和解した祐介と小夜子はドトールコーヒーから出てきた。

もう楽しそうだった。その瞬間、事件は起こった。

「死ねー!!」

ありえない方向から、声がした瞬間突然ナイフを持った男が現れ、祐介に襲いかかった。

店から出てきた瞬間だったため逃げる時間すらなかった。

「ダメだ!!やられる!!」

そう思った祐介。振り下ろされたナイフ。

その瞬間人がシャッターにドカンとぶつかる音。足もとに血のついたナイフ。

騒ぎを知ったドトールコーヒーの店員はすぐさま男を二人がかりで取り押さえる。

「放せ!!放せ!!」

「あいつ、まさか!!」

取り押さえられた男はよく見ると祐介が過去に知っていた男。

シャッターにぶつかり、刺された傷を押さえながら横たわる彼女の姿。小夜子だ。

「う、うぅ。」

「小夜子!!どうして!!どうしてこんな!!おい、しっかりしろ!!」

「これで、よかったんだ。ごめんなさい。今まであなたの想いに、わたしは・・・・・・気付かなかった。これは、そんなわたしの・・・・・・罪滅ぼし・・・・・・だから。」

気を失った小夜子。止まらない出血。祐介は頭の中が真っ白になり、叫ぶしかなかった。

「うぁああああああああああああ!!」

気がついた祐介は病院で寝ていた。

「ようやく気がついたのね。あなた、約一日寝てたのよ。」

医師のそんな声に、気がついた祐介と小夜子の家族。祐介が意識を取り戻したことで多くの人が集まった。警察関係、沖内、弘毅と香奈枝、加奈、そして輝義までやってきた。

「ごうちゃん、大丈夫か!!」

みんなからの心配。

「よかった!!祐介!!」

家族からの安堵。

「郷田、無事だったか!!」

沖内からの心配。祐介が落ち着いた後たけるがやってきた。

「祐介。今俺ら警察が来てるのはわけがあるんだ。事件の経緯の説明と、祐介に伝えなくてはいけないことがあるけん来てるんだ。」

話が始まった。沖内と加奈、弘毅と香奈枝、輝義も同席だ。衝撃の事実を知る祐介。

「捕まったのは祐介とかつて面識のあった音ゲーマーで最近の活躍が気に食わなかったからとのことだ。殺害未遂の動機がね。そして、祐介を苦しめたネット掲示板の書き込みも、この事件をきっかけに全て知り、摘発まで追い込んだ。この問題はメディアでも今とりあげられてる最中で、書きこんだ奴らは程度によって厳重注意、書類送検、又は偽計業務妨害や威力業務妨害などで逮捕に至ってる。今までネットに書き込んだ奴らも意味の分からないことばかり言っているし、祐介のことを生きてる価値もない奴を何で擁護するんだとか言っていた奴もいた。中には騒ぎに便乗して楽しんでた人もいたよ。実際祐介の本があれだけ大ヒットして恨んだのだろう、殺しに行くから覚悟しておけとかいった書き込みも結構あったし。」

「そして被害者であなたをかばったとされる竹内小夜子さん。意識不明の重体です。今、集中治療室で手当てを受けています。」

たけると医者からそれを知った祐介は、小夜子を見たい気持ちでいっぱいだった。


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