通勤用に乗り出したスカブですが、①高速でエンジン回転が上がりすぎる80㎞で7000rpm問題、②スタート時、低速域からゆっくりとスロットルを開けるとガクガクする、いわゆるクラッチジャダー問題、③乗り始めのオドメーターが2万キロだったので、すでにベルト交換時期、

ならば純正ベルトの交換、④ハイスピードプーリー(星野設計製ハイプリ)と、⑤30gウエイトローラへ交換(ノーマルは39g)。⑥フリーウエイなら簡単にできるギアオイル交換だけど、スカブはベルトカバーを外さないとできないのでついでにギアオイルの交換という駆動系の合計6項目を一挙ファインチューニングしようというもの。

 

文化の日を利用して、朝イチで千葉県松戸市の星野設計さんにスカブを持ち込みました。

 

午前10時から開店なのに9時半すぎには到着。50分から作業開始となりました。

 

ステップボードのマットをめくり、ねじやクリップをどんどん外します。左下のカバーがすぐに外れました。

 

ドライブカバーも外します。

ベルトはサイドが硬化しカチカチの状態。「切れなくてよかったですね」と社長。

スポンジのフィルターも崩壊していました。

クラッチを外します。1mはあろうというブレーカーバーでSSTを咬みこませてプーリーの回転を止めて一気に緩めます。

 

 

ドライブ側プーリーはイン側はきれいでしたが、アウターはやはり傷んでいました。硬化したベルトで磨かれてラインが入っています。

すなわち段付きです。

このプーリーはアルミの塊からNC旋盤で削り出したハイプリに交換し、ウエイトローラーもスペシャルなものに替えました。

 

 

クラッチシュー側の傷みはないのですが、ドラム側に当たっていない部分が1カ所ありました。ドラム側は2つの構成部品を溶接で結合しているために熱による歪みがどうしても出ます。センターが正確に出ていないことによってジャダーが誘発されるのです。

 

対策としては遠心クラッチ3枚のシューに斜めにスリットを設ける(削る)作業を行いました。

切削作業は社長の娘さんが工房奥の作業場でていねいに斜めスリットに削ってくれました。

 

ラストはギヤオイル交換です。抜いたオイルにはまだ透明度がありましたが、一定程度は汚れ黒ずんでいます。ギアオイルの仕事をしていたという証です。これが漏れ出てしまったりすると、ギヤが焼き付きを起こします。全量を抜き、ギヤオイルをオーバーフローするまで200CC満たし、ボルトを締めて完了です。

 

11時半前には作業終了。

星野社長から「ベルトとプーリーに当たりが出ていませんから、停止状態から全開走行するのは避けてください。20キロ程度は緩やかにスロットル操作し、慣らしを行うと完璧です」とアドバイスをいただきました。

 

走り始めてすぐに変化に気づきました。ジャダーが全くなくなりました。スムーズにきれいにクラッチがつながっていく様子は感動的です。いやな振動が全くありません。

そして帰路、東京外郭環状道路(外環)に乗って驚きました。高速域のエンジン回転数がメーター読みで10%ほど低くなっている。

 

約60キロを変化を確かめつつ帰ってきました。

これで通勤が一層快適になるでしょう。