後頭部をいきなり ガツンッとやられるような感覚。 「やっぱり”あの”うわさは本当だったんだ…」と、悲しくて悲しくて仕方がないのに
、なぜか心の奥底からは、”事実が分からないもどかしさがようやく晴れたことによる安堵感”がふつふつと…。 これが、今朝ネットで「川越美和さん訃報」の記事を目にした私の偽らざる心の動きです。こういうのを”アンビバレンツ”って呼ぶのでしょうね。
デビュー曲「Looking at You」のジャケット(モノクロバージョン)
記事によれば、川越美和さんは、もう10年近くも前に都内で孤独死を遂げていた(享年35歳)とのこと。
実は私は、ちょうど5年前の今日(何たる偶然!)アップしたブログ記事の中で、大学生だった頃に川越美和さんのファンだったことに触れています。でも、あの記事を出した時点で、彼女はすでにこの世に存在していなかったワケで、つくづく自分の不明(無知)が情けなく腹立たしいです
(そしてさらに、記事の軽薄っぷりが私の”むかつき”に輪をかける…自分の馬鹿馬鹿馬鹿っ!!!
)。
で、その”罪滅ぼし”として今の私に何ができるか考えると、彼女が残した楽曲の中から、特にお気に入りの作品を多くの方に紹介するのが、やはり一番の供養になるのではないかと思うのです(というか、それ以外にできそうなことがない…)。
というわけで、現在、私のWalkmanで、かなりヘビーローテーションで再生される作品を何曲か簡単なコメントと共にご紹介したいと思います。
まずはシングルから2曲どうぞ。
「天使とYu-waku」
(作詞:森雪之丞、作曲:安藤高弘、編曲:鷺巣詩郎)
[1989.2.22発売; オリコン最高位55位; 売り上げ枚数1.1万枚]
おニャン子クラブが”女性アイドル”の定義をすっかり書き換えてしまい、アイドル歌謡がどんどん衰退する時期にあって、彼女は正当派アイドル路線を踏襲する一派として、多くの佳曲をリリースしてくれました。
この2作目シングル「天使とYu-waku」もその一つで、世の”軽チャ~路線”とは明らかに対極に位置する重厚なサウンドが嬉しいです。 そして最高にイイのがサビメロ! Aメロ、Bメロとマイナーコードで押し通す中で、サビメロに一瞬現れるメジャーコードがこの曲の魅力をグンとアップさせているんですよね
あと、♪ どうして 腕の力を抜くの? 野蛮なキスをして 夜明けにさらっていいのに…
♪ 2人で 夜ばかり過ごしたい…
あたりの歌詞には、ちょっぴりドッキリさせられたりなんかして。
「女神の瞳 ~Little Lullaby~」
(作詞:森浩美、作曲:都志見隆、編曲:新川博)
[1989.7.5発売; オリコン最高位30位; 売り上げ枚数1.5万枚]
川越美和というのは不思議な女の子で、基本的には後藤久美子あたり近い系統にある美少女なんだけれど、単にそれだけでは表現しきれない魅力を持ったコでしたね。テレビ番組やイベントなどでも、芸能人にありがちな”出しゃばる”感じが全然なくって、好感度大!なのでありました。この「女神の瞳」では、さらに母性とか包容力のようなものが伝わってきて、ますますファンになりましたもんねぇ(遠い目)。
楽曲の良さは、聴いてもらえれば明らかでしょう。切なく響くイントロ、やや過剰気味なくらいにドラマティックなメロディ展開、目まぐるしく展開しまくるアレンジ…と、どれをとっても一切手抜きナシの一級品なのです!
マイナー調の2作品が続いたところで、ホッとする作品を一つどうぞ~。
「風のような気持ち」
(作詞:森浩美、作曲:KOBEKOBE、編曲:安藤高弘)
[1990.3.21発売; オリコン最高位69位; 売り上げ枚数0.6万枚]
「風のような気持ち」は、5作目シングル「ココロの鍵」と両A面扱いだった作品で、女性アイドルっぽい雰囲気が良く現れた佳曲でしたね~。サビの部分(♪ 風のように 自然なままのあなた~)が、グリコのアップルジュースのCMで割と流れていたので、聴いたことのある方も多いでしょう。
彼女はその後、「涙くんさよなら」が少しヒットしたことで、”ほのぼの路線”(?)から戻ってこなくなってしまうわけですが、個人的には、優しいアイドル路線の「風のような気持ち」や、その直後のしっとり路線「雨都物語」のような系統の作品を、もっと歌って欲しかったなぁ…と思うんですよね。
…というわけで、ラストは私が選ぶ彼女のベスト・ソング(アイドルっぽいヤツ)で締めたいと思います。タイトルから分かる通り、野球部の男の子に想いを寄せる女の子の気持ちを歌った作品です。アイドル歌謡の定番テーマの一つと言えますね。
「わたしだけのエースナンバー」
(作詞:鈴木勝視、作曲:石川Kanji、編曲:新川博)
[Best Album「MIWA Best Selection」より]
そんなこんなで、川越美和さんの作品を駆け足で紹介しながら彼女を偲ぶ記事はこの辺でおしまいとします。私はWalkmanを聴きながら通勤しているわけですが、しばらくは彼女の歌声を涙なしには聴けないだろうなぁ。時が解決してくれるのを待つのみ、ですかね…。
最後になりましたが、川越美和さん、素晴らしい作品の数々を本当にありがとう。謹んでご冥福をお祈りいたします。