夜更けにフライト出航。機内では飲食物のサービスが始まる。搭乗前、軽食ながら和食をせっせと胃袋に収めていたので、メインは控えて、魚介の前菜のセットを注文。スモークサーモン、ホタテのグリル、ロブスターのボイルの3点盛り。



ワインリストを眺める。まったりと赤ワインを飲みたい気もしたが、ボルドーなんかを飲むと歯磨き必須だ。リストのメドック左岸格付け5機内の級のランシュ・ムーサ2014が目に入るも、機内のトイレで歯磨きは煩わしいので諦める。
前菜のセットに合いそうなロゼ・シャンパンを注文する。ジョセフ・ペリエのこのキュヴェは、日本で流通しているのは2010年ヴィンテージのものだが、機内では2006年と更に熟成したものが提供されている。



ジョセフ・ペリエ ロゼ
Joseph Perrier, Esprit de Victoria Brut Rose, Champagne, France, 2006
Joseph Perrier
ピノ・ノワール 61%、シャルドネ 33%、ムニエ 6%。
鮮やかなチェリーレッド。
トップにはイーストやパンの香り、チェリーリキュール。
ジューシーで黒ブドウの旨味を豊かに感じ厚みのある風味、快活な酸味、泡の力強さとブドウの力強さと相まって力の充実した、16年熟成とは思えないほどマッチョな面を持ち合わせ一本。




ホタテとロブスターとは期待通りの相性。貝、甲殻類のこうばしさと旨味に、ワインのボリューム感のある果実味が調和。
相性: ★★★☆☆

続いてスモークがほんのり効いたサーモンに、バルサミコ酢をほんのりと落として。サーモンの脂とバルサミコ酢の酸味に、ワインのジューシーな黒ブドウの風味が絶妙に調和。サーモンとロゼワイン (スパークリング含む) は間違いない組み合わせだが、ブドウの力が強いワインには、料理をバルサミコ酢で少し底上げしてあげるとバランスが良くなる。
相性: ★★★★☆

Noteでシーフードとワインの相性を日々の食卓で検証した結果をつづっていますのでよろしければぜひ、見てみて下さい。

旅先でブシャール・ペール・エ・フィスのピュリニィ・モンラッシェを開けました。
海を見ながら星空の下のテラスで素晴らしい白ワインを飲む、とても癒されます。
1731年創業の歴史あるワイナリーが丁寧に造り上げたワイン。樽製造会社を設立するほど、ワインが樽に与えるニュアンスにはこだわっています。
こちらも適度に抑制の効いた樽香が素晴らしかったです。

Bouchard Pere & Fils, Puligny-Montrachet, 2015, 13%
ゴールドがかったイエロー。
冷やし気味だと青リンゴや白桃、完熟したリンゴ、リンゴのコンポート、バネのある黄色い花、アカシア蜜、ややはっきりした樽香、柑橘の果皮、香りはかなり厚め。
熟度の高さによる甘みを豊かに含んだ果実味、柔らかい塩味もありミネラル豊か、膨らみありながらも同時に舌にピリッと残る酸味はピュリニィらしい、バニラなどが鼻孔を抜け非常に長い余韻には濃厚なヨーグルトのような乳飲料系のニュアンスが残る。
まだ固さは残るがスケールの大きさは素晴らしい。
(91/100)(5月13日)

先日、自宅で開けたボルドーです。
メドック格付け5級ペデスクローのセカンドラベル、オー・メドック・ド・ペデスクローです。ラフィット・ロートシルトなど綺羅星のようなシャトーが居並ぶポイヤックで作られます。
セカンド・ラベルはファーストのクオリティには届いていない樹齢の若いブドウから造られるなどにより、お手頃な価格でリリースされています。
ファースト、セカンドの割り振りは各シャトーの判断に委ねられますし、最近はセカンドでもファーストにかなり近いレベルのものもあります。
焼きそば、キムチに合わせましたが、思いのほかよい組合わせでした。
Pedesclaux, le Haut-Medoc de Pedesclaux, 2013, 12.5%
黒みの入った赤紫。
すり潰した黒色のベリー、熟したプラム、ビンテージの割に好意的なフレッシュな果実香も含まれる、樽香は抑制が効いていてワインに溶け込み主張はかなり控えめ、微かに海藻のようなヨードのニュアンス、中のやや強めのボリューム。
中庸、抑えの効いた凝縮感、滑らかなタンニンはゆったりと残る、余韻は中のやや長。
焼きそばの甘辛ソース、キムチの酸味に適度に抑制の効いた果実味、強すぎないタンニンが程よくマッチ。
(88/100)(5月6日)