犬の痙攣(けいれん)
「ひきつけ」「痙攣」の際の応急処置
ひきつけや痙攣が起きると全身の筋肉が硬直し、硬くつっぱるような感じになり、
ふるえや尿・便の失禁もあります。
痙攣している場合には、ぶつかりそうな周囲のものをどけたり、
やわらかいクッションなどをあてがってください。
大きな音がしないようにし、直接日光があたらないようにする。
呼吸が苦しそうな時にはタオルなどを噛ませるのもいいでしょう。
また、てんかんでは目を白黒させ、全身が震えるといった症状が見られます。
この場合にもできるだけそっとして刺激を与えないようにして、頭をぶつけたりしないようにする、
嘔吐物は取り除く、などの配慮を心がけてください。
痙攣を起こしている時のわんちゃんは自覚症状がありません。
治まった後はいつものわんちゃんに戻りますが、本人は何があったか理解していないので
静かに声をかけながら、ゆっくりと落ち着かせてあげましょう。
口の近くに手があれば噛み付いてくることもあるので、気をつけましょう。
てんかんの持病が明らかな場合、数分間の経過で落ち着くようであれば、
落ち着いてから診察を受けましょう。
何が原因であれ、早急に獣医師の診断を受けさせることをおすすめします。
考えられる主な病気
犬のてんかん
筋肉の収縮を支配している中枢神経系に原因不明の異常興奮が起こり、筋肉が収縮する。
てんかんには「部分発作」と「全般発作」があり、発作をくり返し起こす脳の病気。
検査をしても脳に構造的な異常が認められない原因不明の「特発性てんかん」と、
脳腫瘍・水頭症・脳炎などの脳に何らかの障害がある為に起こる
「症候性てんかん」に分けられます。
犬の脳腫瘍
脳腫瘍は、中年齢~高年齢の犬で多く見られます。
発症しても特に目立った症状が見られないこともありますが、
腫瘍ができた部位によっては、てんかん様発作や斜頸(しゃけい:頭と首が傾いてしまうこと)、
旋回運動、運動失調などが起こることもあります。
犬のクリプトコッカス症
クリプトコッカスという真菌(カビ)に感染することで起こる病気です。
他の病気などが原因で、免疫力が低下しているときなどに発症しやすい傾向があります。
犬よりも猫に多い病気ですが、
人にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス、人畜共通感染症ともいう)でもあります。
犬ジステンパーウイルス感染症
犬ジステンパーウイルスの感染により、鼻水やくしゃみ、発咳といった
呼吸器症状や嘔吐・下痢などの消化器症状、麻痺や運動失調などの
神経症状が見られる発熱性の病気です。
ワクチン未接種の1歳未満の子犬に発症することが多く、ときに命に関わることがあります。
犬ジステンパーウイルスの感染経路は飛沫感染や接触感染です。
犬のトキソプラズマ症
トキソプラズマという原虫の寄生によって起こる感染症です。
トキソプラズマ症は、猫に起こる感染症という印象の強い病気ですが、
哺乳類・鳥類にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス、人畜共通感染症ともいう)です。
トキソプラズマのオーシスト(虫卵のようなもの)を口から摂取したり、
すでにトキソプラズマに感染している小動物を補食したりすることによって感染します。
門脈シャント(門脈体循環シャント)
先天的または後天的な原因によって門脈と呼ばれる血管と大静脈血管との間に
異常な連絡路(シャント)が生じることで、
アンモニアなどの本来肝臓で解毒されるはずの毒素が
体中を循環し、障害を引き起こす病気です。
犬の低カルシウム血症
血液中のカルシウム濃度が低くなり、運動神経線維の活動が異常興奮し、
低カルシウム血症に特徴的なテタニー(強い拘縮)が起こります。
全身の骨格筋(特に四肢と喉頭)にけいれんがみられます。
上皮小体(副甲状腺)機能低下症や授乳中の母親犬にみられます。
ほかに「有機リン中毒(殺虫剤中毒)」「熱射病」「狂犬病」「腎不全」「水頭症」「低血糖」
「脳の外傷」「ビタミンB1欠乏症」なども痙攣をひき起こす原因として考えられる病気です。



