アカデミー賞にもノミネートされていた「戦火の馬」。
テレビの宣伝にも興味をひかれて行こうと思っていて、あやうく見そびれるところでした。
上映時間の長さを感じさせない展開でした。
大砲を丘の上に運ぶために多くの馬が使われ、足を傷め、体力のなくなっていった馬があっさりと殺されていく様子は、残酷でした。
その一方で、戦いの中で、パニックになって有刺鉄線にからまってしまった馬を敵同士が力を合わせて助けるところや、馬への愛情をそそぐ兵士の姿も描かれていました。
馬同士の感情のやりとりもあって、馬の気持ちもわかるような気がしました。
最後には調教から育てた馬と青年との感動的なめぐりあいが用意されていましたが、愛馬と共に故郷の家に帰っていった最後のシーンを見て、この映画のテーマが家族の絆にあったように思いました。
それはそれで素晴らしいことですが、結局、馬は小道具に過ぎなかったのかな。
農耕馬を買う予定だったのに、あの馬を見て法外な値で競り落とした父親でさえ、帰ってきた息子の無事を喜ぶだけでした。
馬は馬だけの映像。それはそれできれいでした。孤高の馬という意味をもたせたかったのかもしれません。
でも、再び親子と馬が一緒になることができたことを喜び合ってほしかったなと思いました。