医療法務専門行政書士の日々を綴ります

医療法務専門行政書士の日々を綴ります

38年間の医療機器メーカーの勤務経験とクリニック経営士として、クリニックの院長先生が診療に集中できるように、スタッフさん連携、お金周り、法的手続きを通じて支援していきます!

大変時間が空いてしまってますが、いよいよクリニック経営士1級講座が開講しました。

ということで受講した講義について、備忘録のその⑬です。

 

クリニック経営士とはなんぞや?はこちらで↓

 

 

では記念すべき1級講座のトップバッターは医療法務の総本山で、われら医療法務特化行政書士の師匠中の師匠、日本医療法務学会会長の岸部宏一先生。

 

 

いやいや、あっというまの4時間講義でした。一方的な講義ではなく課題に対してディスカッション中心です。

テーマは「クリニック本質論と出口戦略」

1.クリニックの本質論

前提として、クリニックを開業するってどういうこと?

この問いに対して参加者からいろいろな意見が出されました。自分にはない視点でのコメントがとても興味深くそれだけでも参加の価値ありです。

端的にいえば、給料もらう人から払う人になるということ。

課題ディスカッションのあとは法的区分の建付けだけでなく岸部先生独自視点の本質論についての講義を拝聴。

①医療機関の種別と機能分化

一般診療所とひとくくりに語られがちですが、かかりつけ医だったり専門外来・在宅・オンライン・健診、そして自費診療のように複数の機能があって、単体ではなくいくつかの機能を併せ持つのが通常になっています。いずれも患者さんに何を提供するのか、どこで提供するのかによって位置づけがされると感じました。

令和4年4月1日からは紹介受診重点医療機関の明確化地域の外来機能の明確化・連携促進を目的に外来機能報告制度が導入され(病院・有床診は義務化、無床診は任意)ています。その状況は下記リンクでにて確認できます。

 

 

②経営(意思決定)の手法

医師は管理者として医院を運営しながら経営することに大きな負荷がかかります。経営とは決定すること。ではその決定の手法を公式と非公式に分けて説明があり、公式は医療法人での機関と合意形成手段、そ他の法人などが代表的。

それに対して非公式な意思決定手段とはなんでしょう?これまだぎりぎり許された形式での手段かもです。でも書けません(笑)

3つ目のダークサイドによる意思決定はもっと書けません(汗)

 

医療って良くも悪くも注目されやすく、安易な考えで参入しようと考え、現実それが可能なのが悩ましく何れ規制がかかるのは目に見えています。ちゃんとしているところが煽りを食ってしまうのは何とか阻止できないものかとこれまた悩ましい課題だと感じます。

 

2.クリニックの出口戦略

以前、医業承継士協会や医業経営研鑽会で聴講したことがありましたが、間違いなくこれから大きな課題としてのしかかってくると思います。ご高齢の院長先生が世間一般のように加齢に伴っての認知症有病率が違うはずはなく同じような確率で発症の可能性があります。すでのその症状を呈している事案もあるそうです。すなわち世間と同じように、先生も高齢化し、認知症やがん、寝たきり状態になりうるということです。そのことを前提として出口のあれこれをとして、管理者が引退する際の手立てを17に分類しそれぞれの対処の考え方と手法を提示されました。大事なことは「ふわっとしたの禁止」①から⑰のどれか明確な結論に向けてどうするかを決めることとされました。

具体的な手続きは、とても詳細な説明がありまだまだ不勉強な領域でめちゃめちゃ参考になりました。詳細はこちらで!

 

 

岸部先生から、しくじり事例の共有があり、「お願いしたい意思決定の内容」として

①親族間後継者あり

②第三者承継・解散

の説明と実際にあった笑えない持分の勘違い事案紹介と、承継を機会に安直に医療法人化を選択するケースもありますが医療法人化の意味と意義を理解したうえで決定すべきと主張されます。

 

最後に、ふわっとしたの禁止!①から⑰の中で明確かつ具体的な方針決める!話し合いすると決まらない、決めたことは変えない、などを守ること。そして長年地域医療に貢献された院長先生の終了がHappyに終われるようなんとかお支えしましょう!とのメッセージを締めとして4時間の講義終了となりました。

改めて岸部先生の長年のご経験の蓄積に触れ引き出しの多さに感嘆し改めて自分の業務に生かす決意した次第です。

 

長時間の講義本当にありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します。

 

今回もお読みいただきありがとうございます。