2年前に買った赤いスイフトの運転席で
煙草に火をつけ 吐き出す煙を見つめていた
半年前 6年続けたOLを辞め
メールの代筆を始めた
始まりは ただの思い付きだった
気になる誰かを食事に誘いたいのに どんな言葉を紡いだらいいのか分からない
想いが言葉にならないもどかしさ
そんな誰かの背中を押してあげたい
「あなたのメール代筆します」
登録料500円
1通のメールにつき300円
現在の登録数 512名
正直 こんなに数行のメールに迷う人がいるとは思っていなかった
たった数行 されど数行
今日もまた数人の登録者からメールが届いていた
2007/11/15 18:43
沈丁花さん こんばんは![]()
昨日のメール 彼女に送ってみました
そしたらさっき返信が来て・・・
なんと
話をする気持ちになってくれたみたいです
これから彼女の家に行って来ます![]()
許してくれるか分からないけど
頑張って気持ち伝えてみます![]()
そっかあ~ 良かったね 頑張っておいで
キーを回してエンジンをかけながら 煙草を消した
夕方から振り出した雨が アスファルトに溜まった熱気を冷まし
深夜の街を優しく包んでいた
この街の何処かにも私のメールを待っている人がいるのかもしれない
助手席に置いた携帯が新しいメールを受信したことを知らせている
とりあえず今日は家に帰ろう
助手席を横目に アクセルを踏んだ