとあり青さの象徴でこれまた味わい深い。小学生のときの男の子向けの裁縫箱のデザインを思わせる笑



◯来夢くん演じるロミオについて


基本古川ロミオヲタクなので比べていますが、「イミテーション・ゴールド」なんかではなく、ロミオという役柄の色々な解釈の仕方、演じ方があることに驚き、一つ一つを新鮮に味わっているだけなので、悪しからず。いやぁ、くるロミオは、悲しみと絶望と死との親和性で魅せる古川ロミオとは何もかもが異なるアプローチで、個人的にかなり見応えがある。


くるむくんは良くも悪くも器用だから「上手いな」で終わらないといいなって勝手に失礼な考えしてたんだけど、2幕が特に良くて、なんなら私が個人的に思い入れの深い「憎しみ〜エメ」が良くて思わず目を見開いちゃった。くるロミオは絶望というより自分を軽蔑して怒る感じだったと思う。がなりが良い!


「憎しみ〜エメ」の「二人の魂だけーは 引ーきー裂ーけーないー」、2017年からの古川ロミオと同じくぎゅっと掴んだ手をぱっと離して瞠目するという振り付けで嬉しかったなぁ。古川ロミオは弱い焔がついに消えてしまったような表情だったけど、くるロミオは終わりに本当に気づいたような表情だった。


それにしても2幕のくるロミオ良かった。死の影に怯えるロミオが私の予想外にしっくりきて好きが増してしもうた。元々歌声も少し青色っぽい陰な響きがあるんだなと気づかされ。この感じでいけるならもう少し磨いてエリザのルドルフやってほしい。今までルドルフはないかなと思ってたけど、覆されたわ。


くるロミオ、1幕でバラをジュリエットから受け取った後、絶対そのままチューするつもりなんだろなって雰囲気で待ってたのと、2幕の初夜後一旦行こうとするけど戻ってきてキスするシーンがちょっとバタついてたのとが、青くて可愛かった……。全体的に色っぽいときめき感は抑えめ。


まだジュリエットとのデュエットに一体感が足りないところが惜しいように感じた。吉柳ちゃんとの発声の違いのせいだけではなさそう。今は両者がそれぞれで思いっきりのびのび歌っているのは凄くいいんだけど、音は合ってるはずなのにぶつかり合う感じになっていて、バトル感強め。個人的にはもうちょっと溶け合う感じがほしいかも。今後どう深まるかな☺️


1幕バルコニーでジュリエットからバラを受け取り、もういっちゃうの?と思ったら、まさかの戻ってきてキスして「おやすみ…」の演出が空きすぎて2017・2019と悶えてきた過去のR&J亡霊でごめんって感じだけど。でもあのシーンは心の底からときめきたい。ロミオ……お前そういうことしちゃうんだ⁉︎って。


友人も言ってたけどロミオはキザな素振りに滲む色気が結構ポイントな気がしてる。真っ直ぐでピュアで良いやつだけど、やっぱりヴェローナ中の女の子を夢中にさせるのは、そういうときめき大魔神なところがあるゆえだと思うんだよね笑 ただのいい子ちゃんではなくって、そういう小憎たらしいとこある。


始まったばっかりだからWの組み合わせも色々経験する中でまた見え方に変化が起こりそうね。それにしても最近の2.5次元ミュージカルの人気俳優たちは基本シングルで演じるから、グラミュのダブルキャスト制だとお芝居の感覚かなり違ってくるんだろうな。2.5は役としてブレないことが求められがちだけど、R&Jはそこまで縛りはないから自分ならどうするか、ここでどう心が動くかが一番大事よね🥹


くるロミオはバルコニーのシーンが割と冷静で、恋した相手は敵のキャピュレットのお嬢さんなんだっていう現実を重く受け止めてる。座り込んで悩む姿も見せる。古川ロミオは2017から「その名はロミオ」と聞いて「うわーい!ジュリエットも僕が好き!?よっしゃー!😆」って感じだったから違いが楽しい。


今まではロミベンがペアで、モンタギューの血を持たないコンプレックスを抱えたマキュを足して3人組のイメージだったけど、今日の岡宮・石川・笹森ではベンマキュが超ニコイチで、ロミオの異質性が際立ってた。


ところで、そもそもの話だけど、ロミオはベンヴォーリオのこともマーキューシオのこともどっちも親友だと思ってるけど、マキュはモンタギューの血が流れておらず、大公の甥で本来両家の争いに入り込める立場でないことにコンプレックスがあり、だからキャピュレットに率先して喧嘩をふっかけるという姿があまりに痛々しくて大好きなんだよな。


舞踏会前のくるロミオの「僕はそういう遊びはやらない」で急ににこにこヘラヘラをスンッとなくすの、凄くよかった。親友にもダメなものはダメって言えるしっかり者で、流されない頑固さがある。真っ直ぐさとお育ちの良さがあまりにもピッタリはまって凄く説得力がありとってもよい👏ロミオの人望の厚さを感じた。


モンタギュー3人組でも唯一浮かれポンチじゃなくて特別感があり、仮面舞踏会前「お前たちが暴走しないように見張ってる」のセリフも、争いごとが嫌いだから、笑ってはいるものの心の奥では本気だという感じが滲む、くるロミオ。真面目で優しいお坊ちゃんゆえに現実を見据え、いつかの終わりを恐れる。


くるロミオは、ほんとに彼だったら、彼とジュリエットだったら、両家の争いを平和的に解決する方法を見つけられたんじゃないかと思われて、切なく、苦しい。理論派で現実的な平和主義者の彼だったら。「死の影」も感覚的な理解というより、争いを続ける限り犠牲や分裂の可能性があると理解していそう。


くるロミオは『愛ゆえに』の「お願いです 今夜二人に神の祝福授けてください モンタギューとキャピュレットの争いに 終止符を打つ」も強く印象に残る。あそこまで本気で争いに終止符を打たんという真っ直ぐな強い思いが伝わってきたロミオは初めて見たかもと思った5/23夜。


「僕は怖い」は、古川ロミオはまさに迫りくる死の影を天性の勘により漠然と感じ取って恐れているように見えた一方で、今日のくるロミオは自分と仲間たちとの絆は永遠だと信じつつも、生きている限りいつかその終わりが来ることを悟ってもいて、その終わりの時を恐れているように見えた。


古川ロミオは「死」という概念が見えてしまうロミオで、くるロミオは「死」そのものは見えていないものの、仲間たちとの絆に綻びが生じるその時に「死」という概念の存在を見るロミオという感じがします、個人的に🥰 なるほどね、ロミオの演じ方も千差万別なんだなぁー!


くるロミオのかわいいポイントは、新陳代謝の良さですね……。物凄く汗かいててちょっと心配になるくらいだった笑 ひばりのシーンであんなに汗かいてるロミオ初めて見たよ。


くるむくんのロミオの何がいいって、あの温かさと甘さをもつ低く響く歌声。変に圧があるわけでも、ギザギザするわけでもない、なんとも絶妙な加減に甘い傷を残すやや掠れた声と、丁寧でふわっと周りを包み込んで昇っていく甘い響き。それと憎しみ〜エメの咆哮のようなフェイクとのギャップが堪らない😍


くるむくん、前にニコ生で「僕の声、よく眠くなる声って言われるんですよ」って言って笑ってたけど、あの甘く優しく響く低音はうっとりしちゃう。プログラムでもジュリエット二人に絶賛されていた声、次もしっかり聴きたいな。今はまだ決まったことを丁寧にという感じがあるけど、今後どう深まるかな。



◯吉柳咲良ちゃん演じるジュリエットについて


吉柳ちゃんのジュリエットは、今までにないハスキーで低めのお声のジュリエットになるのかなと楽しみにしてたんだけど、見たら超絶可愛い乙女でびっくりしちゃった。いくちゃんジュリエットを思わせる、可憐さと意志の強さのコントラスト。


でもなんかもっとできそう。激情を秘めていそうな俳優さんね。うーん、2024年版の作品全体に漂うさっぱり感で千穐楽まで進むなら分からないけれど、周りの演じ方が変わったらさらに本領発揮しそうだなって思うのが吉柳ちゃん。彼女の本領を見たいな。一口に濃いのがいいとも言えないけど、人の命を奪ったり奪われたり自ら死を選んだりする物語がさっぱり描けるはずはないと思うから。


吉柳ちゃんって凄くスキルフルでバランス感覚も持っていて器用な方なんだろうなっていう印象だから、今後周りのブラッシュアップに伴ってどう進化していくか凄く楽しみ。彼女がもっと好きに演じたらどういう感じになるのかな。基本的に可憐な少女なんだけど、ため息とかに素が垣間見えた気がするから🥰



◯凌雅くん演じるベンヴォーリオ・笹森くん演じるマーキューシオについて


りょがベン&ささマキュの二人は、乳母と話すからとバイバイ👋するロミオの前から立ち去る動きもニコイチだし、ただでさえメイクしたお顔の系統や髪型が似ているってのにペア感強くて可愛い。


りょがベン、今までのベンヴォで一番頭悪そうなのに、終盤にかけて一番悟っていくのとの落差が苦しくていい。りょがベンはそういうところが系統としては割と矢崎ベンに似てるかもしれない。「どうやって伝えよう」も背景に負けず全く違和感なく聞けて凄くよかった👏 


ロミオに撒かれてしまったりょがベン、人差し指の先を咥えて風の向きを調べ、「こっちかぁー😁」って見当違いの方向に走っていくのが抜けてて可愛すぎて、笑いが起きてた☺️ ちょっとおバカちゃんっぽいのが微笑ましいりょがベンだけど、他の方のレポ読む限り、ここの探す方法日替わりにしてるね?


ささマキュは2幕のティボとの決闘シーンの歌声がドスが効いててよかったなぁ👏 1幕の舞踏会シーンは動きが「笹森」って感じ強くて微笑ましい。仮面舞踏会のシーンでわざとなのかもしれないけれど、身体を小さく左右に振りながらちょこちょこ歩いてみたり、急にスーンって顔してスタスタ無で歩いてみたり、笹森くんの素っぽい感じがそのまんま落とし込まれているよね。スラッとして目立つから、その奇妙な動きされるとつい見ちゃう。



◯もっくんくん演じるティボルトについて


2024のR&J My初日だからまだ分からないけれど、今回全体的にお芝居がさっぱりしてる気がする。2021もこんな感じだったのかな。2019とかはもっと夫人とティボの絡みが濃厚で、ティボがもっと色っぽくイキってる感じで、歳の差はあれど対等に見えたけど、もつティボは純で意外なほどに幼い印象だった!


もっくんの生来の優しさがそう見せるのかな。でも他の方のツイートでも読んだ気がするけど、夫人とティボの見せ方ちょっと変わったように思う。愛人関係というよりは夫人が愛玩してる感じ?でティボも甘えてる印象。夫人からティボへの依存度が軽くなった感じかな。いずれにせよティボは可哀想だけど。


正直なところちょっとだけ物足りなさがあったのは、精神年齢が幼くなったことと、色気が抑えめなこととが、個人的な好みと異なるせいかも。



◯吉沢梨絵さん演じる乳母について


吉沢梨絵さんをベスぶりに見られたのもすっごく嬉しかったんだけど、乳母、可愛かったぁ♥️あったかくてチャーミングで!チャーミングさは今までで一番かも。オバチャンっていうより妖精?フェアリーゴッドマザー?っぽい感じ。英佑さんのロレンス神父様とのデュエットがもう声の相性抜群で最高でした。


乳母がロミオを訪ねてきたシーンでは、ジュリエットとの結婚の意志を確認した後、乳母が突進するのを咄嗟に支えたくるロミオに「見かけによらず、逞しいのねぇ〜!」って言ってた。キャストによって変わってきたここのセリフも、あんまりキャストの容姿に合わせて言うのをやめたのかもなと思った。


乳母のロミオ弄りはそれほど露骨ではなくなったけど、バルコニーでのロミオのパリス伯爵への悪口は「あのヒョロヒョロののっぽが!?」っていう相変わらずの容姿弄りではあったか。まああそこは悪口言わなくちゃどうにもならないからあのままでいいと思うけどね😉



◯岡田浩暉さん演じるキャピュレット卿・ユン・フィスさん演じるモンタギュー夫人について


これまで見てきたR&Jの違いを大きく感じたのは、キャピュレット卿の役作りとモンタギュー夫人の歌声の響き。いい意外性があった。


岡田さんのキャピュレット卿は、どちらかというとモンタギュー卿やロレンス神父様のような温かさと人の良さを感じる。だから1幕のパリスへの媚びが印象強くて良かった。


これまでR&Jにおける二人の夫人の対比は、母親である前に女であることを重視するキャピュレット夫人と、良妻賢母のモンタギュー夫人というものだと思っていたけれど、ユンさんのモンタギュー夫人は前時代的なママではなく、現代的な進んだ価値観を持ち、人としての正しさを説くような強さがあるかも。


2024のモンタギュー夫人はこれまでのイメージとまた違うパワー感というかソウルフルな感じがあって震えた。こういうアプローチもあるのかと。これまでの正統派なやや過保護でやや神経質な真面目ママも好きだったんだけど、2024はもっと豪放磊落な感じが覗くさっぱりしたロミオママ。人情味というのか。


2024のユン・フィスさんのモンタギュー夫人は、男に振り回されながらも利用し、でも依存せずにいられない女性キャピュレット夫人とは綺麗に対照関係にあって、男とか女とかは関係なく争いがいかに無価値かを素直に訴えるような中庸感がある。あのママあって、くるロミオあり。そう感じた。


セリフも歌詞も変わっていないはずなのに、不思議よね。私自身の価値観が変わって、私がそう思いたいっていうのもあるかもしれない。ユンさんのモンタギュー夫人は、『虎に翼』の梅子さんみたいな、夫の考えは変えられないけど息子の価値観は歪まないよう守りたいみたいな、そういうスタンスに見えた。



次は6/8ソワレです!

くるむくんがロミオの死をべしょべしょな鳴き声で歌っていたという噂も聞き、彼自身の進化と深まりが楽しみです♥️ くるむくん、このロミジュリを経て確実に化けるだろうなって確信した。くるむくんは真面目ゆえに、決まりごとだけでなく、一度決めたら演技プランも守って崩さない人かなぁって思ってたんだけど、今回はWキャストの入れ替わりも助けとなり、演じながらいっぱい心が動いてそうだ。凄くいいと思う。古川ロミオがロミオの死で泣きまくってるの大好きだったから、くるロミオ、楽しみです……‼︎