【独偏ベストテン 6-1】 小室哲哉 作曲シングル作品 (ベスト20) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

歌謡曲(J-POP)のススメ

音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 第2回の独偏ベストテンで加藤和彦さんの作曲シングルを扱ったので、今回は、まったく同じ趣旨で小室哲哉を取り上げてみましょう。

 小室哲哉のことは、彼が1984年に「TM Network」としてデビューした頃から、シンセサイザーを駆使した独自の試行錯誤に面白味を感じて注目していました。しかし、私が結構売れるだろうと密かに踏んでいたデビューシングル「金曜日のライオン」と、2ndシングル「1974(16光年の訪問者)」は、いかにもコンピュータおたに支持されそうな作風が敬遠されたせいか、ともに全国的ヒットには遠く及びませんでした。彼(ら)が世間に認知されるのは、1987年にリリースした10枚目のシングル「Get Wild」が、アニメ「シティーハンター」のエンディングテーマに使用されてようやく・・・ということになります。90年代になってからの活躍ぶりは、わざわざ紹介するまでもないでしょう。

 私にとって、小室哲哉というコンポーザーは、作品の出来不出来にヒジョーに「ムラ」があっ、大向こうを唸らせるような出来映えの作品があるかと思うと、「こりゃとても受け入れられんわー」的なハズレ作品が結構高い確率で散見されるという、ちょっと困ったタイプという位置づけですね。私見では、歌謡ポップスのコンポーザーには大きく2種類あって、筒美京平馬飼野康二のように、歌い手に合わせて柔軟自在にメロディを紡いでくるタイプと、吉田拓郎小森田実伊秩弘将桑田佳祐のように、いわゆる「俺節」で歌い手を染め上げるタイプに分かれます。小室哲哉はまさしく後者の代表的なコンポーザーであって、比較的短めのサビメロディーを、これでもかこれでもかと重ねてくる点に特徴があると言えましょう。

 そして彼の場合、とにかく作品の数が膨大です。そこで、1アーティスト1作品という変則形式で選んでみたら、それでもベスト10じゃ足りない・・・。そんなこんなで、今回はベスト20にしてみました。 

1.海とあなたの物語(未来玲可)(1998.11.4発売)【オススメ度★★★★★】
2.WOW WAR TONIGHT(H JUNGLE with t)(1995.3.15発売)【オススメ度★★★★】
3.Lady Generation(篠原涼子)(1995.8.2発売)【オススメ度★★★★】 
4.I BELIEVE(華原朋美)(1995.10.11発売)【オススメ度★★★★】
5.Kiss You ~世界は宇宙と恋におちる~(TM NETWORK)(1987.10.1発売
【オススメ度★★★】
6.Let's Play Winter(hitomi)(1994.11.21発売
【オススメ度★★★】
7.My Revolution(渡辺美里)(1986.1.12発売
【オススメ度★★★★】
8.50/50 (中山美穂)(1987.7.7発売
【オススメ度★★★★】
9.How to be a Girl(安室奈美恵)(1997.5.21発売
【オススメ度★★★】
10.alone in my room(鈴木あみ)(1998.9.17発売
【オススメ度★★】
11.Feel Like dance(globe)(1995.8.9発売
【オススメ度★★★】
12.ダイヤモンドは傷つかない(東京パフォーマンスドール)(1993.11.10発売
【オススメ度★★★】
13.EZ DO DANCE(trf)(1993.6.21発売
【オススメ度★★★】
14.ふわふわふるる(tohko)(1998.7.15発売
【オススメ度★★】
15.恋をするたびに 傷つきやすく…(翠玲)(1995.7.19発売
【オススメ度★】 
16.oh-darling(convertible)(1998.7.8発売)[ヴォーカル:観月ありさ]
【オススメ度★★】
17.Girls, be ambitious !(TRUE KiSS DESTiNATiON)(1999.5.12発売
【オススメ度★】
18.Only You(内田有紀)(1995.4.21発売
【オススメ度★★】
19.Process(Ring)(1998.4.23発売
【オススメ度★】
20.Good Morning-Call(小泉今日子)(1988.3.9発売
【オススメ度★★】

 堂々の1位は、新星の如く現れた未来玲可のデビュー曲。月9ドラマの「じんべえ」の主題歌となったので、ご記憶の方も多いでしょう。
キャッチーなサビがやけに頭にこびりつくミディアムテンポの超名曲です。「小室哲哉もそろそろネタ涸れか・・・」とウワサが経ち始めた時期の作品でもあり、「小室節ここに健在」をアピールする渾身の一作となりました。



 2位は、浜ちゃんのデビュー曲にしてダブルミリオンを達成したおなじみのナンバー。小室哲哉が東京パフォーマンスドールに提供した
Sanctuary ~淋しいだけじゃない~」(アルバム「SEVEN ON SEVEN」収録)と、サビの部分のコード進行が同一、メロディーもほぼ一緒という曰く付きの作品です。ま、要するに、小室さんの「使い回し」ってヤツです(作品発表時期は、浜ちゃんの方があと)。私はどちらも好きですけどねー 両方とも動画をアップしておきますので、聞き比べてみて下さい。なかなか笑えますよ




 3位は、小室哲哉が篠原涼子に提供した3部作のラスト。篠原を一気にスターダムに押し上げた大ヒット曲「恋しさと せつなさと 心強さと」の印象がどうしても強いですし、セールス的にも3作の中では一番売れませんでしたが、
実は小室ワールドが一番素直に出ている名曲だと思います。



 さて、もしかすると、「あれ、松田聖子、中森明菜、宮沢りえなんかに提供した歌が上位に入っていないじゃん?」と気がついた鋭い人がいるかも知れませんが、別に間違いではありません。また、沢口靖子の迷歌唱が話題になった「FOLLOW ME」や、彼がまだ無名な頃に某マイナー女性ヴォーカルに提供した曲(や~、歳のせいか、題名とアーティスト名が思い出せない・・・)なんかもありますが、その辺もすべて圏外ということです。あしからず・・・。

 それにしても、改めて見ると、上位にランクした作品の年代が見事に1995~1998年辺りに偏ってます。やはりその辺の時期が「小室哲哉の最盛期」ということになるのかも知れませんね。