数日前、元乃木坂46に所属していたアイドルの女性のスキャンダル報道が飛び出し、ネットでは阿鼻叫喚の大騒動が繰り広げられていたが、27日になり、名指しされた女性が乃木坂46の公式サイトを通じて声明を出し、事情を説明したことで、その取材方法から記事掲載にいたるまでの過程のお粗末さが露呈してしまった。
 日本で最も売れている週刊誌として知られ、最近ではベッキー報道や秋元グループ(AKBや乃木坂など)のスキャンダルをものにして、自らを「文春砲」と尊称する週刊文春がスクープしたのは、乃木坂46が所属する乃木坂合同会社の初代代表であり、現在、SME取締役になっている村松俊亮氏が、卒業後のメンバー橋本奈々未さんと二人で食事にいったり、ストーカー対策のため、自宅マンションまで送っていることを記事にし、『SME取締役が橋本奈々未を私物化』と、電車のつり革広告のトップに持っていくほどの力の入れようで報道したのである。
 しかしながら、その紙面には男女の仲を疑わせるような写真もなく、村松氏をインタビューを強行しても、再就職の相談にのっていたと明快に回答。実際、取材者は村松氏が橋本さんの自宅から数分で出てきたとも書いており、とてもではないが、不倫だの愛人関係だのをにおわせることもできなかったとみられる。
 SMEの取締役がわざわざ送り迎えをすることが特別扱いだという意見もあるが、3月末まで契約は残っていても、2月21日に乃木坂を卒業した橋本さんに、乃木坂のマネージャーをつけることは難しく、以前からメンバーとは顔見知りで親交のある村松氏が相談ついでに送っていくことも不自然な話ではない。
 この内容を見たファンあるいは、ネット民たちは、「裏切られた」「何が清楚だ!」と誹謗中傷をするもの、「大したことない。元上司に再就職の相談をすることになんの問題が?」「引退した人を追いかけまわすのはやめろ」と大騒ぎしたものの、あまりの内容の薄さに、盛り上がったのは一晩だけで、翌日には一部のアンチまとめサイトやTwitterなどで、粘着する人間を除いては沈静化してしまっていた。
 とはいえ、ベッキーの件や、以前同じ乃木坂でスクープを受けた松村沙友里の件のように、第二弾、第三弾で決定的な証拠がでる可能性もあるということで、まだ安心はできないと多くのファンが警戒していたところ、今回、橋本さんから、明確な否定と説明があり、さらに母親への深夜、路上でのインタビューという取材方法への非難もあり、ネットは一気に炎上している。
 それにしても、今回の文春の取材と記事は、お粗末すぎた。
 おそらくは、「不倫」が証明できなかったので、「私物化」という曖昧な表現で記事にせざるを得なかったのであろうと類推するが、一人の人格のある女性を「私物」と物扱いするような文面は、前時代的であるし、取材開始時はまだ在籍していたとはいえ、芸能界を引退している、犯罪を犯したわけでもない女性を名指し、しかも呼び捨てで掲載することも、その母親を直撃取材することも、あまりにも礼を失した態度といえるだろう。
 記者の記憶が確かならば、元々、週刊文春は秋元Gのスキャンダルを狙うことについて、「在籍メンバーの恋愛禁止への疑念」とか「握手会商法への問題提起」といった大義名分を掲げていたはずだ。
 果たして、今回はどのような社会的問題提起を掲げての記事であったのか、是非訊いてみたいと思う。