ロシアピアニズムのテクニックの概念の一つに、「もたれる」というものがあります。
これは、言葉の通り、自身がピアノにもたれかかることで、体の重さを鍵盤に伝えていくということを表しています。


今日はこの「もたれる」という概念について少し掘り下げてみます。


次の写真はM.Pletnevの演奏姿勢です。




この写真から「もたれる」という概念についてわかる大切なことは、まず肩甲骨を開いているということと、お腹の丹田に重さを乗せ、猫背で弾いているということでしょうか。

多くのピアノ教育の現場では背筋を伸ばして演奏することが望ましいとされていますが、実はこの姿勢では本当の意味で体全体の重さが鍵盤には伝わらないのです。

ロシアピアニズムではその逆で、肩甲骨を開き、丹田に重心を預けて猫背で演奏します。
これがロシアピアニズムにおける、「もたれる」という概念です。

これによって、合理的に腕全体や体全体の重みを鍵盤に伝えることができ、さらに安定感も得ることができます。

注意したいのは、ただ単純に鍵盤にもたれかかるのではなく、まずはこの2つのポイントをおさえることがとても重要です。


こちらは、D.Trifonovの演奏姿勢ですが、こちらからも同じことがうかがえます。




「もたれる」とは、言い換えると、主に以上の2つのポイントによって腕や体の重さを合理的に鍵盤へ伝える方法だと言えるでしょう。