新井順子の自然派ワインづくりの日々 - フランスの葡萄畑より

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今年の目標ピノ・ノワールが☆

こんにちは!新井順子です。
 
 
先日まで剪定のお話をましたが、長~くなりまして・・・もう今7月。笑
剪定では、さむ~い!というお話でしたが。
今はもうフランスも暑いです。
  
実はですね!その間のあいだに、以前から「今年の目標」としてお伝え
していました「ピノ・ノワールの植樹」が終わりました♪♪♪
 
今日はそのお話しを!
『剪定物語』のように連載ではありません。笑
そのかわり、本日は長~いです。笑
 
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              ・
 
いよい念願の植樹。土はプロの方にお願いし、綺麗に整地は終わりました。
植樹用の大きなトラクターがうちの畑にやってきました。
 
苗木のプロ、そして植樹のプロ、それぞれスペシャリストの方々が集合です。
細かい打ち合わせをしてシャルドネは1ヶ月遅らせることにしました。
 
私の念願の品種です。
2年前に一度、苦渋を味わい、復活の植樹です。
なので今回の植樹は気合が違います。たとえ1人になっても守ってみせます。
この赤ちゃん達を枯らす訳にはいきません。
  
今回はばっちり写真を撮ってますので、↓後で見て下さいね。
 
植樹というのは結構時間がかかります。大変です。
斜面の畑を正確に1m単位で、1.5mの間隔を開けてトラクターを動かし、
土を切って植樹。土木工事現場の計測器を使用したりします。
 
この畑は石がいっぱい!
でもそれだけ葡萄が植わったら逆に素晴らしい畑になるのです☆
この畑の名前はラ・ブロッス(LA BROSSE)と言って、一番お気に入り、
うちのワイナリーではグラン・クリュといえる畑です。
 
一昨年から準備した苗木を植えます。
これがクローンなら実は政府から補助金がおります。
でもうちの農法は自然に忠実に、古い方法で葡萄達の個性を大切にしたいので、
計算されたクローンは選びません。苗木屋さんもこういう注文は少ないのです。
でも職人さんは、逆にこういう苗木の方が楽しいみたいです。
「今は皆クローンだからねぇ・・・」と、今回の植樹も彼の仕事ではないのに、
ずっといてくれました♪
 
さて大きなトラクターの準備が終われば、どんどん苗木を差して行きます。
私の仕事はそのトラクターの後ろに乗って、機械に苗木を差し込むことです。
1本1本気持ちを入れて差し込みます。
 
差し込むだけの作業ですが1本1本「長生きしてね、死んじゃ駄目よ!」って
言って送り出します。今回駄目なら本当にワイナリーを辞めようと思います。
そんな覚悟です。
 
これがクローンであるならなんの問題も起きないんですけどね、2005年には
2万本の苗木をINAOの決定によって燃やされ、何回も申請を繰り返し、
やっと植えられても全滅し、そしてこれが最後のチャンスです。
 
もしこれで根付かなかったら、やはりこの地でのピノ・ノワールは難しいの
でしょう。潔くピノ・ノワールは、ブルゴーニュに行ってやります。
ピノ・ノワールの醸造は私の目標の1つなのです。
醸造家ならば一度は醸造したい品種です。
 
そして、やっと植樹が終わりました!
感無量です!!
この日を待ってました!!!
 
その日は家でたった1本だけ残っていた「MIDORI」というワインを開けました。
これは2006年に1度だけ妹のために作ったワインで、今後も私は醸造する
つもりはないワインです。そして日本から持って来たウナギです♪
今、技術が進んでいるから真空パックのものが売っております。
ここではちょっとしたご馳走です。
さらに植樹が終わった安度感でしょうか・・・・
いつもよりなんだか美味しい食事でした☆
 
 
さて、植樹が終わっても仕事は実はこれからです。
次の日は1本の葡萄の赤ちゃんに水を1リットルずつあげないといけません。
これってすごい量ですよ。
ご想像できますか?
ですが畑に水道はありませんからね。笑
 
トラックにお水を沢山積み込み、畑で沢山歩いて、
子供たちに手で1本ずつ水分補給です。
 
今、フランスは良い天気なので、グズグズしているとすぐに枯れてしまいます。
大人の葡萄に水を人為的にあげることは禁止です。
唯一赤ちゃんだけ許されております。
他の国では問題なくてもフランスのワイン法ではいけないのです。
もちろん1日で終わる作業ではありません。3人で2日間の仕事です。
 
それが終わると・・・・(まだまだあります)
 
これは日をまたいでの仕事ですが、その苗木の横に添え木を打ちます。
またそれが大変な作業です・・・・
剪定の時に大活躍したグルジア人のゲラさんにもお手伝いを頼みました。
私はトラクターを回したいのですが、それはフランス人が働かない土日の週末に
集中して行います。そんな訳で実際の植樹が終わっても忙しい毎日です。
 
家に帰ったらバタンキューで30秒で寝ちゃいます。
寝ても寝ても眠いです。笑
 
 
さて!それでは植樹の画像をご覧くださいませ☆
 http://www.y-wine.jp/hpgen/HPB/entries/7.html
 
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<最終回>

こんにちは!新井順子です。
  
 
  +    +    +    +    +
 
 
さて、どの世界にもスペシャリストが存在します。
 
実は剪定も剪定の専門家がおり、どうしても間に合わないので今回、
ソーヴィニヨン・ブランの畑だけは、彼らスペシャリストに頼む事にしました。
 
普通スタッフとしてゲラさん達のように仕事をお願いすると時給で換算して
お給料を払います。でも剪定の専門家にはこのような支払い方ではありません。
「1haいくら」って払うんです。こういった違い、面白いですよね。
 
 
  『仕事の早さが全く違います』
 
 
彼らはチームでやってきて、好きな時に好きなペースで働きます。
普通は1人1列です。でも彼らは手慣れていて右と左の2列を一気に切ります。
そして帰りに木の枝をフィルから除去します。
 
そのペースの速い事ったら!!
 
我々の1列と彼らの2列が一緒の時間です。
ですから2倍の速さです。
でも彼らは1列終わると休みます。
我々はずっと続けます。笑
 
ですから傍目には彼らが休んでいる、サボっているように見えますが
仕事の効率がよく、手慣れているんでウルトラ集中して2列切るんです。
切っては休み切っては休みの繰り返しです。さすがプロです。
 
世の中には色んな専門家が存在しますね~
 
だから本当はゆっくり4ケ月、自分のペースで剪定出来れば良いのですが、
今回は突発的な事なので2haだけはそのグループにお任せです。
 
なので私もやっと!・・・・帰国の目処が立ちました☆(ホッ)
 
 
 
はい、これでボワ・ルカ剪定物語は終了です。
 
長かったですねぇ~
私さえも思っていないほどの長さになってしまいまいました!笑
 
やけに「寒い、寒い」と言っていましたね。笑
これは3月末のお話ですが、
その後フランスは5月あたりも肌寒い日が続きました。
しかしその後は、春をすっぽかしたように夏の暑さの日が。
 
そしてもちろんワイン作りのための作業はずーっと続いています。 
次回はまた違うステージのお話しができると思います☆
 
(完)
 
  
 
 

ワイン作り・剪定物語<その14>

こんにちは!新井順子です。
  
 
  +    +    +    +    +
 
 
さて、今(3月末のとある日)、剪定を行うとポカポカ天気が良いので、
切った木の枝から樹液が出ます。
それは本当に1年にたた10日間くらいの出来事です。
ポタポタ、ポタポタ出てきます!
それが肌に良いとお化粧水に迄なっているくらいです。
枝を切ると樹液が上がってくるのです。
 
この前まではマーシュが生えておりましたが、
今はオニオンが沢山生えております。
そのオニオンも今は忙しくて取っている暇はありません。
無農薬の野菜だから美味しいでしょうに・・・・勿体ないです。(-""-;)
 
こうやって畑の「顔」は毎日違います。
 
ちなみに「マッコート」をご存知でしょうか?
日本語が思いつきませんが、死んだ葡萄の木の場所に隣の葡萄の枝を
伸ばして、差し木にして葡萄の木を増やす作業です。
意味が解りますでしょうか?
 
通常切る枝を切らずにそのまま隣まで伸ばし、その枝が隣の場所まで
根が付くほど十分に伸びたら、隣の土に植えこみ2本目の葡萄の木を作る作業です。
なので剪定している最中でも、このマッコートが出来る状況だと枝を残し、
はつらせ、夏になって根が付く迄待ちます。
 
そうすればわざわざ苗木を植えなくても1本木が植わるわけです。
でも全て出来る訳ではありません。
隣の木が丈夫な健康な葡萄でないといけません。
剪定中にその状況に当たると嬉しくなります♪
 
そうなると綺麗に枝を整理し、無駄な芽を切り、隣に伸ばしてあげるのです。
 
「ちゃんと大きくなるのよ」って言ってあげながら・・・
 
ゲラさんとその友人は2人でグルチア語で話します。私には解りません。
1人の手伝いが2人の手伝いになり、3人になったので剪定はどんどん進みます。
私は剪定が終わっても終わらなくても仕事があるので帰国しないといけません。
 
もし間に合わないと4月の上旬に行いますが、理想は3月迄です。
なので朝から晩まで剪定・剪定です。
平日はスタッフとして手伝って下さいますが、土・日は1人です。
 
土曜日は午前中はMarcheに出かけ、先週変えなかったクレソンを買い込み、
昼食のサラダとして食べ、畑に出勤です。
 
土曜日は誰もいないのですが、何と近くの元ボワ・ルカの醸造も経験した
パスカルも出勤して剪定です。
彼も自分の畑の剪定の追い込みなので土・日も仕事です。
 
こんな繋がり・・・・遠くても誰かいてくれると心強いです☆
 
 (つづく)
 
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<その13>

こんにちは!新井順子です。
  
 
  +    +    +    +    +
 
 
さて以前この話の中で、ウチで働いているGela(ゲラ)さんが
「風邪気味で、来週、又来ます」と言った話を覚えてますか?
 
そう、「月曜から出勤できたらします」というのは
フランス語では「月曜日は来ません」と訳す・・・・という話です。笑
 
でも驚いた事に月曜日にちゃんと来たのです!!! \(☆o☆)/
 
考えてみると彼は奥様がフランス人だけどもともとグルジア出身なので、
感覚は我々日本人ととてもよく似ております。
それもナント、友人までお手伝いに連れてきて下さいました。
人手が不足している時にこれは大助かりです♪♪
 
 
 「これで何とか3月中に剪定が終わる♪」
 
 
さすがグルジアの人ですね~、真面目です!
言った事をちゃんと行います。
 
・・・・・日本では、いたって普通の事ですが。笑
 
通常12月~3月で行う剪定の作業を3月だけで終わらそうなんて
虫の良い話です。これで終わったら奇跡的な挽回です。
でも実はこの時期にまとめて行うのは葡萄達にとっても良い事なのです。
 
早く行うと、葡萄の芽が出てしまい、3月には急に寒くなって、
年によっては霜で出た芽が凍ってしまう時もあるのです。
なので可能なら今の時期に行うのが理想的なのです。
でも物理的に畑は広いので実際は出来ないのです。
うちは幸か不幸か、その理想に近い剪定に、結果なろうとしております。笑
 
「3月に勝る剪定はなし」って言われる位ですから・・・・
 
(つづく)
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<その12>

こんにちは!新井順子です。
  
 
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さて、剪定で切った後の葡萄の枝は、以前寒い頃は毎日家に持ち帰って
暖炉の薪にすると言いましたが、薪に使う時期でさえも量が半端でない
ので、それだけでは間に合いません。
 
(3月末頃のお話です)
 
ガメイが終わった時に一度、枝をまとめてたき火で畑で焼きます。
寒かったのでちょうど良いと思って、そのたき火にするのを
楽しみにしておりました。しかし、その枝を焼く決めていた日、
なんと、その日から急に暖かくなってしまったのです。
 
まあなんと間の悪いことでしょう。笑
 
でも暖かいのはやはり嬉しいです。
3日前まで寒くて寒くて仕方なかったのですが、
一昨日から畑では途中でダウンを脱ぐことができます。
ちょっと春のようなポカポカした陽気です。でも朝夕は寒いです。
 
さて、沢山の枝を焼くのですが、これもまた大変な作業です。
どれ位の木か想像できますか?
 
3m直径の大きなピラミッド状態です。
それを炊き上げ、又どんどん焼いている最中に枝を上に載せます。
大まかに焼きあがるのに半日はかかります。
枝は小さくなって灰のように見え、火は消えているようでも
実はまだ火の粉は残っており本当に消えるまで1日以上かかります。
 
それ位の量です。
このガメイが終われが次はコー(マルベック)・・・・
それからソーヴィニヨン・ブランと続きます・・・・ふぅ・・・・
 
田舎の生活をすると本当に原始的な色んな事を覚えます。
 
 
   『私は無人島に漂流しても大丈夫のようです』 笑
 
 
(つづく)
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<その11>

こんにちは!新井順子です。
 
 
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さて、今まで剪定に関していろんな話をしていたうちに・・・・
 
 
   『やっとガメイの剪定が終わりました!』
 
 
このガメイは1991年の植樹なので、
私がこの畑でワイナリーを始めた2002年は10年の子供で木も細かった。
 
でも今、こうやって剪定してみるとどうでしょう!
幹も太くなり、しっかりと大人の葡萄の樹です。
なんと幹に苔まで生えております。
 
本当に大きくなりました。
とても逞しく、剪定していても負けてしまいます。
月日が経つのは早いですね☆
 
そして次は2006年に植樹したコー(マルベック)の剪定をしております。
この子達はまだまだ子供で可愛らしいです☆
木の幹も細いのでガメイの剪定よりぐっと楽です。
 
でも面白いもので4年経つと、それぞれの成長が全く違います。
遅い子はまだ赤ちゃん状態で背が伸びず、背を高くする剪定の切り方をします。
成長の早いコーはもうすっかり大人の形になってきて幹もそれなりに太いです。
 
同じ年に植えたのに、もうこんなに成長が違うのです。
人間と同じですよね。
ちょうど幼稚園児が4月生まれと3月生まれで違うように…。
 
この畑には100名の苗木オーナーがいるので余計丁寧に行います。
畑に来ると100名の名前の石碑があるので、仕事が大変でも励みになります。
 
先日、久しぶりに石碑の周りを掃除しました。
周りに沢山の木が生えていたので、それを全て切り取りました。
 
そんな、ちょっと一安心の日でした☆
 
(つづく)
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<その10>

こんにちは!新井順子です。
 
 
  +    +    +    +    +
 
 
さて、私は剪定にはハサミを使うのですが、
ほとんどの生産者のところでは電気カッターを使っております。
この方が時間が早いし、手の負担が小さいからです。
腱鞘炎にかかってしまう人が多いので、この電気カッターを新しく購入すると、
国から援助金が少しだけ出るくらいです。
 
それくらい剪定は手に負担がかかる仕事です。
でもその分、別の危険も発生します。
電気カッターは早く強いので、手の指も簡単に切ってしまいます。
この前も慣れている剪定者が指を切った話を聞きました。
怖いですよね~・・・・考えただけでも痛くなります。
 
私は電動カッターは使いません。理由は2つ。
1つはこの指を切る可能性があるので怖いのと、
もう1つは剪定バサミの方が、葡萄の樹に親切だからです。
 
葡萄の樹の形に無駄のないように枝を切るにはハサミの方が合っています。
電気カッターは早いけど大雑把です。
刃の形状がそうなのでしょうがありませんし、細かいところまで切れません。
まさにバサッバサッと切っていきますが、ハサミだと丁寧な仕事ができます。
でも時間もかかるし手の負担も半端でありません。
 
1日剪定すると手が本当に腫れます。
一晩寝ても朝起きると、手のひらだけ熱いのです。
それ位手に負担がかかります。
 
冗談でなく手も指も大きく・太くなります。笑
 
私はテニスと空手で鍛えていたので、握力はある方です。
選手として現役で一番練習していた時は右の握力が60kgはありました。
これは女性ではかなりある方です。
 
なので去年、若い収穫者と腕相撲しても負けなかったのです。(変な自慢してま~す 笑)
 
その私ですら手のひらに熱がこもる程、大変な作業です。
考えてもみて下さい。
朝から晩までエイッエイッ!って枝をずっと切る作業なのですよ。
それも電動カッターを使わずに。慣れないと腱鞘炎になっちゃいます。
 
でも面白いもので、その作業も慣れてくると手ができてきます。
ですから翌朝の手の痛さの痛み方が変わってきます。
しかし手が慣れた頃・・・・今度は腰が痛くなります。笑
収穫と同じで座ったり起きたりの繰り返し。
すごい運動量です。
 
手の痛みが終わると腰の痛みです。笑
 
あ~、農業は本当に大変です。(シミジミ)
 
 
でも・・・・
   『お陰様で毎日本当に美味しく御飯が食べられま~す☆』
 
 
 

「飲み頃」のお話

こんにちは!新井順子です。
 
さて剪定のお話しが続いてますが、たまにはちょっと違ったお話しを☆
 
 
  +    +    +    +    +
 
 
ちょっと前に、ビネールの家に行きました。
アルザスの生産者です。
もうご存知の方もたくさんいらっしゃると思います。
 
まずは畑に直行。
2007年に特級に昇格した畑で写真を撮りました。
 
今回、この撮影の為に一眼レフを片手に気持ちはカメラマンです。
クリスチャンに色々ポーズをとって貰い、カシャ・カシャっと
気持ちはプロになった感じで~す♪笑
 
この日は到着が遅かったので、撮影だけ。
夕食をビネール家で取り、1年分のおしゃべりです。
1年会っていないと色々話す事も山のようにあります。
彼と出会ったのは、まだ彼が独身の時から。もう10年以上前になります。
それから今の奥様と結婚し、
長男が生まれ、
次男も生まれ、
畑も少しずつ増え・・・et。
 
本当に沢山の歴史があります。ここに来るとついこの前のようです。
さて一晩寝て、朝一番で試飲です。毎年、このワイナリーの試飲が一番
体力が要ります。普通のワイナリーの試飲は多くても10~15アイテムです。
 
それがビネール家では一回に30~40アイテムも試飲するので慎重です。
ですから到着して直ぐにというより、毎年一晩泊らさせていただいて、
翌朝早くから試飲するのが最近のパターンです。
そうなると昼までエネルギーを保ちながら、間違えない試飲が出来ます。
 
時間に追われたり、エネルギー的に疲れている時は試飲は行いません。
1年に1度、1年分の商談を兼ねての試飲なので緊張度が違います。
 
  +     +     +     +     +
 
実は昔からクリスチャンに聞きたい事がありました。
それを今回聞いてまいりました!
 
 
  『それはこのワイナリーのワインの出荷方法』
 
 
例えば今、2010年。
今年は通常は2008年のワイン、早いと2009年のワインが出荷されるのが
通常のワイナリーのワインの出荷です。
 
ところがこのビネール家のワインはビンテージに関係なく
飲み頃にならないと出荷しないのです。
 
ですから今2010年ですが、2007年のワインのリリースもあれば、
1996年のワインも今年出荷するという場合もあるのです。
毎年違うのです。
 
だからそれを市場に紹介する時もとっても大変なのです。
良いワインになればなるほど、カーブで寝かせて、飲み頃になってから
販売するのです。これは資金繰的に大変な事です。
よほど拘っているか、経営的に余裕がないと出来きれません。
 
理想的ですが現実的ではありません。
私もボワ・ルカでワイン造りと同時に経営をしているから分かります。
でもここビネール家はこのスタイルを貫いております。
 
今まで聞きたくてもうっかり聞いていなかった質問をしました。
 
 「クリスチャン、前から聞こうと思ったんだけど、
  いつ誰がこのワインの出荷を決めるのかしら?」
 
 「それはね、新年に家族が皆集まって、セラーにあるワインを
  皆で試飲するんだ。そして飲み頃が始まったワインを皆で決め、
  それを今年のワインリストに加えるんだ」
 
 「へえ~、それがビネール家のお正月の風習なのですね」
 
と、10年以上付き合っている私も初耳。
 
素敵な家族会議ですね☆
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<その9>

こんにちは!新井順子です。
 
 
  +    +    +    +    +
 
 
今日は難しい話はちょっと休憩♪
実は今、私は男物のシャツを着ております。フフフ♪
 
えッ!!!
なんて耳をダンボにしないで下さいね。
 
「浮いた話とは縁のない新井順子が?」
         って今言ったのはどこのどなたですか?笑
 
実は、うちの主人は2、3年に一度、ワイシャツを思い切って整理する
ことがあるのです。私は背広を着ないので分かりませんがクリーニング
する度に首がだんだん縮んでくるらしく、もう着れなくなったワイシャツ
を時々まとめて整理するのです。
 
彼は気前も良いので迷うことなく洗濯屋さんから戻った12~13枚位の
ワイシャツを「捨てといてくれ」と私に頼みました。
 
 「もったいない、洗濯屋さんからかえってきたのだから、
  もう一度着て捨てたらいいんじゃないの?」
 「いや、要らないんだ。」
 
と物を簡単に片付けます。
私はハラハラします。私の方は貧乏症。笑
会社でも使い終わった要らない資料は、裏をメモ書きに使うし、
こういう物の使い方はしません。でも家に置いておく訳にはいかず、
かといって捨てる訳にもいかず、ある日、全部フランスに持って行ったのです。
 
そのワイシャツをフランスの箪笥にしまっておいたのですが、ふと思い出し
「そうだ、これだけ寒いから1枚多く着ちゃおう」っと出してきたのです。
 
そう、最初のころお話ししましたよね。
今年、この時期フランスはとっても寒いのです。
 
ヒートテックの上に長袖のTシャツ、
その上にこの主人のワイシャツを着てセーターを着込めば、かなり暖かいです。
いくら主人にとって首が小さくなっても私には大丈夫。
でも袖がかなり長いのでセーターの袖口からかなりはみ出てまるで子供のように
袖口を織り込みます。でも1枚増えるとかなり暖かいです。
 
日本では不必要な洋服もフランスではとても重宝します。
さすがにここで着た後はボロボロなのでクリーニングには出さないで
捨てちゃうのですが・・・。
 
まさかこんなところで役立つとは思いませんでした♪
 
(つづく)
 
 
 

ワイン作り・剪定物語<その8>

こんにちは!新井順子です。
 
 
  +    +    +    +    +
 
 
さて、剪定はとっても頭を使います。
そこがまた、とても面白いです。
 
枝の選び方にその人の個性が出ます。
私の選び方はきっと保守的なスタッフGUYが見たら卒倒するでしょうね。
想定外の剪定の仕方だから。笑
 
人生もそうですが答えは1つでないのです。
ルールを最低限守っていれば何をしても良いのです。
 
ただし、優しさ・寛容さを欠いてはいけません。
だから今年はGUYが居なくて良かったかもしれません。笑
 
GUYはコー(マルベック種)には8つの芽を残します。
でも私は今年、赤ちゃんでも6つしか残しません。
レシピ通りではありませんが、もう「彼女たち」は立派な大人なので
子供扱いしません。去年2009年は甘やかしたので失敗でした。
 (これはいずれ、ワインを出荷する時に説明しますね)
 
こういうところ、人は相変わらず私の発想の仕方を見て
私を宇宙人のような目でみますけどね。笑
 
子育ての方法が各家庭によって違うように、
それぞれの親の考え方で良いのでは?と思います。
 
子育て・・・そういえば今、頬っぺたを真っ赤にした子供とかあかぎれ
なんて言葉はなくなりましたね。文化的な日本にはもういないのでしょう。
 
子供は「かぜの子」っていって寒くても外で遊んだものです。
私の子供の時代はそうでした。
パソコンや携帯はもちろんありません。
 
縄跳びやメンコ遊びが楽しかったです。
それを言うとオバタリアンでしょうか。笑
 
子育ても剪定も同じで、あまり過保護に大切に育てる1日で風邪を
ひいちゃいますよ?と思うのです。
 
風邪・・・・そう、この私が風邪をひきそうなくらい寒いです。
化粧水は多めに、毎日パックは忘れず、クリームは1日10回塗ってま~す。
お陰で普通半年はもつクリームが今回の滞在だけでなくなりそうで~す。笑
 
(つづく)
 
 
 
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